2016年03月08日
また、同じ夢を見ていた 住野よる
また、同じ夢を見ていた 住野よる 双葉社
この小説には、いくつかの秘密が隠されています。
自分なりの解釈をカッコ【 】のなかに書いてみます。
(感想文の始まり)
ベストセラーになった「君の膵臓をたべたい(すいぞうをたべたい)」の第2弾です。211ページまできました。あと、46ページぐらいで読み終えます。
小学校4年生ぐらいの児童たちの物語です。登校拒否があります。絵画描画や小説創作行為を愛する少年少女たちは、心がもろいという表現があります。
主人公は、マンションの11階に住むなっちゃん(小柳・奈の花)です。ひとみ先生、しんたろう先生、アバズレさん、おばあちゃん、萩原くん、桐生光(ひかり)くん、南さん、そしてなにより、相棒は「ナー」となく野良猫がいます。【アバズレさんと南さんとおばあちゃんは、将来あるいは過去とも言える、なっちゃんの姿です。桐生君は発音が、英語で「あなたを殺す」Kill youに通じます。その反対という表現には対応する単語を思い浮かべることができません。(その後)Love meならぬLive meわたしを生かしてがわかりました。そして、桐生君となっちゃんはおとなになって一緒にいる時期があります。その後、ふたりは、別れ、桐生君は外国で家族と暮らしています。】
文章の密度はそれほど高くない。前作も含めて、どうしてこんなに売れるのかわからない。
最初作者は、20代かと思っていましたが、内容から察すると50代後半以降のような気がする。【作者の素性は明らかにされていないようです。わたしは女性あるいは女性のような男性だと予想します。きょう、名古屋駅高島屋の三省堂へ立ち寄ったら、同作品の作者サイン本が透明ビニールに包まれて売られていました。どんなサインか興味が湧きましたが、すでに本はもっているので買いませんでした。案外わたしのようなおっさんが作者かもしれない。】
小説というものは、「書下ろし」が一番だと思う。どこかの雑誌で連載したものを加筆修正して1冊の本にして売ってもらっても、なにかしらありがみがない。
だから、何かの受賞作というものは、書下ろし作品に限ってもいいと思う。
なっちゃんが何年生なのかはわかりません。父母は共稼ぎで、ひとりぼっちでいる時間が長いから、なっちゃんは他人の家を回ります。小学生の彼女に警戒心をもたない大人たちが彼女を家にあげてくれます。彼女は彼女をネグレクト(仕事優先で育児放棄)する両親に強い反抗心をもっています。そして、彼女の気持ちは「純粋」です。【両親はいったん出席を了解した父母の参観日出席をひるがえして断って夫婦で仕事に行った結果、飛行機事故で死亡しているのであろうと、文章・文脈を観察するとわかるのです。】
わからなかった言葉として、「フィナンシェ:フランス起源のバターケーキ、焼き菓子」、「パピコ:グリコが発売しているチューブ型アイス(見たことありません)」
「また、同じ夢を見ていた」という言葉を発するのは、南さんです。子どもの頃の夢を見るのです。南さんはリストカット(手首切り自殺)する物語書きの女子高校生で、両親はすでに亡くなっています。もうひとり、「また、同じ夢を見ていた」という人がいます。それは、おばあちゃんです。【だから、ふたりとも年齢を違えたなっちゃんです。】
文章にリズムがあります。
「幸せとは、だれかのことを真剣に考えられること」、アバズレさんの言葉です。上半身はTシャツで、下半身は、長ズボンの女性、午後3時に目覚める。それがアバズレさんです。【彼女の仕事は夜のお仕事で、春を売る商売です。】
後半は重苦しい。幅がない世界です。理屈で固まっている。
なかなか幻想的でした。作者と共通のアンテナがないと、共感とか感動になじめないかも。
(その後)
2回、3回と最初からページをめくりなおしながら文字を追ってみました。
小学生の頃の自分が、しっぽの切れたネコを連れて、タイムトラベルをして、未来の自分に会いに行く。そして、幸せになっていない自分に会う。その自分に対して、「幸せは歩いてこない、だから、歩いていくんだね」と歌って励ます。
逆に、未来の自分は、過去の自分を見て、よく会いにきてくれたと感謝する。
タイムトラベルの相乗効果が惜しむなく発揮されている作品です。
自分がここにいてほしいと認めてもらえる幸せ、だれかのことを真剣に考えられる幸せ、友達がいることの幸せ、そして、わたしは今幸せと言える幸せ。
神さまがくれたもの、それは、おばあちゃんになったなっちゃんが、小学生の頃のなっちゃんに会わせてもらえたこと。おばあちゃんになったなっちゃんが、こどもの頃のなっちゃんに、「人生とは…」といくつかのことを教えてあげられたこと。伝承です。人生とは、あなたが輝くためにある。そう信じて、進んで行け。
