2014年06月07日

東南角部屋二階の女 映画 DVD

東南角部屋二階の女 映画 DVD

 2008年の作品ですが、1980年代後半の風情があります。
 人間相関図がはっきりしないのですが、割といい会社を仕事がイヤになって辞めた青年がいて、もうひとり、死んだ父親の借金返済がきっかけになってさきほどの青年と同じ会社を辞めた別の青年がいて、その無職のふたりに、東京からふるさと愛媛に帰りたくないがために結婚しようと思っている無職女性が加わって、ふつうのグループに属することができないそんな3人のぶらぶら生活をゆったりと表現しています。
 アパートの敷地の所有者が、ぼけ老人のふりをしている男性で、その孫がさきほどの青年で、アパートの所有者が、ぼけ老人のふりをしている男性の弟の婚約者さんで、その弟は戦争で亡くなっている。
 アパートは古い木造二階建てで、さきほどの地主の弟の嫁さんは、和風居酒屋のおかみさんで、アパートの2階の角部屋は、開かずの間で、そこに秘密が置いてある。
 父親の借金を相続する息子は、現実にはいないと、懐疑的(疑いをもつ)な気持ちで観はじめました。
 アパートの畳部屋は懐かしい。今時はフローリングに変化しました。古老の家の廊下も懐かしい。今となっては、古風な日本家屋です。
 おとなになりきれていない3人の若者たちのお話と受け取りました。「働く」、「結婚する」、「借金は返済する」たいていの人は、がんじがらめの世界・空間の中で生活していきます。イヤだから、組織や家族から離脱していく。昔は、ドロップアウトと言っていました。
 最終的に、3人は自立へと向かいます。青年の祖父と祖父の弟の婚約者が手本になります。人間は、悲しいことを秘めながらも耐えて、死ぬまで生きていかねばならない。
 古老はしゃべりません。表情で演技します。畳屋のおじさんの演技も良かった。

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