2021年04月17日

大人が好む絵本 こどもが好む絵本

大人が好む絵本 こどもが好む絵本

 大人が好きな絵本とこどもの好きな絵本にギャップがあるようです。(ズレ、くいちがい、差異)
 大人は、清らかで、健やか(すこやか)、美しい、優しい、教訓的、そして、物語性がある世界が好きなようです。
 こどもは、自分にとって身近なこととして、食べ物、うんこ、電車が好きで、物語性よりも、同じ言葉の繰り返しや少しの言葉表現変化での繰り返しで、瞬間的なものが好きです。おもしろおかしいギャグが好きです。あと、ちょっと怖いものも好きです。
 これまでの7年間ぐらいをふりかえって、小学校就学前の孫たちにうけた絵本をおさらいしてみました。

2歳ぐらいのころ
「だるまさんが」「だるまさんの」「だるまさんと」のシリーズ かがくい・ひろし ブロンズ新社
読みながら絵にあわせてぎゅーっと抱きしめてあげるととっても喜んでくれました。乳幼児はスキンシップで愛情表現をしてあげると、こどもの心がすこやかになるようです。

3歳ぐらいのころ
「パンダ銭湯」 tupera tupera(ツペラ ツペラ) 絵本館
 パンダの家族が銭湯に行って、脱衣所で服を脱ぐシーンがけっこう心にぐっとくるのです。たいした発想です。こどもは笑ってくれました。孫たちはたいそうこの絵本を気に入り、当時は家の中で顔を会わせるたびに「パンダ銭湯どこいった?」となんども聞かれました。
「おべんとうばこのうた」 さいとうしのぶ ひさかたチャイルド
 歌いながら手を使っておかずを表現する昔からある歌を絵本にしたものです。おかずが昔風のものなのですが、こどもは気に入り、なんども歌いながらページをめくったものです。
「にじいろのさかな」シリーズ マーカス・フィスター 谷川俊太郎・訳 講談社
 お話の中身よりもキラキラ輝くお魚の絵が気に入っていました。

4歳ぐらいのころ
 とにかく『うんこ』がうけます。
「うんこしりとり」 tupera tupira ツペラ ツペラ 亀山達夫と中川敦子によるユニット 白泉社
 こどもは内容を丸暗記して、その場で片足ジャンプを交互の足でしながら右手を上げたり左手をあげたりしながら、しりとりの文句をなんども繰り返してくれます。ほかのうんこを素材にした本としては、
「うんちしたのはだれよ!」 ヴェルナー・ホルツヴァルト・文 ヴォルフ・エールブルッフ・絵 関口裕昭・訳 偕成社
「うんこ!」 サトシン・作 西村敏雄・絵 ぶんけい
それから、「おなら」長新太(ちょう・しんた) 福音館

5歳から6歳ぐらいのころ
「ぼくんちカレーライス」 つちだのぶこ 佼成出版社(こうせい出版社)
 なんども読んでくれと頼まれました。商店街とか人がいっぱい出てくるのが嬉しいみたいでした。
「おおきくなるっていうことは」 中川ひろたか・文 村上康成・絵 童心社
 成長することがどういう状態になることなのか、こどもでも理解できる内容でした。こどもは、気に入っていました。絵本のでだしです。『おおきくなるっていうことは ようふくが ちいさくなるってこと』
「おしいれのぼうけん」 ふるたたるひ 童心社
 長いお話ですが読んでくれとせがまれます。幼稚園でわるさをした子供ふたりが押し入れに入れられるお話で、ねずみばあさんが登場します。長いので早口で読んであげていました。
「チャレンジ ミッケ!」シリーズ ウォルター・ウィック作 糸井重里(いといしげさと)訳 小学館
 指定されたものをページのなかから見つけるのですが、かなり時間がかかります。答は載っていません。一時間は覚悟したほうがいい。多人数で探した方がいい。されどこどもは好きです。どうも、長時間だれかと話をしながら同じ目的の行為をしていることが好きな様子です。

