2021年03月31日

倫敦塔(ろんどんとう) 夏目漱石

倫敦塔(ろんどんとう) 夏目漱石 青空文庫

 ロンドン塔:イギリスロンドンテムズ川岸に建っている中世の城塞

 夏目漱石のロンドン留学:1900年(明治33年)-1902年(明治35年) 33歳~35歳の時期。神経衰弱状態になったとのこと。

 旅の随筆のような記述です。
 ロンドン市内地理不案内の不安があります。「御殿場の兎(うさぎ)が、急に日本橋のまんなかへほうりだされたような心もち」とあります。不安な気持ちがいっぱいです。
 地図をもって見ながら歩いて、英語で人に聞いて、だめなら巡査に聞いて、そしてようやく指定されたところへたどり着く。
 城の説明があります。
 だんだん読んでいても自分にとっては意味のとれない内容になっていきます。あきらめて流し読みに入りました。古い歴史とか、宗教のこととかを素材にして書いてあります。
 何が書いてあるのはわかりませんが、書くことで気持ちが救われたということはあったと思います。  

Posted by 熊太郎 at 06:37Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年03月30日

ノア約束の舟 アメリカ映画DVD

ノア約束の舟 アメリカ映画DVD 2014年公開

 昨年の秋ぐらいから歴史に興味をもつようになりました。
 宗教というのは、最初にユダヤ教が生まれて、そこからキリスト教が生まれて、キリスト教とユダヤ教があわさってイスラム教ができてというところを、読み物を読んで最近知りました。
 今回はノアの方舟(はこぶね)のお話しです。こどものころに聞いたことはありますが細かいことは知りません。

 アダムとイブがいて、ノアはふたりの子孫だそうです。ノアの家族は、この映画の終わりのほうで、洪水が去ったあとの地上に残った人類ですから人間の祖先がノアの家族になります。
 映像は宇宙での出来事のようでした。岩でできた人間の姿をした天使がノアの家族を守ります。映像を見ながら、古代の人たちはどこで何を食べて生きていたのだろうと空想しました。
 なんだかむずかしくて、途中で寝てしまいそうでした。
 箱船は、どこかへ行くというよりも洪水でたまった水の上に浮いているだけです。
 お話の素材になるような実際の出来事が古代にあったのだろうか。調べたら船が見つかっているそうです。真偽のほどは定かではありませんが、トルコ国にあるアララト山にあるそうです。あわせて、ノアの方舟の出来事は4800年前のことだそうです。
 
 映画のほうは、自然の樹木の映像がきれいでした。岩ロボットみたいな岩でできた天使が死ぬのが不思議でした。特殊撮影を楽しむ映画です。

 神VS人間。人間はこの世の楽園にとっては悪者であるという構図があります。まあそういうものかもしれません。動植物にとっては人間がいないほうがいいのでしょう。
 宗教として、神に罰を与えられて、それでも神にすがる人間が不可解です。
 映像を見ていると水害を思い出してしまいます。線状降水帯とか、河川の決壊とか、津波とか。

 地上の楽園を守るために人間は滅びなければならない。
 人間は生まれたけれど遠い先には、いつかは滅びることは確実なのでしょう。地球は46億年前に誕生して、これから先、46億年後に滅びると何かで読んだことがあります。

 人間とはむずかしい生き物です。
 ノアの苦悩があります。
 信仰とは、神の指令に従うこと。ゆえに人間にとって非情なことも行う。ノアは神に服従します。その非情さは限度を越していて、見ていてこっけいでさえあったシーンもありました。

 ノアは、人類を根絶やしにするために生まれたばかりの赤ちゃんを殺めようとします。(あやめようとします)
 しかし、思いとどまります。ようやく、ノアに人の心が芽生えました。よかった。人は神ではなく人間です。ほっとしました。  

2021年03月29日

東野・岡村の旅猿16 何も決めずに岡山県の旅DVD 

東野・岡村の旅猿16 何も決めずに岡山県の旅DVD 2020年1月ロケ

 歳月の流れとともに番組「旅猿」は、おもしみが薄れてしまいました。
 初期の頃の無謀さがなつかしい。
 最近は、高級リゾートで宿泊したり、観光地紹介PR番組構成になってしまったりして、観ていて、笑い転げることがなくなってきました。
 ということで、しばらく観ていませんでしたが、今回は性格がいい濱口優(はまぐち・まさる)さんがゲストだったので見てみようという意欲が湧きました。

