2020年12月29日
2020年 今年読んでよかった本
2020年 今年読んでよかった本
おふろだいすき 松岡亨子(まつおか・きょうこ)・作 林明子・絵 福音館書店
今年読んで良かった1冊です。こどもさん向けの絵本です。
いわゆる「ほら話」です。落語のようでもあります。
ふつうは、「うそをついてはいけません」と教えますが、物語の世界のなかでは、うそをついてもかまわないのです。むしろ、おおうそつきにならねばならないのです。その気楽さがいい。
だれも知らない小さな国 佐藤さとる・作 村上勉・絵 講談社文庫
1959年自費出版から始まった本です。
物語の中のこととして、20年前、ぼくは小学3年生8才ですから、主人公のぼくは、今は28才です。思い出の記です。
しょうがっこうへいこう 斉藤洋・作 田中六大・絵 講談社
今年読んで良かった1冊です。
小学校へ入学するこどもさんの不安を解消するための絵本です。
クイズ形式になっている楽しい本でした。
いなかっぽい絵が、地方に住む子どもにとっては身近です。
14ひきのあさごはん いわむらかずお 童心社
絵本です。14ひきののねずみがでてくる大家族のおはなしのようです。おじいさん、おばあさん、おとうさん、おかあさん、1・2・3…のじゅんばんで、いっくん、にっくん、さっちゃん、よっちゃん、ごうくん、ろっくん、なっちゃん、はっくん、くんちゃん、とっくん、ぜんいんあわせて、14ひきです。
もりのへなそうる わなべしげお・さく やまわきゆりこ・え 福音館書店
へなそうるとは? 本の最後のほうにあるページで、キリンのような姿がちらりと見えました。
表紙には、森の中にある木のそばで、兄弟らしき男の子ふたりがなにか気配があって、不思議そうな表情で立っています。
ルドルフといくねこくるねこ ルドルフとイッパイアッテナⅢ 斉藤洋・作 杉浦範茂(すぎうらはんも)・絵 講談社
2002年2月初版です。前回読んだ2作目の初版が1988年ですから、14年が経過しています。
5月から始まりました。英語の本に対する苦情があります。アイ・アム・ア・ボーイ。ぼくは少年です。そんなことは、見ればわかる。わざわざ説明する理由がわからないとのこと。
ネコであるイッパイアッテナことタイガーの飼い主日野さんは、仕事で日米を行ったり来たりしています。
累犯障害者(るいはんしょうがいしゃ) 山本譲司 新潮文庫
累犯:るいはん。何度も罪を犯すこと。「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治著・新潮新書からこの本にきました。
「安住の地は刑務所だった 下関駅放火事件」
2006年、山口県下関駅放火事件から始まります。そういえば、そういうことがありました。幸いに死者はなかったそうです。犯人は74歳150センチ台の背たけの小柄な男性で、刑務所を出所して1週間ぐらい、行くところもなく生活できず再び刑務所に入るために放火しました。シャバ(刑務所外の世界)よりも刑務所の中のほうが快適という現実があります。
幸福な食卓 瀬尾まいこ(せお・まいこ) 講談社文庫
有名な作品のようですが、読むのは初めてです。
4本の短編です。互いに関連があるのかないのかはまだわかりません。読み始めてみます。
「幸福な朝食」 2003年初出
中原家の家族の崩壊話です。父親である中学社会科教師の中原弘さん43才ぐらいが、朝食時に、「父親をやめる」と宣言します。妻は5年前に家を出ています。離婚はしていないようです。卒婚みたいなものです。
としょかんライオン ミシェル・ヌードセンさく ケビン・ホークスえ 福本友美子やく 岩崎書店
(1回目の本読み)
本屋さんでひととおり読んだ時点で、これは名作だと思いました。心優しい絵本です。
(2回目の本読み)
本を手に入れて家で読みました。
ライオンを怖い感じがする人間に置き換えることもできると思いました。
かえるのエルタ 中川李枝子・さく 大村百合子・え 福音館書店
1964年(昭和39年)の作品です。ナルニア国物語とか、うさぎを追いかけて穴に入っていく不思議の国のアリスなどの仲間で、楽しい空想物語というジャンルだろうと、読んでいる途中で思いました。今年読んで良かった1冊です。
