2015年05月14日

かぐやのかご 2015課題図書

かぐやのかご 塩野米松・作 はまのゆか・絵 佼成出版社 2015課題図書



 外見の外観も物語の内容も、しっかりしたつくりです。
 ベテランの習熟した作家さんの作品でした。絵もどこかでみた落ち着く絵でした。最後まで読んで、村上龍作「13歳のハローワーク」で挿絵を書かれた方だと知りました。

 タイトル「かぐやのかご」から思い浮かんだことは次のことです。
 「かぐや」は当然「かぐや姫」です。竹取物語、奈良時代の作品とされています。小学生のときに読みました。光り輝く竹のなかから小さなお姫さまが生まれて、最終的には、お姫さまは、月に帰ってしまいます。

 以前、広島県を自家用車で通過した時に、家族が、竹原市というところを訪れたいと言ってので、その地を訪ねたことがあります。アニメで紹介されたようで、かぐや姫の里というような看板を見かけました。

 前置きが長くなりました。本の感想を書きます。

 いつ、どこで、だれが、なにを、どうした、というふうに書いてみます。

 よしかわ清香(さやか)さん、七つ森小学校3年生9歳、身長135cmが、学校の帰りに、山の中で大泣きをしていました。そこへ、山の竹っこばばであるおばあさん80歳が現れました。おばあさんは、さやかさんに、竹細工で「かご」をつくる手伝いをさせながら、いろいろとお話をしました。そこへ、意地悪5人組が登場しました。同じく小学3年生の隼人、昇平などです。5人は、さやかに向かって「へこき虫」と声をかけてばかにしました。おこったおばあさんが、5人に屁を2発かませて撃退しました。それから、おばあさんはさやかに、「トガ負い」の説明をしました。トガ負いとは、人を助けるために、自分はしていない罪をかぶることです。お話は最初に戻り、なぜ、さやかが学校帰りに山の中でひとりぼっちで大泣きしていたのかになります。さやかは、春奈が屁をこいたのに、意地悪5人組からさやかが屁をこいたと言われて、さらに、春奈がその場を静かに離れていったので、精神的にショックを受けて泣いていたのでした。

 文章にリズムがあります。読みやすい。
 よしかわ清香(さやか)は、転校生です。転校生はなぜにこうもいじめられやすいのか。残念です。歓迎してあげましょう。

 ものがたりの中で、おばあさんは「ザル」のことを「ジャル」と発音します。実感がこもっています。やはり、方言的表現は気持ちがよく伝わってきます。

 トガ負いについての思い出があります。
 昔の青少年は進んで他者の罪を背負ってその場をしのぎ組織を維持してきました。組織というのは、戦争をするための体制です。そんな手法を連帯責任ともいいました。今では存在しない考え方です。
 中学の先生から叱られたことがあります。そういう、心意気をもった男子がいなくなった。残念だというものでした。
 それがいいことなのか、よくないことなのかの判断はむずかしい。時代背景ともかかわってきます。この物語の場合は、トガ負いを肯定することから、昔の話なのでしょう。

 この物語には、人と人との交流があります。小学生と高齢者です。

 屁をこくことが恥ずかしいかそうでないかも国によっても違います。出物腫物所構わず(でものはれものところかまわず)です。年齢によっても、その人のプライドによっても違います。おおむね、歳をとってくると、無感覚とコントロールができなくなって、まあ、垂れ流し状態になります。


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