この小説には、いくつかの秘密が隠されています。
自分なりの解釈をカッコ【 】のなかに書いてみます。
(感想文の始まり)
ベストセラーになった「君の膵臓をたべたい(すいぞうをたべたい)」の第2弾です。211ページまできました。あと、46ページぐらいで読み終えます。
小学校4年生ぐらいの児童たちの物語です。登校拒否があります。絵画描画や小説創作行為を愛する少年少女たちは、心がもろいという表現があります。
主人公は、マンションの11階に住むなっちゃん(小柳・奈の花)です。ひとみ先生、しんたろう先生、アバズレさん、おばあちゃん、萩原くん、桐生光(ひかり)くん、南さん、そしてなにより、相棒は「ナー」となく野良猫がいます。【アバズレさんと南さんとおばあちゃんは、将来あるいは過去とも言える、なっちゃんの姿です。桐生君は発音が、英語で「あなたを殺す」Kill youに通じます。その反対という表現には対応する単語を思い浮かべることができません。(その後)Love meならぬLive meわたしを生かしてがわかりました。そして、桐生君となっちゃんはおとなになって一緒にいる時期があります。その後、ふたりは、別れ、桐生君は外国で家族と暮らしています。】
文章の密度はそれほど高くない。前作も含めて、どうしてこんなに売れるのかわからない。
最初作者は、20代かと思っていましたが、内容から察すると50代後半以降のような気がする。【作者の素性は明らかにされていないようです。わたしは女性あるいは女性のような男性だと予想します。きょう、名古屋駅高島屋の三省堂へ立ち寄ったら、同作品の作者サイン本が透明ビニールに包まれて売られていました。どんなサインか興味が湧きましたが、すでに本はもっているので買いませんでした。案外わたしのようなおっさんが作者かもしれない。】
小説というものは、「書下ろし」が一番だと思う。どこかの雑誌で連載したものを加筆修正して1冊の本にして売ってもらっても、なにかしらありがみがない。
だから、何かの受賞作というものは、書下ろし作品に限ってもいいと思う。
なっちゃんが何年生なのかはわかりません。父母は共稼ぎで、ひとりぼっちでいる時間が長いから、なっちゃんは他人の家を回ります。小学生の彼女に警戒心をもたない大人たちが彼女を家にあげてくれます。彼女は彼女をネグレクト(仕事優先で育児放棄)する両親に強い反抗心をもっています。そして、彼女の気持ちは「純粋」です。【両親はいったん出席を了解した父母の参観日出席をひるがえして断って夫婦で仕事に行った結果、飛行機事故で死亡しているのであろうと、文章・文脈を観察するとわかるのです。】
わからなかった言葉として、「フィナンシェ:フランス起源のバターケーキ、焼き菓子」、「パピコ:グリコが発売しているチューブ型アイス(見たことありません)」
「また、同じ夢を見ていた」という言葉を発するのは、南さんです。子どもの頃の夢を見るのです。南さんはリストカット(手首切り自殺)する物語書きの女子高校生で、両親はすでに亡くなっています。もうひとり、「また、同じ夢を見ていた」という人がいます。それは、おばあちゃんです。【だから、ふたりとも年齢を違えたなっちゃんです。】
文章にリズムがあります。
「幸せとは、だれかのことを真剣に考えられること」、アバズレさんの言葉です。上半身はTシャツで、下半身は、長ズボンの女性、午後3時に目覚める。それがアバズレさんです。【彼女の仕事は夜のお仕事で、春を売る商売です。】
後半は重苦しい。幅がない世界です。理屈で固まっている。
なかなか幻想的でした。作者と共通のアンテナがないと、共感とか感動になじめないかも。
(その後)
2回、3回と最初からページをめくりなおしながら文字を追ってみました。
小学生の頃の自分が、しっぽの切れたネコを連れて、タイムトラベルをして、未来の自分に会いに行く。そして、幸せになっていない自分に会う。その自分に対して、「幸せは歩いてこない、だから、歩いていくんだね」と歌って励ます。
逆に、未来の自分は、過去の自分を見て、よく会いにきてくれたと感謝する。
タイムトラベルの相乗効果が惜しむなく発揮されている作品です。
自分がここにいてほしいと認めてもらえる幸せ、だれかのことを真剣に考えられる幸せ、友達がいることの幸せ、そして、わたしは今幸せと言える幸せ。
神さまがくれたもの、それは、おばあちゃんになったなっちゃんが、小学生の頃のなっちゃんに会わせてもらえたこと。おばあちゃんになったなっちゃんが、こどもの頃のなっちゃんに、「人生とは…」といくつかのことを教えてあげられたこと。伝承です。人生とは、あなたが輝くためにある。そう信じて、進んで行け。
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