 岡山県と聞いても心が躍らないという東野幸治さんの毒舌から始まります。ほかのふたりも岡山県に関しては似たような知識でぱっとしません。

 番組「しくじり先生」に出ていた武田真治さんの話が出ていて興味深かった。わたしもその番組を観ました。
 岡村隆史さんも濱口優さんも武田真治さんに距離を置いておられます。
 武田真治さんは、準備のために筋肉を浮かせるためのポンプアップという準備運動をしたり、歯を白く見せるために長時間歯を磨いたりするそうです。その間、ほかの出演者は待つ。その待ち時間が長くてかなわないというような雰囲気のやりとりでした。ほーっ。そんなことがあるのか。

 東野幸治さんが観るのを熱望していた池田動物園の象が三年前に亡くなっていた話は笑えました。それから、フクロテナガザルの鳴き声も良かった。千葉の動物公園とか、名古屋の東山動物園で何度か歌うテナガザルを観たことがあります。
 「人間」というワクの檻(おり)の展示もおもしろかった。
 
 東野幸治さんも岡村隆史さんも濱口優さんも順番に自分でレンタカーを運転されることに好感をもっています。自分も運転してみようという気持ちになります。
 牡蠣(かき)のお好み焼きは広島で食べたことがありますが、自分が現地で食べた時は、お好み焼きに牡蠣は合わないかなと思いました。あと、もったいないかなとも思いました。
 岡山県は国産ジーンズ製造販売発祥の地と紹介がありました。ホワイトジーンズというのは初めて聞きました。岡村隆史さんが嫌がっていましたが、学校の体操服のようでした。

 一泊二日の旅ですが、翌日早く飛行機で出発なので、午前6時30分起床、同6時45分出発と聞き驚きました。15分間で身だしなみを整えることは、普通は無理です。芸能人はすごい。やっているうちに、だんだん感覚がマヒするのでしょう。  

2021年03月28日

水中都市・デンドロカカリヤ 安部公房 

水中都市・デンドロカカリヤ 安部公房 新潮文庫

 作者安部公房氏について:1924年-1993年 68歳没 1951年芥川賞受賞

 作品「砂の女」は二十代の頃に読んだことがありますが、内容はもう覚えていません。
 文庫の最初にある「デンドロカカリヤ」を読み終えたところで感想を書き始めてみます。人間が、植物や動物に化身するところが作品群の特徴のようです。読む人によって、好みが分かれるだろうと感じます。独特な文章表現手法です。
 短編集です。

「デンドロカカリヤ」
 コモン君が、デンドロカカリヤという植物に随時、瞬間的になります。読んでいると、うつ病の人の症状が悪くなったときに植物のように動かなくなるようなイメージをもちました。
 奇妙な空想の世界です。短文なので、ショートショートのような雰囲気があります。
 ローマ神話やギリシャ神話がベースにあるような。「ダンテ 神曲 イタリアの詩人・政治家」「ゼウス 神」「以下、神:イアペタス プロメテウス アポロ など」
 第二次世界大戦のことも背景にあるような(作品の発表は、昭和20年の終戦後、昭和24年です)
 先日再読したカフカ「変身」を思い出しました。外交販売員男子が、朝、目が覚めたら昆虫になっていというお話です。
 
 印象に残った文節として「幸福だの不幸だのなんて、一体なんの役に立つんです」「ただの雑草だと思われ、ちょんぎられるのが関の山じゃないですか」

 自分だけが特別な存在だと考えるのは誤解である。万人に共通する心の病があるというメッセージを感じました。

 人間が植物になって標本になる。戦争の戦死者をイメージしてあるのだろうか。

 アナロジー:類推

「手」
 銅像が語り手となって話す物語です。
 銅像は、第二次世界大戦中に軍事用として活用された伝書鳩です。「平和の鳩の像」です。銅像ですが、物語の中では生命をもっています。
 「手」とは、その伝書鳩の世話をしていた人の手です。
 戦争用だった鳩が、平和の鳩と言われることに、鳩自身がすっきりした気持ちになれないようです。
 鋭い感性をもつ作品でした。
 第二次世界大戦において、国の支配者から武器扱いをされた国民の怒りがこめられています。
 昭和26年7月の作品でした。1951年、作者は27歳でした。