小学校就学前6歳のころ
「しょうがっこうへいこう」 斉藤洋・作 田中六大・絵 講談社
 家族の話だと、せがまれて、100回以上は読んだそうです。幼稚園から小学校へと生活が変わるということは本人にとってはとても不安だったようです。この絵本で、幼稚園は幼稚園バスで行っていたけれど、小学校は自分の足で歩いて行くと理解できたそうです。小学校には校長先生がいるとか、朝礼があるとか、国語、さんすう、体育などの授業があることを知ったということでした。お話のほうは、ユーモアになっていて、変な校長先生が出て来たり、あやしい人が出て来たりで、読んであげるとこどもたちはなんども楽しんでいました。
 斉藤洋さんの作品は、ネコが主人公のルドルフシリーズ、キツネが主人公の白狐魔記(しらこまき)と、お話の質が高いので好みの作家さんです。
「となりのせきのますだくん」「ますだくんのランドセル」 武田美穂 作・絵 ポプラ社
 こちらも小学校入学の不安を消し去るための絵本です。二冊ワンセットで読んだ方が効果的です。兄弟姉妹の多いやんちゃなますだくんが、小学校に行きたくない泣き虫のみほちゃんを、力づくでぐいぐいリードして学校に誘います。ますだくんはみほちゃんが好きなのです。
「アンデルセンのメルヘン文庫」 ㈱アンデルセン発行
 こちらは、アンデルセンのメルヘン大賞受賞作品集シリーズで、通信販売等で手に入れる本です。内容はおとなびていて、絵の枚数が多いというわけでもないのですが、家族の話だと、こどもたちは、就寝前の読み聞かせの時には、熱心に気持ちを集中させて物語の内容を静かに聞いているそうです。  

Posted by 熊太郎 at 07:33Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年04月16日

もしもぼくのせいがのびたら にしまきかやこ

もしもぼくのせいがのびたら にしまきかやこ こぐま社

 リサイクルショップでこの本を見ておもしろかったので、孫たちに読んで反応を見てみようと思い立ち購入しました。

 こどもですからいつかは背が伸びるわけですが、この本の場合は、新一年生ぐらいに見える「たろうくん」が巨大化します。

 たろうくんが、二階建ての家の階段を二段ずつのぼる絵がいい。ご両親に、最近背が伸びたんじゃないのと言われて、喜んで、いい気分になって、気持ちも背伸びをしています。

 こどもは将来への伸びしろがあっていい。
 おじいちゃんおばあちゃんの将来は、お墓や納骨堂に近づいていくだけです。

 たろうくんは、背が伸びて、家の中でおかあさんがこどもの手の届かない高い棚に隠しておいたチョコレートを見つけだして取って食べるのです。

 たろうくんは、その後、がんがん背が伸びて怪獣みたいに大きくなっていきます。
 いゃー 大きいなあ。
 すごい。豪快で気持ちがいい。
 いい絵本でした。

(追記 ちびっこたちに読んだときのこどもの反応です)
 ふつうにおもしろがってはくれたのですが、期待したほどの破裂するようなリアクション(反応)はありませんでした。おとながおもしろいと感じる絵本とこどもがとってもおもしろいと感じる絵本とには、若干感覚の差があるようです。  

2021年04月15日

妻が椎茸だったころ 中島京子

妻が椎茸だったころ 中島京子 講談社

 タイトルが奇抜で引く思いがあったのですが、この方の作品で以前読んだ「長いお別れ」が傑作だったので、この本も読んでみることにしました。一作、一作の内容が、濃密だという印象をもっています。

 短編が五本並べてあります。最初の一本を読み終えて、これは、スリラーだと気づきました。ぞっとする読後感が残ります。

「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」
 リズ・イェセンスカはアメリカ人女性の名前です。
 甲斐左知枝さんがアメリカ合衆国で体験したお話です。
 留学先で困っているときに親切なおばあさんに出会った話が出ますが、甲斐左知枝さんは英語がまだ十分にできないので、意思疎通がスムーズにいかなかった面もあります。英語の和訳を楽しむ面もある読書です。
 おとなが読む小説の雰囲気です。
 怖い話でした。

