2016年01月27日
革命前夜 須賀しのぶ
革命前夜 須賀しのぶ 文藝春秋
まず、男性の文章であるが、作者は女性のようだ。調べました。うーむ。女性でした。意外です。(最後半部の記述は女性的でした。)
ベルリンの壁が破られる頃、東ドイツのドレスデンにある音楽大学に留学したピアニスト眞山柊司(まやま・しゅうじ)23歳のお話です。彼は後妻の子として生まれ父親との関係が薄くあまり家庭を知りません。キリスト教徒でもあり、心を救ってくれたバッハ音楽の信奉者でもあります。
ドレスデンがどこにあるのか知りません。調べてみました。ドイツ国のまんなか、右下のほう。人口51万人とありました。チェコの国境まで30kmぐらい。自分が行くことはないと思う。右がポーランドです。左がポーランドだと思っていました。
本の内容は、ここまで100ページぐらい読みましたが、バッハ音楽を中心にすえた旧東ドイツ(共産国家)の観光書のようです。主人公が精神的に行き詰まっていたときに救ってくれたバッハの宗教音楽がからめてあります。そこに、オルガ二ストの金髪美人クリスタ・テートゲスとの恋があるきざしです。
どんな物語展開になるのだろう。文章が凝っています。主人公が、女子を追う始まりです。
(つづく)
ドイツベルリンの壁が壊されたのが、1989年11月10日(平成元年。書中、「平成」への元号変更記述が数度登場します。)、日本のバブル景気時期が、1986年12月(昭和61年)~1991年2月(平成3年)です。これも書中に登場します。全体的に今から25年ぐらい前の時代設定です。
2月13日にドレスデンで空襲があったようで、「爆撃記念日」とされています。記述は、東ドイツ寄りで、資本主義国家側の人間が読むとちょっと違和感があります。君は(主人公及び作者)は、戦争を起こしたドイツの味方か。
クラシック音楽に興味とか知識がないと、読んでいても十分理解できません。ラフマニノフ「音の絵」というのが出てくるのですが聴いたことはありません。バッハ「平均律クラヴィーア曲集」は聴いたことがあります。
「シューターツカペレ:ドレスデン管弦楽団」、「カール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学:主人公が留学している大学」、「李英哲 リ・ヨンチョル:韓国人ピアニスト男性留学生」、「フラウ・ファイネン:主人公眞山の隣人。50代元教師の離婚女性」、「ラカトシュ・ヴェンツェル:天才バイオリニスト。気難しい。ハンガリーからの留学生」、「イェンツ・シュトライヒはドイツ人ピアニスト音大生、彼の妻がチェリストのガビイ」、「主人公の父親の亡友人ハインツ・ダイメルの息子がなんとかダイメルで、その娘がニナ」、「DDR デーデーエール:東ドイツ、西ドイツはBRD」、「トーマス教会:ライプチヒにあるバッハの聖地」、「SED:ドイツ社会主義統一党。1990年解散」、「ハンガリー:ドイツの南がチェコでその南がハンガリー、ハンガリーの左がオーストリア」、「マエストロ:たぶん指揮者」、「シュータージ:共産主義者側の密告者」、「韜晦 とうかい:本心、身分などを隠す」、「コーラル風:讃美歌。南国・海岸風かと思いました」
<わからない言葉が多くて、小学校の国語の授業を受けているようです。>、「コンディトライ:ケーキ屋(甘いもの)∔カフェ」、「ソナタ:楽器で演奏する曲」、「エクソダス:大量の国外脱出」、「カデンツァ:単独楽器による即興・独奏部分」、「瓦解 がかい:対立が解ける」、「(タイトルの)革命前夜:自由解放運動グループの名称」、「カンタータ:人間の声のための器楽伴奏付曲」、「エレジー:悲歌」、「IM:密告者」、「ミューズ:ギリシャ・ローマ神話の女神」、全体をとおして、人名のときに、「ヘア・マヤマ」と付けるヘアは、英語のミスターみたいなものなのでしょう。
主人公眞山柊史のピアノの腕前ははっきりしません。伴奏として評価されていますが、彼の音は、「水のように無色透明」とか、「精密機械:楽譜通りの演奏」と表現されています。
彼が恋心を抱くクリスタという女性は、彼にとても冷たい態度です。オルガンを上手に弾く彼女の職業は、音楽とは関係のない「シュタットビルト・エアクレーレリン:都市計画説明担当者」です。
(つづく)