あおい目のこねこ エゴン・マチーセン作 瀬田貞二・訳 福音館書店
両目が、どちらかといえば、水色をしたこねこの絵があります。物語は、「1のまき」から始まって、「7のまき」で終わります。1965年(昭和40年)の作品で、作者はデンマークの人で、1976年に亡くなっています。訳者の方も1979年に亡くなっています。物語の始まりは、日本昔話のようで、「むかし、青い目のげんきなこねこがおりました」から始まります。
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ 新潮社
書店で手に取って、ページを少しめくって、内容は遠い国、イギリス国のことであり、タイトルから察するとたぶん肌の色で人種差別のことだろうと、あまり身近なことではないので、そのまま書棚に戻しましたが、その後なんとなく気になり、売れている本でもあり、まずは読んでみるかと、数日後手に入れました。まだ最初のほうしか読んでいませんが、アイルランド人でカトリック教徒、現在はダンプの運転手さんと結婚された日本人女性著者が、中学生の息子さんについて事実のこととして書いてあるようです。ノンフィクションのエッセイ集です。タイトルで、イエローは、黄色人種であり、ホワイトは、ハーフによる白人であり、ブルーは通常、憂鬱なのですが、著者の息子さんは誤認していたらしく、「怒り」ととらえたのち、沈んだ気持ちと理解されています。
高齢者に「キレない」技術 川上淳子 小学館
超高齢者になると、なにをやっても許される年齢という感じになります。責めを負ってもらおうとしても、高齢であるがゆえに、どうしようもないということもあります。無理をすれば、こちらのほうが、当事者の加齢によるお世話という負担をしなければならなくなります。困り果てる現状があります。
誰にも相談できません みんなのなやみぼくのこたえ 高橋源一郎 毎日新聞出版
人生相談本です。ラジオパーソナリティとしての声を聞くことがある小説家の筆者です。ざっと勘定してみて、相談事が100本ぐらいあります。離婚歴の数が多い筆者のためか、恋愛話の相談が多い。不倫、浮気、LGBTなど。同性愛の人って案外多い。案外少数派ではないのではないか。答えは、哲学的です。他人の恋話が他人ごとに聞こえるのはわたしだけでしょうか。恋は本来『秘密』です。
生きるって、なに? たかのてるこ テルブックス
ラジオ放送でいい本だと流れていたので読んでみることにしました。
同作者の「ガンジス河でバタフライ」「サハラ砂漠の王子さま」「モロッコで断食」「ダライ・ラマに恋して」「モンキームーンの輝く夜に」「キューバ―でアミーゴ」などを読んだのは、2008年から2012年頃のことでした。内容はおもしろかった。世界中を旅する作者です。
生きることの意味を追求していく本です。薄くて小さいサイズの本ですが中身は濃い。写真絵本の構成です。言葉には気取りがなく、生身で、現実的です。大事なことが書いてある本です。今年読んで良かった1冊になりました。
派遣添乗員ヘトヘト日記 梅村達 三五新社 フォレスト出版
知的障害者施設のメンバーと日光江戸村へバス旅行に行ったときのお話にはほろりとしました。いいお話でした。今年読んで良かった本になりました。入所者たちはうれしさを全身からにじませていたあとに続く、にぎやかなカラオケ風景が読んでいて目に浮かびました。
11番目の取引 アリッサ・リングスワース作 もりうちすみこ訳 すずき出版 2020課題図書
11番目の取引だから、その前に10回取引があったのだろうと思って読み始めました。楽器を巡るお話で、アフガニスタンとかタリバンとかが関係あるようです。
飛ぶための百歩 ジュゼッペ・フェスタ・作 杉本あり・訳 岩崎書店
本の帯を見ると、視覚障害者のこどもさんのお話のようです。イタリアの児童文学作品です。
プロローグで、お父さんは眠らないとあります。なんのことだろう。
お父さんがいて、お母さんがいて、主人公の男の子が、山の中で二か月ぐらい暮らしているようです。満点の星空が輝いています。でも、この子には見えないみたい。