 ダイナ―:北アメリカ特有のプレハブ式レストラン
 アイボリー:象牙の色。淡い黄色で灰色がかっている。
 ラブ・スパンキング:性的志向で、愛情をこめてお尻を叩く。
 グリーンカード:アメリカ合衆国における外国人永住権証明書

「ラフレシアナ」
 ネペンテス・ラフレシアナ:食虫植物。ウツボカズラ
 立花一郎さんと私(技術翻訳家の亜矢さん)との物語です。
 植物に話しかける私がいます。
 未婚者である立花一郎にとって、ネペンテス・ラフレシアナが心のよりどころになっているそうです。
 立花一郎を変人扱いしていますが、読んでいて思うのは、物語をいま語っている亜矢さんがおかしいというオチだろうかということです。

 たたみかけてくる文章で、恐怖感が増幅されていきます。

 アグラオマネ・ホワイトラジャー:観葉植物

 ふーむ。上には上がいるということか。不思議な世界があります。

「妻が椎茸だったころ」
 いいお話しでした。しみじみして、じーんと胸に広がるものがありました。今年読んで良かった一編です。
 「たがも」は「たまご」「しいたこ」は「しいたけ」から始まります。伏線です。
 泰平(たいへい)さんが定年退職をした二日後に奥さんがくも膜下出血で急逝されました。まだ五十五歳でした。
 読み始めてしばらくは、おもしろくて笑えます。
 鳥取県の大山(だいせん)という山の話が出ます。十六歳の時に山頂付近の幅の狭い尾根となっている峰を登山で歩いたことがあります。今は崩落の危険があるので歩けないような記事を数年前に読んだことがあります。蒜山(ひるせん)という山まで縦走したような記憶があるのですが、確かにそうしたのかは高校の先輩についていく立場だったので、記憶が薄くて思い出せません。下山後は、赤碕(あかさき)という町で、海の堤防手前にあった小さな広っぱにテントを張って野宿しました。そんなことももう半世紀ぐらい昔のことになりました。
 この小説ではその後、「ジュンサイ」の話が出ます。「若さ」について自分の体験と重なる部分があって、感情に深みが生まれます。お話の内容は、定年退職後まもなくの男性向きの小説です。

「蔵篠猿宿パラサイト(くらしのさるしゅくぱらさいと)」
 タイトルを読んだだけでは内容を予想できないのがこの本の特徴です。
 パラサイトは「寄生」ですが、このお話ではそういう意味ではありません。
 トムソーヤーの話が出ます。小学生のときに何度も読みました。たしか、女子とのキスシーンがあってそこばかりを何度も読んでいました。今では枯れ果ててそんな気にもなれません。
 伝説の話が出て怖くなります。あまり書くといけないので知りたい人は本を買って読んでください。やはり、宿で寝ていると音が聞こえてくるのです。
 医師会は石会と続くくだりは、ユーモアに満ちていておもしろかった。
 学術的です。
 そういうつくりかと感嘆しました。(感心してほめたたえる)

 しれっとした顔:そ知らぬふりをして平然と。

「ハクビシンを飼う」
 幻想的な終わり方をするお話でした。
 複雑な親族関係です。義理の父の妹。未婚の母。人嫌い。戸籍の届にこだわらない男女関係などがあります。
 山野草のような植物・樹木がたくさん出てくる本です。ハクビシンは、キツネのような生き物です。化けるかもということがお話の素材です。
 おそらく化けたのでしょう。  

Posted by 熊太郎 at 07:17Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年04月14日

