2016年09月04日

家族のシナリオ 小野寺史宜

家族のシナリオ 小野寺史宜(おのでら・ふみのり) 祥伝社

 「41歳の母親が、他人の最期を看取る」というキャッチフレーズに惹かれて購入しました。100ページまできて、ようやくその動きが出始めました。
 母親は元女優で、主人公は、高校1年生の男子です。
 母親は、前夫と離婚して、前夫の弟44歳と再婚している。前夫との子である高校1年生の長男と中学1年生の長女の4人で暮らしている。なのに、そこで、母親は、家族以外のひとり暮らしで身寄りがない50代の男性(癌で余命がない)を見送ろうとしている。男性は、母親が女優をしていた頃のマネージャー52歳すい臓癌谷口久邦という設定です。人類は皆、兄弟、姉妹みたいな平和追求の終わりになるのだろうか。
 前半は、高校1年生安井想哉の高校生活が語られます。元女優の子どもである彼は、演劇部に入部します。彼は古い映画、ヒッチコックが大好きです。演劇部は部員不足で5人しかいません。顧問がJJという1年C組担任英語教師の城純吾(じょうじゅんご)小太り33歳です。彼らの演劇作品が9月の文化祭で上演する「船出」です。30分劇です。4人の高校生たちの話です。

 構成としては、1年間の物語です。1学期から3学期まで、春から春までです。
高校1年生ぐらいの年頃の子どもさんが読む内容です。作者の思い出話だろうか。作者が若いのか年配なのかわかりかねます。ヒッチコックとかカフカとか古い。レトロです。懐古的、古いものを好む。昔を懐かしむ。中学生の頃に見ていた映画雑誌「スクリーン」とか「ロードショウ」を思い出しました。映画も文学も知らないと理解できない本作品の内容となっています。少々マニアックです。ハードロックに関する記述も。
 舞台は、みつば市ということになっていますが、雰囲気として、千葉市です。館山市に祖父母が住んでいます。
 
単語調べです。「焚きつける:たきつける。読みの確認です」、「トラウマ:過去のショックな出来事が原因で前に進めない」、「ストイック:禁欲的」、「AC/DC:オーストラリアのハード・ロックバンド」、「残滓:ざんし。残りかす」

印象に残ったフレーズです。「ハイヤー、松江、宍道湖」、「結局、人はやりたいことをやる」

(つづく)

 読み終えました。
 高校1年生男子から見た大人の世界、とくに、ひとりの女性を愛した3人の男性、その女性が自分の母親で、かつ、元女優という設定で、元女優を愛した彼女の元マネージャーがすい臓がんで亡くなるまでを1年間の高校演劇部活動をからめながら、将来は脚本家、演出家、映画監督を目指すという夢までに発展させた小説でした。良かった。これから、小説家になりたい人が読む本でした。

 中学1年生のれなは、離婚した元父親の味方、高校1年生の想哉は、母の味方。そうして、家族が分断される。よくある家族の構図です。両親の離婚で、家族が割れても、年齢を重ねるうちに、もとのひとつのグループに戻ることもあると思いたい。

 母親の名が「れみ」、娘の名が「れな」は、由来はわかりますが、違いがわかりにくく読んでいて読みづらかった。

 読んだ自分の教訓として、「人生は思い出を創るためにある」、「もしかしらたら、あの人と結婚していたかもしれないということは、実際はない。結婚は、縁がないとできない」、「言いたいことが互いに言い合える家族になれるまでがとても時間がかかる」、

 最後付近の東京湾シーンが良かった。
年に数回、海ほたるパーキングエリアに行くので、そこで見る風景と重なりました。背景に流れるミュージックもよかった。そこでの行為ももの珍しく、見たことがないので、そういうふうにやるのかと興味津々でした。そのなかみは、ここには書けません。なかなか、ドラマチックで良かった。


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