2016年03月02日

中野のお父さん 北村薫

中野のお父さん 北村薫 文藝春秋

 掘り出し物です。おもしろい。
 出版界を舞台にした推理小説ものです。短編8本、各編30ページほどで短いけれど読みやすい。
「夢の風車」主人公は、文宝出版の編集者田川美希、30歳の一歩手前ぐらい。彼女の父親が中野区に住んでいて明快な推理を披露してくれます。推理内容は別にして、父親の風体や態度が読み手である自分と重なり好感をもちました。本編では、おととし応募された作品が、ことしの新人賞有力候補作になってしまったのは、なぜだろうというミステリーです。新人文学賞応募者男性58歳の心理描写がうまい。
「幻の追伸」作家に送られた手紙の謎解きです。送った者も、送られた者ももうお墓の中です。なるほど! 爽快!
「鏡の世界」物知り博士の世界です。
「闇の吉原」難解
「冬の走者」心あたたまるお話でした。
「謎の献本」よくわからなかった。
「茶の痕跡」なるほど。
「数の魔術」
全体をとおしてですが、最初はよかったけれど、だんだん右肩下がりで、内容を理解できなくなりました。

中野区がどこにあってどんな区なのか知りませんでした。調べました。人口34万人ぐらい、マンションが多く、ベッドタウンと受け取りました。文化人・外国人多そう。この本において、どうして中野区のお父さんなのかはわかりません。

作者は年配の人なので、言葉・単語が古く、今となっては、聞き慣れないものもありました。「才媛(さいえん):教養高い娘さん。親へのほめ言葉」、「怒髪天をつく(どはつてんをつく):怒りの様子。髪の毛が立って天をさす。スーパーサイア人という言葉を思い浮かべました」、「粗忽(そこつ):そそっかしい」、「留女(るめ):志賀直哉の祖母の名。留女(とめおんな)だと、喧嘩の仲裁をする女」


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