旅猿「群馬県でフライフィッシング」「東京湾でフィッシング」

東野・岡村の旅猿15 「群馬県でフライフィッシングの旅」「東京湾でフィッシングの旅」DVD 2019年放送

「群馬県でフライフィッシングの旅」
 テレビでチラリと観たことがありますがおもしろくありませんでした。お魚があんまり釣れないのです。全然釣れなかった東野幸治さんが吠えていました。
 ゲストはドランクドラゴンの鈴木拓さんでした。
 「楽しい旅になるはずが……」といつものフレーズが流れて、岡村隆史さんの「旅猿史上、最も静かな旅猿になりそうだ」のセリフどおりの内容でした。
 テンカラ(毛バリ)で釣るか、フライで釣るかで、延々ともめる三人でしたが、そのくだりはくどいだけでした。
 なかなか釣れない渓流釣りです。釣る時間帯もあるのでしょう。お昼間では無理かも。やはり早朝、お魚がおなかをすかしている時間帯がいいような気がします。
 それでも用意していただいたイワナとヤマメの塩焼きはおいしそうでした。

「東京湾でフィッシングの旅」
 ゲストは、番組モニタリングで原西ゴリラを演じている原西孝幸さんでした。
 こちらの釣りでも東野幸治さんがなかなか釣れません。ほかのふたりはそこそこ釣れました。
 それでも最後に、時刻夕方の釣りで、カサゴが入れ食い状態で、25匹も釣れました。東野幸治さんもご機嫌で良かった。東野さんの52歳の誕生日祝いを夕食会場でやってもらいました。
 
 生きたアジを釣り糸の先につけて泳がせてブリを釣るのには驚きました。
 7分間の格闘で、岡村隆史さんが80cmのブリを釣り上げました。
 東野幸治さんは、ブリに逃げられていました。なにかしら、東野幸治さんは釣り運がありません。本人も「話しかけるのはやめてください!」と気が立っていました。

 お昼ご飯のお店でのおそばとカツ丼がおいしそうでした。

 都会の海岸沿いで、海を見ながらの温泉に入られましたが、都会というのは何でもそろっているものだと感心しました。
 お風呂で原西孝幸さんが、東野幸治さんに「(魚が)釣れなくても(怒ったり、すねたりして、その場の雰囲気を)変な空気にするのはやめましょうネ」と声をかけました。(そのとおりです)原西さんはいい人です。
 
 東京湾は、海の幸が豊富にあることがわかりました。

 原西孝幸さんは、なかなかの釣り上手です。カサゴ釣りのふたりへのアドバイスも的確でした。

 東野幸治さんの雰囲気から、何があろうと苦労をともにした仲間と助け合うという熱気が伝わってきまました。東野さんは、人間味がないと言われますが、仕事としての映像上のことだけなのでしょう。  

2021年04月13日

図書館の神さま 瀬尾まいこ

図書館の神さま 瀬尾まいこ(せお・まいこ) ちくま文庫

 冒頭の「清(きよ)。私の名前だ」を読んだ瞬間に先日読んだ夏目漱石作品「坊ちゃん」が頭に浮かびました。坊ちゃんの家で働いていた女中さんのお名前です。そして次の瞬間、「両親が『坊ちゃん』に傾倒していたわけではない」と文章が続きます。やられたという感じがして、次の読みに入りました。
 文章は読みやすい。2003年の作品です。登場人物は少ないです。一人称ひとり語りで進行していくので、世界は狭く感じられます。

 高校国語講師かつ文芸部顧問の早川清さん22歳です。128ページまで読んだところです。あと70ページぐらいで終わります。
 早川清さんは、いろいろわけありです。高校バレーボル部での活動時代に、彼女の厳しい言葉で、部員だった女子高生の同級生がひとり、飛び降り自殺をしているようです。
 早川清さんは、さらに今は、奥さんのいる男性と不倫の関係を続けています。相手を愛しているけれど結婚したいとは思わないそうです。
 妻の立場と気持ちはどうなるのか。早川清というこの人は、教師としてどうなのか。こういう人に子どもを預けたくはないと思いながら今は読んでいます。
 早川清さんは、男にいいように利用されているようにしか見えません。洗脳されているのだろうか。
 そのほか、物語の下地として、この方は、無気力な教員です。