「飢えた皮膚」
 皮膚とは「洋服」をさします。
 語り手である「おれ」は、犬かと思いましたが人間でした。おれは、ナイフをもっています。
 迫力があります。力強い文章です。この男は凶暴ですから注意してくださいみたいな文脈です。
 自尊心を傷つけた相手に対して復讐を企てています。(くわだてています)
 ただ、復讐計画は妄想であり、実行はしないようです。
 おれの復讐の相手は、木矛夫人(キムふじん)の夫のようですが、夫人も巻き込んでふたりに仕返しをするようです。みせかけだけの不倫計画にみえます。
 服装には社会的な役目がある。
 洋服の汚れを防止する薬品を発見した。
 薬物使用とか性的な行為とか、よくわからない内容になってきました。人をモノ扱いしています。

 事件は起こっていないのでしょう。ただ、妄想していている男性本人の脳の中は、復讐心による計画で自己破滅しています。

 流謫の身(るたくのみ):罪によって遠方へ流されること。追放
 シュス:織物
 カタストローフ:突然の破滅、破局

「詩人の生涯」
 三十九歳の老婆というところから始まるのですが、三十九歳は老婆の年齢ではありませんので、読んでいるとどうも、老婆=機織機(はたおりき)のような器械をさしているように読み取れます。器械の導入で人間である労働者の五十人が解雇されたというふうに読めます。
 雪の話になるのですが雪は、夢や魂や願望でできています。貧しい人がいて、産業の振興があって、戦争の話になります。鼠(ねずみ)が出てきます。内容を理解することはなかなかむずかしい。

「空中楼閣」
 楼閣(ろうかく):重層の立派な建物
 「求む工員 空中楼閣建設事務所」から始まります。
 失業保険受給中で仕事を探しているKが主人公の若者です。建設事務所で働きたい。されど、求職の申し込み先がわかりません。
 選挙の投票用紙は一票が千円の世界です。本作品は昭和26年のものです。
 どうも「空中楼閣」というのは、国民の思想を誘導する策らしい。国民の意志をひとつに集中させるための為政者のたくらみ。反戦思想が背景にあるような気配があります。
 奇想天外で文章の勢いに理解がついていけません。他の作品も含めて、精神病を患っている(わずらっている)人の脳内にある世界を文章化してあるような感じがあります。
 
 ランデヴー:待ち合わせ
 バベルの塔:旧約聖書にある伝説の塔。人間が高い塔を建てようとしたことに神が怒り、それまでひとつであった人間の言語を複数にして混乱させて、お互いに意思疎通ができないようにした。
 ファシスト:独裁的な権力の支持者

「闖入者(ちんにゅうしゃ)」 -手記とエピローグ-
 昔の二階建てまんなか通路、両側に部屋ありのアパートらしき一室にひとり暮らしの若い男性がいるのですが、その部屋へ、男と老婆とこどもたち合計9人が押しかけてきて、この部屋は自分たちの部屋だと主張するのです。主人公の「ぼく」の頭の中は、狂っています。
 どの作品を読んでいても気持ちが落ち着きません。不安定な気分になります。
 「部屋に帰ってもだれかがぼくを見張っていました」明らかに主人公は心の病気です。精神病をわずらった人の物語になっています。

 ファッショ的:強制的な集団の結束、団結

「ノアの方舟(はこぶね)」
 ノアの方舟:旧約聖書に登場する。神が洪水を起こす。神がノアに方舟づくりを命じる。ノアは方舟に親族と動物のつがいを乗せた。
 
 ノア先生は、偉い人だった。ノア先生は、村長で、校長で、税務署長で、警察署長で、裁判長で……と続きます。
 
 エホバ:神
 サタン:神の敵、人間の敵

 古代のことや宗教のことですが、その方面の知識がないので、内容を理解できませんでした。

 弁証法(べんしょうほう):否定からよりよいものを引き出す過程

「プルートのわな」
 倉の二階に、オルフォイスとオイディケというねずみの夫婦がいたから始まります。
 どうも、猫の首にだれが鈴を付けるかというお話のようです。
 老いぼれ猫プルートの登場です。(なんとなく、アメリカ合衆国に思えます)
 人を信じゃいけないというたとえ話でしたが、第二次世界大戦にひっかけてあるのかもしれません。

「水中都市」
 作者の作品は精神病を扱っているものが多そうです。
 この作品も「おれを精神病院に入れようとする意見には絶対反対」という記述ぐらいから始まります。
 水の中に生活圏があるのです。
 「人間を魚に変える注射をするんだろう」という文章があります。
 「やつはすでにぼくのシステムの中に入りこんできている」
 読んでいても何が書いてあるのかわかりません。目で文字を追うだけのです。夏目漱石氏の「吾輩は猫である」を読んだ時と同じ感覚です。
 ギブアップです。自分には理解できない作品でした。

