2016年08月29日

もうぬげない ヨシタケシンスケ

もうぬげない ヨシタケシンスケ ブロンズ新社

 絵本です。書店ではなくて、雑貨店で購入しました。
 街の本屋が選んだ絵本大賞とあります。第9回子どもの絵本大賞in九州この本よか!!第1位とあります。ぺらぺらとめくってみました。おもしろそうです。掘り出し物かもしれない。衝動買いをしました。

 2歳ぐらいの男児が主人公です。上着を脱ごうとしているのですが、首のところでひっかかってぬげなくなっています。ぼたんをはずすことを知らないのです。
 こどもさんの顔は見えません(そのうち見えます)
 うつぶせになっているくまのぬいぐるみが、力が抜けていて、いい雰囲気をかもしだしています。
 自意識の芽生えがあります。自分のことは自分でやる。自分の服は自分で脱ぐ。少年は、おかあさんとけんかになります。でも、彼は、自分で服をぬげません。おかあさんも不機嫌になってしまい、どこかへ行ってしまいました。彼は困りました。
 服が首にひっかかって、ばんざいしている状態がながながと続きます。彼は、そのままで生きていこうと折り合いをつけます。それは、まるで、人生哲学です。たとえば、事故で障害者になった人が、できる範囲内で生きていこうと、あきらめながらも前向きになる姿勢と似ています。絵本のなかには、服がぬげなくても工夫すればだいじょうぶだという名言が書かれています。
 絵はやわらかく、心やさしい。服を脱ぐ途中、ばんざいの姿勢で床によこたわっている彼の姿は野菜のようです。白菜みたいです。おちんちんはかわいいが、彼の顔はそれほどかわいくない。リアルです。
 自分で自分に枷(かせ。拘束こうそく)をしてはいけない。
 2015年10月25日発行から第20刷の発行までに至っており、よく売れている絵本です。良書です。お勧めします。

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