2015年01月06日

セシューズ・ハイ 天祢涼

セシューズ・ハイ 天祢涼(あまねりょう) 講談社

 「セシュー」は、「世襲」を指します。ハイの意味はわかりません。
 読み終えてみて、本の背を見て、「探偵議員漆原翔太郎」を読んで納得しました。世襲国会議員である漆原翔太郎とその秘書雲井進30歳のお話でした。
 読み始め、推理小説とは知りませんでした。世襲議員としての活躍が書いてある小説だと思っていました。途中で違うことに気づきました。こういうパターンがあるのかと感心しました。ただ、政治に関心、興味がないせいか、後半は何が書いてあるのか意味をとれませんでした。地域マネーにまつわる不正だと思うのですがピンときません。
 ヒントとなった人物は、織田信長であり、以前マスコミをとおして話題になった男性議員だと思います。信長は能ある鷹は爪を隠すパターン、後者は、本音をしゃべってひんしゅくをかうパターンです。
 衆議院議員漆原翔太郎の言動は策略的です。作者の発想を楽しむ本でもあります。
 第二話で登場する勲章が欲しい東堂拓を見ていると、貪欲な欲望をもつ人間と役所との調整役・潤滑油が政治家、政治家秘書の仕事とみてとれます。作者は政治家に対する冷徹な視線をもっています。
 政治の世界は、答えのない世界です。政治や選挙に推理をからめるのは、硬さを伴います。なんだろう、ロマンとか、ラブになりにくい。
 全体的にコミカルなゲームシナリオのような雰囲気でした。

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