 本当の主役は、高校三年生文芸部ただひとりの部員垣内君かもしれません。彼が文学で早川清さんにからんできます。彼にもなにか秘めた過去がありそうです。彼の良かったセリフとして「僕は毎日違う言葉をはぐくんでいる」「黙るべき時を知る人は言うべき時を知る」「とにかく走りましょう」(勝つために走るのではなくて、目標意識をもたずにただ走る)

 ふたりがいるのは、4年後には統廃合される鄙びた(ひなびた。田舎っぽい)高校です。校舎は、海のそばに建っています。
 
 若いころに、人から「先生」と呼ばれるようになったら人生は終りだという気持ちをもったことがあります。ほかに呼びようがないから「先生」と呼ばれるのです。そこに尊敬の気持ちがこもっているかいないかは微妙です。

 「勝つ」ということはどういうことなのだろう。考えてみました。「勝つ」ということは、勝負の相手が「泣く」ということです。

 不倫です。会うのは女性の部屋だけです。外で会うと(田舎ゆえに)ばれる。
 早川清は、何が楽しいのだろう。

 後半の展開は予測がつきました。
 まともな人間なら、そうします。
 
 調べたことなどとして、
 川端康成:1899年(明治32年)-1972年(昭和47年)72歳没。自死。1968年ノーベル文学賞受賞。「伊豆の踊子」「雪国」ほか。
 シスコン:シスターコンプレックス。この話の場合、姉さん頼り。早川清さんには大学生の弟として拓実(たくみ)がいます。弟が姉を頼る。
 はだしのゲン:被爆体験の漫画。1973年(昭和48年)-1987年(昭和62年)
方丈記(ほうじょうき):鴨長明(かものちょうめい)1155年-1216年 鎌倉時代初期の随筆。
 バルカン半島:ギリシャがある半島
 スカンジナビア半島:スェーデン、ノルウェー、フィンランド
 さぶ:山本周五郎作品
 サナトリウム:長期療養者が入る施設

 本を読むことで救われることもあります。
 読み終えてみて、胸に深く沁みる(しみる)いい作品でした。
 今年読んで良かった一冊です。  

Posted by 熊太郎 at 07:32Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年04月12日

どしゃぶりのひに 木村裕一・作 あべ弘士・絵

どしゃぶりのひに 木村裕一・作 あべ弘士・絵 講談社

 「あらしのよるにシリーズ」5巻目です。
 ヤギとオオカミが親友です。読んでいると男女の恋愛にも思えます。周囲に反対があります。食べられる者と食べる者との間に芽生えた愛情です。
 最初にあり得ないと思ったら続きを読むことができないでしょう。あり得ない者と思う人とあり得るかもしれないと思う人に二分化される物語です。
 
 ヤギがメイ、オオカミがガブです。
 またもピンチです。
 人間には、同じ動物でも、その動物を食べる人とペットにする人とがいます。この世のことを理屈ですべてを説明できないのは、人間が感情をもつ生き物だからでしょう。
 今回のオオカミ集団のボスは「ギロ」です。彼に責任はありません。むしろ忠実に仲間のために働いています。ヤギはオオカミの食糧なのです。ヤギを食べなければ自分が死んでしまいます。
 ガブがなんとかメイを守り切りますが、オオカミ集団には、ガブがひとりでメイを食べたと思われるのではないか。
 予想をくつがえして、オオカミのほうで、もめるのではなく、ヤギのメイのほうで、もめごとが始まりました。メイは正直でした。オオカミのガブは自分の親友だとヤギ仲間に意思表示をします。だからメイは、ヤギ集団から抗議を受けて攻撃されました。まあ、うそをついてもばれることです。
 ふたりの別れ時なのか。
 あらまあ。オオカミのガブのほうでもふたりの秘密がばれていました。
 ふたりは、もう駆け落ちするしかないのだろうか。(駆け落ち(かけおち):愛し合っている男女が親の反対を押し切って行方をくらまして別の場所に行き、ふたりで生活していくこと)
 ふたりは「いくところまで いってみますか」と合意しました。
 次の巻が楽しみな終わり方でした。  

Posted by 熊太郎 at 06:58Comments(0)TrackBack(0)読書感想文