2014年10月04日

家族がボケる前に読む本 和田秀樹

家族がボケる前に読む本 和田秀樹 健康人新書

 学習のために読みました。
 記憶に残ったのは、認知症に対して医療ができることは少ない。介護の世界で世話をする。認知症が疑われても、できるだけ遅い対応を心がける。当該本人ができない部分だけを周囲の人が補助していく。始まりは記憶力の低下と一定レベルの知能低下、徘徊は初期症状でした。
 最初のページに戻っておさらいです。
 85歳まで生きると4割の人が認知症になる。介護保険制度のサービスは重要。認知症は怖くない。マスコミがとりあげる現状は極端なケース。
 医療の世界で生きる医師は、それぞれ専門分野を決めてのめりこんでいくと理解しました。
 昔、医療機関を回る仕事をしていた頃、何人かの認知症の患者さんを見たことがあります。ある人は、お人形さんを抱いていました。また、ある人は、車いすに乗って移動しながら、病院内のありとあらゆる扉を開けようとしていました。そのそばには、息子のお嫁さんらしき女性が付き添っていました。大変です。認知症でなかった頃は、それなりの地位を保っていた人なのかもしれないと、そのときは思いました。
 軽い認知症の人はたくさんいるようです。家族の支えで目立たないのでしょう。スピードの差異はあるけれど、だれしも老化していく。個人の性格ではなく、脳の病的変化によって、「記憶障害」、「見当識障害(季節・朝・夜がわからない)」、「思考力・判断力の低下」、「注意力低下」、「失語・失認(視覚・聴覚・触覚の低下)、失行(指を広げる、腕を回す、手探りするなどの無意味な運動)」が起こる。
 具体的には、自宅にいるのに、自分の家に帰ると言いだす例が示されていました。
 認知症テストというのは聞いたことがあります。たしか、長谷川式とかでした。本書では安易に受けない方がいいというアドバイスがあります。テストなぞしなくても会話するとわかるそうです。
 コーヒーの飲み方がわからなくなる。マッチの火のつけ方がわからなくなる。洋服の着方がわからなくなる。読んでいると悲しくなります。認知症と内科の病気が重なる。
 いろいろあるのだけれど、著者は、認知症の発見は遅い方がいいと助言してくれます。認知症は完治しないと断定し、対応を示していきます。周囲の人は、対象者は、ぼけていないと思って、これまでどおり生活していく。
 読んでいるうちに「老害」という言葉が頭に浮かびました。いつまでも権力を握って若い世代を苦しめる。いずれ厳しい世代間の対決の時がくるのかもしれませんが、そのとき自分は「老」の側にいるのでしょう。
 本書の後半では、行政が用意してくれている制度とか、医療機関で認知症と診断されたあとのこととか、成年後見人を始めとした法律手続きなどが列記されていきます。必要な人にとっては役立つ本です。資産をもっている認知症の人は、悪徳業者のターゲットにされます。そこまでくると、その人の人生、生き方までに思いをはせることになります。どんなにハイポストにいた人でも家族がいなければ老後はひとりぼっちです。今、輝いていても、老後は真っ暗です。
 年齢に応じた普通の生活を送りたい。老人は赤ちゃんにかえっていくけれど、赤ちゃんのように能力が発展していくことはない。


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