中国北京の弾圧まできました。237ページ付近です。
1989年6月4日が天安門広場事件です。
その後読み継いで、292ページ、第5章が終えました。途中、退屈な時間が経過しましたが、主人公級の男性に事件が起きて少し面白くなってきました。
亡命とか、逮捕みたいなものがありますが、政治的なもので、日本人としては身近ではなく実感も浅い。
たくさんわからない言葉や曲の解釈が出てきて、わからんというのが、正直な気持ちです。
作品で、音楽は、自由を象徴する「焔(ほのお)」と定義されています。
共産主義の暗い雰囲気に包まれたドレスデンの街で生まれて、生き続ける「焔(ほのお)」は、自由を追求している。自由になりたい市民の願望がこめられている。
最近の自分の読書においては、「戦場のコックたち」とか「羊と鋼の森」から始まって、舞台は、ヨーロッパ、内容は、クラシック音楽にあります。
ドイツ語で会話しているらしき、主人公眞山柊史と周囲の人々(なかには他国籍の留学生)との会話は、同国人同士の会話のようで、あまりにもスームズ過ぎます。ドイツ語でこんなに自然に会話ができるのだろうか。
大学生時代を振り返っての娯楽小説という印象を受けました。今を起点として、思い出の中です。世界は広いようでそうでもありません。限定的です。内容は重たいのですが、心に残るのはかけらのように小さい。
西とか東とか、25年前の古い世界のお話です。今だと、北とか南なのでしょう。監視社会があります。だれも信用できない恐怖社会です。夫婦、恋人同士、相談者、みな密告者です。体制を否定するとバツが待ち受けています。協力すると恩賞にさずかれます。
たくさんの楽曲が紹介されています。
ベートーベン:ピアノ三重奏四番街の歌、オペラ・フィデリオ
ラフマニノフ:絵画的練習曲・音の絵、ヴォーカリーズ
ハイドン:ピアノ三重奏三十九番
ショパン:スケルツォ三番
ウェーバー:魔弾の射手
メンデルスゾーン:オルガンソナタ第四番
フォーレ:エレジー など。聴くかどうかはわかりません。たいてい本に出ていた曲というのは、聴くと、自分には合わないものばかりです。
まず、男性の文章であるが、作者は女性のようだ。調べました。うーむ。女性でした。意外です。(最後半部の記述は女性的でした。)
ベルリンの壁が破られる頃、東ドイツのドレスデンにある音楽大学に留学したピアニスト眞山柊司(まやま・しゅうじ)23歳のお話です。彼は後妻の子として生まれ父親との関係が薄くあまり家庭を知りません。キリスト教徒でもあり、心を救ってくれたバッハ音楽の信奉者でもあります。
ドレスデンがどこにあるのか知りません。調べてみました。ドイツ国のまんなか、右下のほう。人口51万人とありました。チェコの国境まで30kmぐらい。自分が行くことはないと思う。右がポーランドです。左がポーランドだと思っていました。
本の内容は、ここまで100ページぐらい読みましたが、バッハ音楽を中心にすえた旧東ドイツ(共産国家)の観光書のようです。主人公が精神的に行き詰まっていたときに救ってくれたバッハの宗教音楽がからめてあります。そこに、オルガ二ストの金髪美人クリスタ・テートゲスとの恋があるきざしです。
どんな物語展開になるのだろう。文章が凝っています。主人公が、女子を追う始まりです。
(つづく)
ドイツベルリンの壁が壊されたのが、1989年11月10日(平成元年。書中、「平成」への元号変更記述が数度登場します。)、日本のバブル景気時期が、1986年12月(昭和61年)~1991年2月(平成3年)です。これも書中に登場します。全体的に今から25年ぐらい前の時代設定です。
2月13日にドレスデンで空襲があったようで、「爆撃記念日」とされています。記述は、東ドイツ寄りで、資本主義国家側の人間が読むとちょっと違和感があります。君は(主人公及び作者)は、戦争を起こしたドイツの味方か。
クラシック音楽に興味とか知識がないと、読んでいても十分理解できません。ラフマニノフ「音の絵」というのが出てくるのですが聴いたことはありません。バッハ「平均律クラヴィーア曲集」は聴いたことがあります。
