2014年07月12日

のはなしし 伊集院光 宝島社

のはなしし 伊集院光 宝島社

 「のはなしし」は、のはなしシリーズの4冊目を指します。「よん」ではなく、「し」と呼びます。「よん」にはしたくないという主張が冒頭にあります。のはなし→のはなしに(2のこと)→のはなしさん(3のこと)、そしてし「4」です。よく売れているシリーズのようです。売れているからといって、中身もそれに比例しているわけではありません。さまざまなことが、ばらばらに、日記のように記載されています。エッセイ(日常生活の雑感)です。10年ぐらいという、ずいぶん長い間にたまったメルマガの記事を加除修正して出来上がった本となっています。堅苦しくなく気楽な記事が多い。たとえば電車での移動中に読むのに適しています。
 書中の後半にあるとおり、作者は、「伊集院静」さんではなく、「伊集院光」さんです。全然別人ですが、間違いやすい。わたしは、「伊集院」と聞くとまず、鹿児島県を思い浮かべます。小学生のころから地理が好きだったので、そうなります。伊集院静氏の小説は何冊か読みました。伊集院光氏の本を読むのはこれが最初です。太ったタレントさんというイメージです。
 項目が50音順に並べられています。国語辞典の発想です。
 作者と同じ知識がない部分では、意味をとれず、通り過ぎるしかありません。ことにテレビゲーム関係はわかりません。
 タレントさんは、苦労が多いのでしょうが、自営の自由人という類型の職業の人です。
 36ページあたりでの作者の年齢は、34歳です。高校中退で本を出して売れるということは驚きです。就職17年目ですから、17歳のときから働いています。落語家のかばんもちからスタートされています。
 60ページあたり、体重が155kgとか、ダイエットして90kgになって、その後、135kgに戻したとか、とても人間業(にんげんわざ)とは思えません。言いにくいですが、太っているから長生きできないというか、ふつうの寿命をまっとうできない人と思ってしまいます。でも、太っていることが仕事の「売り」なのは、つらい。
 昭和の時代の昔話には共感しました。「三丁目の夕日」西岸良平(さいがんりょうへい)作のマンガ話は郷愁を誘います。バッティングセンターもなつかしい。なぜ、このシリーズは売れるのかのひとつの答えとして、懐メロを聴くことと合い通じるものがあるからです。その歌を聴くと、あの時代を思い出す。自分が若かった頃に戻れるのです。198ページの過去において、大金持ちの孫であった人の話もよかった。お金のあるなしは、幸せを測るものさしにはならない。
 温水洋一(ぬくみず)さんのお話もよかった。温水さんとか、本にはないけれど、男優の笹野高史さんのポジションは大事です。細く長く生計を維持していくときの地味なコツです。
 書中、よく出てくる言葉が「夢」です。それは、将来の夢ではなく、人間が眠っているときにみる夢です。どうしてなのかは、わかりません。
 最後のお話。奥さんの亡くなった弟さんの話には胸が詰まりました。


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