2014年09月25日

安心ひきこもりライフ 勝山実

安心ひきこもりライフ 勝山実 太田出版

 かなり長かった。ブログを書籍化したものだろうかと思いつつ読みましたが、最後のページで、ブログとひきこもり関係の新聞に掲載されたものを合体して編集されたとありました。3年前に発行されています。内容は多岐に渡り充実しています。ただ、読み疲れました。文字数が多い。その点で著者は病気なのでしょう。内容については、どうリアックションしていいのかわかりません。
 趣旨は「再起」ではありません。「肯定」です。冒頭にある、ひきこもっている人の心にあるのは、60%はやさしさ、40%はうらみはショッキングでした。
 働きたいけれど、働く場を提供してもらえなかった。親からは、特に母親とバトルがあった。最終的には文筆家として自立していると思いたい。文章はわかりやすくおもしろい。学力も高い。編集の人の協力もあったのか、いい本に仕上がっています。イラストは、不気味さを保持していて、暗い雰囲気だけれどこれはこれでいい。ただし、ひきこもりの人が読むと、さらにひきこもってしまうのではないかという心配と不安があります。著者43歳、読み続けていると泣けてきそうな過去と未来です。
 中盤、著者の主張を読んでいると、腹が立ってきます。もう読書を中止しようかと思います。就労に関して、自己責任の放棄があります。病院への依存もあります。
 いくつかの心に響いた表現です。
・気の弱さから断れず、アルバイト先でいいように利用され、こき使われる。
・戦国時代をひきこもりに置き換えた作品部分で、長篠の合戦。学歴も職歴もない真っ白な履歴書の持ち主が、職業訓練や資格取得で簡単に就職できるわけがないと支援活動を切り捨てています。
・160万人。日本にいるひきこもり人の数です。表面に出てこないだけで、たくさんです。
・ひとり深夜ラジオ。自分で録音して、自分だけで聴く。
・ソーシャルワーカーの高度な能力
・年金は命綱(保険料はちゃんと払いましょう。)
 「生きのびるための本」でした。途中なんども、人間としての誇りをもって、ちゃんとやろうよ!と思ったのでした。

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