2014年11月07日

若者はなぜ3年で辞めるのか? 城繁幸

若者はなぜ3年で辞めるのか? 城繁幸 光文社新書

 「終身雇用」と「年功序列」を現代社会に照らし合わせて、中高年世代と若年世代を比較し、これからの日本の企業活動と若年層の身のふりかたを考える本です。良書です。
 自身は、「昭和」と「平成」、親と子の考え、状況の違いを実感しています。先日読んださだまさし著「ラストレター」では、昭和的価値観の復権がテーマとなっていましたが、時代をふりかえって、今と比較して、どちらがよいかわるいかを判断することはむずかしい。本作の作者の記述では、現代の若者は昔の若者と比較して、わがままで、忍耐不足と記していますが、あとから、そうならざるをえない雇用情勢の変化があると結びます。かつての日本人は、「新卒、いっかつ、ところてん」方式で就職ができた。それにつながって、終身雇用、年功序列制度で生活が保障された。その線路が崩れたと評しています。
 会社に依存する人たちがサラリーマンです。自分なりに考えると、サラリーマンは、会社組織に貢献しているようで、実は、依存しているのです。
 メンタルヘルスに関する記述には共感しました。40年前は、200人にひとりだったメンタル職員が、現在は、20人にひとりぐらいに増加しています。原因のひとつが、定数の削減です。ひとりあたりの業務量が増加しました。IT化は、人減らしにつながりました。精神論では克服できない現場の状況があります。
 本書は、年長者を叩き、若者をかばう内容です。中高年層は、主体的な動機をもたずに就職した世代だった。詰込み型の学校教育を受けて、終身雇用と年功序列制度のレールにのった。
 日本人の性質として、「菊と刀」ルース・ベネディクト著からの引用で、「日本人は与えられた義務を果たすことに幸福を見出す」とあります。反面、創造力に欠ける。言われたことをやるだけとあります。
 時給いくらの世界で働き続けなければならない日本人が増加した現在、なにをどうしていけばよいのか考えさせられました。


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