2014年07月17日

心のセラピー 浅川雅晴

心のセラピー 浅川雅晴 KKロングセラーズ

 セラピー=治療、療法
 良書でした。やさしい筆致(ひっち。ものごし、書き方)です。よみやすくわかりやすい。短時間でこの1冊を読むことができました。
 冒頭、多数の事例の列挙から入っています。珍しい構成です。読んでいたら、かわいそうとしか言いようがありませんでした。
 精神科、心療内科の受診を促す(うながす)内容です。本を読んでいるとなんとなく自分もうつ的な気分になってきました。人生は、事例にあるような体験がすべてではないと、なにかにすがりたい。
 自分はけっこう子どものときから精神的にたたかれるような環境の中で、雑草のように踏まれても立ち上がるように生きていこうという強い気持ちで育ってきたので、昔から、うつとは遠い位置にあったと思います。壁を克服する術(すべ)を見つけて努力してきました。子どものころは、どうしてこんなに苦労ばかりかと嘆いたこともありましたが、その後の人生をみると、結果的には最初の苦労体験がのちになって、よかったと思えます。
 本の前半はうつ病のガイダンスです。(初歩的な説明)。
 最初の結論として、自分の「ペース」、「フォーム」、「キャラクターづくり」があげられています。自分の考えを付け加えると、「ペース」は速ければいいというものではないし、「フォーム」はかっこよさや美しさばかりを追求する必要もありません。「キャラクターづくり」はどんくさい個性であってもいい。著者は、他人の評価を気にしないことと助言をくれています。
 以降、励ましの言葉が続きます。アドバイスとして、社寺めぐり、マッサージなど趣味やスポーツへの取り組みが紹介されています。
 お話は、脳の働きに伸びていきます。考え方、心の整理の仕方です。お話はさらに、生活法に発展します。生活のリズムを保つ。ことに睡眠をしっかりとって、脳と体を休ませる。ベッドよりもおふとんのほうがいいそうです。意外です。そして、食事の内容です。
 人づきあいの手法として、意地悪な人とは接しない。仕事が大切か、自分が大切かをよく考えて行動を決める。高い給料よりも安い給料でもいいから、好きなことを仕事にすることを優先する。読んでいるとバランスが大切なことに気づけます。
 パソコンやインターネットの登場で生活は便利になったけれど、人間はものを考えなくなった。それがかえってストレスを生む原因になってしまったそうです。同感です。
 中盤以降は、受診を始めたあとの注意事項が書いてあります。お薬の服薬のしかたなどです。
 リストカットの事例には目をそむけました。小学生当時にいじめにあったことが原因です。いじめはやめましょう。
 大都会東京には、自然がいっぱいありますということも意外でした。
 最後に「精神管理」のお話が登場します。家庭でも職場でも、集団の精神管理をする人が必要です。自分がそうなれるかどうかはわかりませんが努力はしたい。
 そのほか、読みながら感じたことを付記して終わります。
 以前、物忘れがひどくなったことが気になって、脳ドックを受診したことがあります。脳のCTスキャンをしました。医師に症状を訴えると、自分は認知症ではないかという人は認知症ではないという返事でした。本当の認知症の人は自分が認知症かもしれないとは思わないそうです。さらに医師が、あなたは、うつ病の可能性があると言うので、そんなはずはないと否定したら、ほら、自覚症状がないでしょと言われ笑いつつ納得しました。思えば、嫌なことを忘れるために自らいやな記憶を消していた時期がありました。
 うつとアトピー性皮膚炎との関連が本に書いてあります。たしかに、わたしも部分的に皮膚が炎症を起こしてケロイド状になることが長い間続いています。あたっていると思います。指の間が荒れるという指摘があり、そのとおりなので納得しました。
 本の最後のほうに、犬と話をするようになって良化に向かった女性の話があります。以前読んだリンゴ栽培農家の人の話と似ています。映画にもなった青森県津軽の木村さんという男性のお話でした。有機農業にとりくんだけれど害虫のためにリンゴの実ができなくて苦労が続いた彼は、うつ的になって山奥で首つり自殺をしようとしたのですが、思いとどまって再起されています。彼は、犬ではなくて、リンゴの木に声かけをしていました。リンゴが教えてくれたこととか、奇跡のリンゴ、そんなタイトルの本でした。


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