「シューターツカペレ:ドレスデン管弦楽団」、「カール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学:主人公が留学している大学」、「李英哲 リ・ヨンチョル:韓国人ピアニスト男性留学生」、「フラウ・ファイネン:主人公眞山の隣人。50代元教師の離婚女性」、「ラカトシュ・ヴェンツェル:天才バイオリニスト。気難しい。ハンガリーからの留学生」、「イェンツ・シュトライヒはドイツ人ピアニスト音大生、彼の妻がチェリストのガビイ」、「主人公の父親の亡友人ハインツ・ダイメルの息子がなんとかダイメルで、その娘がニナ」、「DDR デーデーエール:東ドイツ、西ドイツはBRD」、「トーマス教会:ライプチヒにあるバッハの聖地」、「SED:ドイツ社会主義統一党。1990年解散」、「ハンガリー:ドイツの南がチェコでその南がハンガリー、ハンガリーの左がオーストリア」、「マエストロ:たぶん指揮者」、「シュータージ:共産主義者側の密告者」、「韜晦 とうかい:本心、身分などを隠す」、「コーラル風:讃美歌。南国・海岸風かと思いました」
<わからない言葉が多くて、小学校の国語の授業を受けているようです。>、「コンディトライ:ケーキ屋(甘いもの)∔カフェ」、「ソナタ:楽器で演奏する曲」、「エクソダス:大量の国外脱出」、「カデンツァ:単独楽器による即興・独奏部分」、「瓦解 がかい:対立が解ける」、「(タイトルの)革命前夜:自由解放運動グループの名称」、「カンタータ:人間の声のための器楽伴奏付曲」、「エレジー:悲歌」、「IM:密告者」、「ミューズ:ギリシャ・ローマ神話の女神」、全体をとおして、人名のときに、「ヘア・マヤマ」と付けるヘアは、英語のミスターみたいなものなのでしょう。
主人公眞山柊史のピアノの腕前ははっきりしません。伴奏として評価されていますが、彼の音は、「水のように無色透明」とか、「精密機械:楽譜通りの演奏」と表現されています。
彼が恋心を抱くクリスタという女性は、彼にとても冷たい態度です。オルガンを上手に弾く彼女の職業は、音楽とは関係のない「シュタットビルト・エアクレーレリン:都市計画説明担当者」です。
(つづく)
中国北京の弾圧まできました。237ページ付近です。
1989年6月4日が天安門広場事件です。
その後読み継いで、292ページ、第5章が終えました。途中、退屈な時間が経過しましたが、主人公級の男性に事件が起きて少し面白くなってきました。
亡命とか、逮捕みたいなものがありますが、政治的なもので、日本人としては身近ではなく実感も浅い。
たくさんわからない言葉や曲の解釈が出てきて、わからんというのが、正直な気持ちです。
作品で、音楽は、自由を象徴する「焔(ほのお)」と定義されています。
共産主義の暗い雰囲気に包まれたドレスデンの街で生まれて、生き続ける「焔(ほのお)」は、自由を追求している。自由になりたい市民の願望がこめられている。
最近の自分の読書においては、「戦場のコックたち」とか「羊と鋼の森」から始まって、舞台は、ヨーロッパ、内容は、クラシック音楽にあります。
ドイツ語で会話しているらしき、主人公眞山柊史と周囲の人々(なかには他国籍の留学生)との会話は、同国人同士の会話のようで、あまりにもスームズ過ぎます。ドイツ語でこんなに自然に会話ができるのだろうか。
大学生時代を振り返っての娯楽小説という印象を受けました。今を起点として、思い出の中です。世界は広いようでそうでもありません。限定的です。内容は重たいのですが、心に残るのはかけらのように小さい。
西とか東とか、25年前の古い世界のお話です。今だと、北とか南なのでしょう。監視社会があります。だれも信用できない恐怖社会です。夫婦、恋人同士、相談者、みな密告者です。体制を否定するとバツが待ち受けています。協力すると恩賞にさずかれます。
たくさんの楽曲が紹介されています。
ベートーベン:ピアノ三重奏四番街の歌、オペラ・フィデリオ
ラフマニノフ:絵画的練習曲・音の絵、ヴォーカリーズ
ハイドン:ピアノ三重奏三十九番
ショパン:スケルツォ三番
ウェーバー:魔弾の射手
メンデルスゾーン:オルガンソナタ第四番
フォーレ:エレジー など。聴くかどうかはわかりません。たいてい本に出ていた曲というのは、聴くと、自分には合わないものばかりです。
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