2014年12月01日

困っている人 大野更紗

困っている人 大野更紗 ポプラ文庫

 冒頭で著者はそれだけではないと否定していますが闘病記です。2011年(平成23年)の出版で、記事内容は、2008年発症後について書いてあります。たぶん今もご存命だと思うのですが、本の最後では、治癒されていません。
 病名は、筋膜炎脂肪織炎症候群で、体(とくにお尻)、内臓に炎症が広がる難病と受けとりました。26歳大学院生時からスタートしています。福島県山間の集落が実家で(著者はムーミン谷と呼んでいます。)、闘病地は東京です。発病前は、タイ、ビルマ(ミャンマー)で、難民援助の活動をされています。書中では、身体障害者2級の認定を受けて、援助する側から、援助される側に立場が変化しました。だれしも、明日は我が身です。
 「1リットルの涙」という有名な本があります。症状だけをみていると似ていますが、記述はだいぶ異なります。1リットルは涙、涙でしたが、この本では、文章がスピーディに流れていきます。元気がいい、ユーモア混じり、怒り混じりで、湿っぽさはありません。
 発病の原因は書いてありません。わからないのでしょう。医学が進歩してもわからない病気のほうが多いと解釈しています。著者は自分の病名がわかるまで、そして、担当の病院・医師が決まるまでに、たいへんな苦労をされています。発病から1年たって、ようやく入院する病院が決まったページは感動的でした。
 これだけ大量の文章をいつ書いたのだろう。入院中の日記が基礎になっていたのだろうと推察しましたが、なにか、連載されていたようです。全力投球なのですが、力を抜いてもよかった。この何割かの文章量でも気持ちは伝わってきました。読み疲れるので、後半は流し読みをしました。
 役所関係への申請を中心にしてお怒りがあります。本人は病気なので、手助けする人がそばに必要なようです。思い違いもあるのではないかとうかがえる部分もありました。証明書類の手数料が高額という部分では、コピー代ではなく、コンピューターシステムの使用料が基礎になっているからだと思います。何百万円とか何千万円とかかかります。また、医師の意見書の記事は医師の考えと責任で書くもので、患者の声を聞く必要はないと判断します。


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