2015年05月05日

心をそだてるはじめての落語101 講談社

心をそだてるはじめての落語101 講談社


 落語のCDだと思って、ネットで購入しました。家に届いたときはびっくりしました。子どもさん向けのぶ厚い落語の本でした。中身はなかなか充実しています。読むのには大変時間がかかります。

(つづく)

 注文したきっかけは、何かの本で読んだ「芝浜」という落語のことでした。人情話です。夫婦のお話です。奥さん孝行する酒飲みのだんなさんのお話です。じんときます。

「寿限無(じゅげむ)」有名な、長い名前の子どもさんのお話です。
「しわい屋」というのは、けちくらべです。
落語というのは、知恵の固まりです。年季が入っています。「ちりとてちん」どれもこれもいい話が続きます。「堀の内」ばかばかしいけれどおもしろい。
「おばけ屋敷」この本の場合、読み物という本文部分があることに加えて、台本にもなる利点があります。
「寝床」ほら話も面白い。
与太郎話が続きます。「牛ほめ」。与太郎はつべこべ言いません。「うん、わかった」と素直なのです。「かぼちゃ屋」含蓄のあるうんちくがあります。
「天災」しかたのないこととあきらめる。腹はたたない。いい話でした。ならぬかんにんするがかんにん。オチで落ち着きます。
「子わかれ」夫婦と息子、夫の酒が原因で離婚。妻が子を引き取ります。人情話でした。下地があるのでしょう。夢なのでしょう。なかなか話のとおりにはゆきますまい。
「もと犬」舞台は浅草が多い。白い犬の話には思い当たる節もある。

(つづく)

 あと30ぐらい話が残っています。人はどうして、物語を読み聞きしたいのだろう。
「宿屋の富」宝くじ話です。以前行ったことがある東京湯島天神が出てきました。

(読み終わりました。)
 かなりの時間を費やしました。
「がまの油」四六のがまの意味がわかりました。前足の指の数が4本ずつ、後ろ足の指の数がそれぞれ6本で、四六のがまがえるでした。
「船徳」江戸時代でしょうか。隅田川沿い船宿、舟遊びが好きで「いそうろう」するお金持ちの家のわかだんなという設定がいい。

 すべての作品に渡って、文章の長さを適度なページ数で上手にまとめてあります。落語になると、長い短い、いろいろあると思います。

「いろんな商売」のお話の群(むれ、ぐん)は、ちょっとくどいかなあ。
「ふしぎな話・こわーい話」は、なかなかよかった。怖いですよー
「転失気」おならのことを転失気というのですが、だれもが自信家、しったかぶりをします。人間というものは、理屈で生きているのではなく、感情・気持ちで生きている。それは、江戸の時代からも変わらないし、これからの未来も変わらない。人間のもろさ、弱さ、はかなさがよく表現されているのが落語です。憎めない、間に合わない、その場にそぐわないような人たちです。だから、いたわりあって、人は支え合わなければ、幸せな気持ちにはひたれないのです。
「上方の話」落語というものは、江戸が最初だと思っていましたが、のちの解説などを読むと、大阪、京都のほうが早くからあったとなっています。豊臣秀吉の頃からですから、徳川が江戸を開くのはあとです。
「七度ぎつね」きつねは、一度うらんだら、七度化かす。仕返しをする。人間の行いに似ている。
「長屋の花見」力作です。上野公園で、貧乏長屋のメンバーが花見をしますが、お酒の代わりがお茶、卵焼きの代わりが、たくあん、かまぼこの代わりが、だいこんです。
笑いました。

 最後まで読んで、再び、最初に読んだ「芝浜」を読み返しました。
 いい話です。
 日給月給で働いていたのんだくれのおやじを思い出しました。
 この本では、農家の人たちはほとんど出てきません。漁師が多い。薬売りだったり、大家と店子(たなこ、賃借人)、蕎麦屋、坊さん、道具屋、大工、犬、たぬき、きつね、殿さまなどです。人格的に完ぺきな人はいません。人は誰しも欠陥品、人は誰しも化け物の要素あり。心がなごみました。
 この本を読むには集中力がいります。何回も読み返しました。登場人物や設定を頭のなかで想像して創り出さなければ意味がわかりません。ぼんやり考え事をしながら文字を追うものですから、途中で、意味がわからなくなることが多々ありました。
 
 監修の高田文夫さん、文章を書かれた金原さん初め4名の方、魂のこもった1冊でした。いい仕事をなさいました。こどもたちの心は育つでしょう。2008年発行で、2014年に7刷となっています。よく、売れていると思います。


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