2014年10月09日

シェルブールの雨傘 映画

シェルブールの雨傘 映画 DVD

 出だしのパラソル映像が美しい。建物内の壁紙がきれい。表現力がないので、そんなふうにしか書けませんが、両者ともに素敵です。
 主役のカトリーヌ・ドヌーブは人形のように美しい。途中、複数のマネキン人形が映る場面があるのですが、彼女自身がマネキン人形に見えるように工夫されていることに気づきました。それから、食卓の上にくだものがおいてあるシーンで、なぜ、くだものがおいてあるのかとふにおちなかったら、すぐに果物のセリフが出てきました。映像の中にあるものは、監督にとってはすべて意味があるのでしょう。
 音楽が素晴らしい。いつまでも心に残るメロディーです。もう60年ぐらい前の映画です。わたしの両親世代の映画です。俳優さんたちはもうこの世にはいないのでしょう。主人公男性のこどもである男児フランソア、女児フランソワーズがわたしの世代です。映画の中での主な通信手段は手紙のやりとりです。電話は登場しません。スマホ時代の今とは大違いです。
 母親と娘のぶつかりあいがあります。幸せとは、お金の苦労をしないこと。ふたりの仲をひきさいた母親の思いはかないます。最後の場面では、上等な毛皮をはおったカトリーヌ・ドヌーブが登場します。スクリーンから彼女が消えたとき、女にしても男にしても、人は隠し事をしながら生きていくと悟りました。
 構成は、「出発」でふたりを描く。「不在」で女性を描く。「帰還」で男性を描く。ラストが再会とふたたびの別れです。わずか92分間の映画ですが深みがあります。


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