2015年10月28日

人間の分際(ぶんざい) 曽野綾子

人間の分際(ぶんざい) 曽野綾子 幻冬舎新書

 癒しと救いの1冊です。今年読んで良かった本です。
 前半半分ぐらいの内容が心に響きました。気持ちが安らかになりました。中盤は、宗教(キリスト教)関連のお話、哲学っぽいものもありましたが、難しくて理解しにくい解釈でした。後半は寿命で、「死」を身近に感じるようになったときのお話でした。共感をもつ部分が多かった。

 内容の構成は、これまでに出版されたものから要点をピックアップしての集大成です。
 作者はすでに年齢80歳に達しておられるらしい。栄光の人生ばかりかと思いきや、家庭内暴力の家で育ったり、若いころには、不眠症とか鬱(うつ)になったり、50代では両目が見えにくくなったりの病気を患って苦労されています。

 努力しても報われないことはあるから始まります。戦争体験者の冷めた視点からの「人間の分際」、わきまえて生活していくという論理が展開されていきます。自分が楽になるために無理をしないことを是(ぜ、本来の人間の行動)とする。書中では、身の程(ほど)を知ると表現しながら、苦しい人生を乗り越えていく指針を示しています。
 なにかしら、夢や元気がなくなる出だしですが、記述は的を射(い)ています。目次を読むだけでも含蓄のある言葉が並んでいます。

 読んで、よかった表現部分です。
 ・人生は努力が75%、運が25%
 ・有名な人でも家庭は重荷
 ・人間には、「ばか」、「あっち行け」、「死んじまえ」の三つの情熱が生理として組み込まれている。
 ・明治生まれの人間には、得をしようと思わない美学があった。(現代人はもらう権利ばかりを主張するようになった)
 ・こう生きるより仕方がない


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