「鉄砲屋」
 こちらも難解です。
 カラバス丸という船があって、カラバス人とか、馬国人がいて、ヘリコプターの名称が「くまん蜂号」で、船長がいて、島長がいます。
 馬の目島というところがあります。灰色人種が住んでいます。
 タイトルが鉄砲屋ですから鉄砲を売るカラバス人のセールスマンがいます。
 戦争をからめて政治的なことが書いてあると思うのですが、自分には理解するだけの能力がなくて意味をとらえることができません。
 
「イソップの裁判」
 世界史の学習のようです。紀元前600年ごろ。ギリシャです。
 こちらもさきほどの「鉄砲屋」同様に内容を理解できませんでした。  

Posted by 熊太郎 at 07:51Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年03月27日

ポンペイ アメリカ映画DVD 

ポンペイ アメリカ映画DVD 2014年公開

 昨年の秋ぐらいから歴史に興味をもつようになりました。それまでは、済んだことは今さらしょうがないという意識で、地理は好きだけれど歴史は嫌いというスタンスでした。でも歴史のおもしろさがわかるようになりました。

 イタリアポンペイのヴェスヴィオ火山が噴火爆発してポンペイという都市が火山灰や火砕流に埋もれたのは西暦79年のことでした。
 先日当時の馬車が発見されたとニュースになっていました。
 アクション映画ですが、歴史的見地で見てみようと思いました。

 ローマ帝国軍の侵略行為があります。生きるか死ぬか殺すか殺されるか。死体の山です。
 男子の奴隷が出てきます。奴隷同士を大きな闘技場で闘わせて楽しむようです。賭けもあるようです。殺し合いですのでむごいシーンもあります。こどもさんには見せられません。

 奴隷と奴隷の所有者の娘との恋愛はありえないことですがそういう設定ですからしかたがありません。首をかしげながらも映像を眺めます。

 アクション映画ですが、やがて、火山が噴火して、噴火口から怪獣が出てきそうな怪獣映画のようになり、その後は、自然災害を発災したパニック映画のようになります。噴火と津波です。
 音楽とアクションと合唱で緊迫感を増幅させます。宇宙から異星人が総攻撃にやってきたような火の玉隕石が地球にぶつかり続けるようなシーンです。映像がすごいなあと感心しました。

 筋立てはなんだかよくわかりません。物事の決め方が、誰が何を決めるのかはっきりしません。ローマ軍を率いる人物が強権をふるうのですがずいぶんと勝手で乱暴者です。

 見ていて不安になりました。富士山もいつか爆発するのだろうかと。位置的にいま自分がいるところは噴火があってもとりあえず大丈夫のようですが、東京はじめ関東地方が被災すれば、日本国中の機能がマヒします。
 映画の登場人物同様に、神々を守りたまえと祈りたくなります。映画の登場人物たちはそれでもうまくいかず、最初のシーンにもどります。
 彼らは化石となって、現代まで記録を残します。2000年ぐらい前のことですが、当時の文明はかなり発達していたようです。その当時、日本はまだ農耕中心の村社会、弥生時代でした。その後、村が集まって小さな国がたくさんできたそうです。卑弥呼が魏に使いを送ったのは三世紀、たしか239年でした。魏志倭人伝です。以前岩波文庫で読んだことがあります。10ページぐらいある長いものだったので意外でびっくりしました。そんなことを思い出しながら楽しんだ映画でした。  

2021年03月26日

(再鑑賞)ショーシャンクの空に アメリカ映画DVD

(再鑑賞)ショーシャンクの空に アメリカ映画DVD 1995年日本公開

 浮気をした妻とその相手の男性に何発も銃弾を撃ち込んで殺した犯人ということで刑務所に入れられた主人公のアンディです。しかし、そのことは冤罪(えんざい。無実の罪)です。時代は1947年からスタートします。

 彼は裁判で犯行を否定し続けましたが、終身刑という有罪判決を受けて、刑務所に収監されてしまいました。気が遠くなるほどの忍耐が続く刑務所での過酷な体験が続きます。
 彼は彼なりに妻を深く愛せなかったことを悔いています。もっと妻を愛していれば妻は浮気をしなかった。こんな事件に巻き込まれることもなかった。妻に対する自分の愛情が不足していたと。
 10年ぐらい前に観たことがある映画なので再鑑賞です。英語のリスニング練習をしてみます。

 イッツ トゥルー(殺してない)

 昔の刑務所の中は本当にこういうふうだったのだろうか。無実の罪の人が複数、囚人に含まれている可能性があります。

 アーユーゴーイングイートザット?(あんたは、それを(昆虫の幼虫。主人公の刑務所での食事に幼虫が混じっていました)食べるのか?)
 ドゥーユーマインド?((昆虫の幼虫を)わたしにくれないか(受け取ったあと、自分の洋服のポケットの中に入れている幼鳥に主人公からもらった幼虫を与えました)
 ホワットドゥユーセイ?(なんて言った?)

 タバコの1本単位が刑務所内の通貨になっています。
 刑務所職員の裁量権限が大きすぎます。映画にある刑務所は、贈収賄行為の温床です。
 映像を見ていると犯罪をしたくなくなります。刑務所内に収容された人間の暮らしは、過酷で悲惨です。人権も自由もありません。あるのは力関係による支配と悪行です。安らぎはありません。

 ペーパーアンドペンシル(紙と鉛筆)カネとモノで動く人間界です。無実の服役囚である元銀行員の主人公アンディは、頭脳を駆使します。合法的な節税行為で問題ありません。彼によって、囚人による刑務所内税理士事務所ができてしまいました。さらに充実の刑務所図書館もできてしまいました。

 プット ザ ナイフ ダウン!(ナイフを捨てろ!)

 いっぽう釈放されても刑務所の外では生きていけない人間もいます。刑務所にいれば衣食住には困りません。

 アイ ディサイド ノット ステイ(自殺する決心をした(ここにいないことにした。刑務所から釈放後の住居にて))
 ホープ(希望だ)
 スーサイド(自殺)

 刑務所には時間が十分あった。何かしていないと気が変になる。
 1966年(収監後19年が経過)主人公が、無実を晴らすチャンスが巡ってきましたが、悪人である刑務所長に、再審請求のチャンスをつぶされてしまいました。

 ホワット ディジュー コール ミー?(わたしのことを今なんと言ったんだ)
 イエス サ アブソリュートリィ(はい 完全に彼は無罪です)
 アイ ニード ユー ヘルプ(わたしはきみの助けが必要だ)
 イエス ギヴミーアチャンス(はい。わたしにチャンスをください)

 よくできた映画です。刑務所長は大悪人です。
 公務員は、自分の仕事に誇りをもって、ちゃんと働いてほしい。

 シー イズ ビューティフル アイ ラブドゥ(妻は美人だった。愛していた)

 重苦しい。

 マイ ターン((不幸の順番)わたしの番がきた)
 ジワタネホ:メキシコにある太平洋沿いの土地
 シー ハズ アンメモリー(記憶の無い海)

 これまでの記憶をなくしてあの土地で暮らしたい。

 アイドントスィンクソー(そうは思わない)
 選択肢はふたつだけ。必死に生きるか。必死に死ぬか。どちらを選ぶか。

 アンド シー セズ イエス(プロポーズをした時、妻はイエスと言った(バクストンという場所にある大きな木の下で))

 1966年に大きな展開が起こります。今までおさえていたものが爆発します。
 プレッシャー アンド タイム アンド ポスター(圧縮と、20年間という服役期間、そして女優の水着ポスター)

 黒曜石(こくようせき):火山岩

 穴掘りで正気を保っていた。
 アイ ゲス アイ ジャスト ミス マイ フレンド(友を失って、友が恋しい)
 現実社会ではメキシコからアメリカ合衆国に逃げてくる者がいますが、この映画では、逆にアメリカ合衆国からメキシコへ逃げる者もいます。

 赤い小型トラックがステキでした。
 「忍耐」と「正義」と「愛情」と「友情」の映画でした。心に優しい。
 ユア フレンド アンディ(手紙の末尾です。涙がにじみます。今年観て良かった一本です)
 ホープ イズ グッドスィング(「希望」は素晴らしい)ふと、高倉健さんの名作映画「幸せの黄色いハンカチ」を思い出しました。
 メキシコに面した紺碧の海岸線、白い砂浜でのふたりの笑顔がいい。すばらしい。
 小さなことをコツコツと二十年間積み上げてきて希望がかなう。大きな力はいらない。継続を心がける。