廉太郎ノオト(れんたろうノウト) 谷津矢車(やつ・やぐるま 男性) 中央公論新社 2020課題図書
作曲家の瀧廉太郎さんのお話しだと思って読み始めます。彼の出身地の大分県竹田市へは、高校の時に行ったことがあります。登山に行く途中で立ち寄りました。作品『荒城の月』をそこで聞いたような覚えがありますが、もう遠い昔のことなので記憶が定かではありません。同市内にあった城跡は見学したような記憶がありますが、たしか岡城というような名称でした。そちらの記憶もおぼろげです。ご本人は病気で若くして亡くなられたという知識が少しあります。春のうららの隅田川という歌詞の『花』を思い出します。
北極と南極の「へぇ~」くらべてわかる地球のこと 中山由美・文と写真 Gakken 2020課題図書
(1回目の本読み)ざーっとめくるだけで最後までいきます。本のカバーには、「北極と南極の比較」について書いてありますので、本全体が比較パターンで進行していくのでしょう。
タヌキのきょうしつ 山下明生(やましたはるお)・作 長谷川義史(はせがわよしふみ)・絵 あかね書房 2020課題図書
(1回目の本読み)
全体をざーっと流し読みしました。朝のさんぽ道で、タヌキさんたちをたまに見かけることがあります。見た目がワンちゃんのようでかわいらしい。茶色に黒の模様が入った体で、独特のユーモラスな顔つきをしています。警戒心が強いので、人が近づくと、さささーっと茂みの中へ逃げていってしまいます。
ジョゼと虎と魚たち 田辺聖子 角川文庫
先日同名の実写版映画をDVDで観て深い感銘(かんめい。忘れられないほどの心に深く刻まれた記憶)を受けました。そこで、原作を読んでみることにしました。新作でアニメ映画も放映されるようです。車いすの女性と男性の恋を描いた作品です。しみじみできる文脈でした。
青年ヒトラー 大澤武男 平凡社新書
この夏は、第二次世界大戦について、連合国側からの立場で描かれた映画を観たり、小説を読んだりしました。片手落ちではないかと思って、ドイツ国首相だったヒトラーの立場から書かれた本も読んでみることにしました。著者はドイツ在住とあります。出版された時点は、2009年で、ヒトラーの生誕120年とあります。彼が独裁者になる前の段階、青年期までが書かれているそうです。
あの子の秘密 村上雅育(むらかみ・まさふみ) フレーベル館
ふたりの小学6年生女子が登場します。クラスメイトです。
ひとりめは、倉木小夜子(くらき・さよこ)12月25日生まれ。名字のとおり、暗い性格設定になっています。学校には行きますが、しゃべらないそうです。人間よりも本が好き。マンション暮らし。どういうわけか、オスの黒猫がいつも彼女のそばにいます。黒猫の目は緑色です。ただし、黒猫は、想像上の生き物であり、実体としての存在はありません。
父の詫び状 向田邦子 文春文庫
向田邦子さん:1929年(昭和4年)-1981年(昭和56年) 51歳没 台湾で取材旅行中に航空機墜落事故で亡くなる。脚本家、随筆家、小説家 直木賞受賞 テレビドラマ脚本として、「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」
24本のエッセイ(随筆。思うままに書いた短い文章)とあとがきです。1本が10ページぐらいです。しみじみします。
ちょっとだけ 瀧村有子(たきむらゆうこ)・作 鈴木永子(すずきながこ)・絵 福音館書店
絵本です。良書です。上の子が下の子を、「ちょとだけ」お世話させてという趣旨の絵本だと思って読み始めましたが違っていました。上の子がママに、「ちょっとだけ」わたしを抱いてとお願いする物語です。
主人公は、「なっちゃん」で、うちにあかちゃんが生まれて、なっちゃんはお姉ちゃんになりました。実体験がないと書けない内容です。なっちゃんはママを赤ちゃんにとられてしまいました。だから、じぶんのことはじぶんでするようになりました。誠実な絵本です。今年読んで良かった一冊になりました。
思考の整理学 外山滋比古(とやま・しげひこ) ちくま文庫
エッセイ集です。あとがきの日付は、1983年早春です。
最初の「グライダー」を読んだところで感想を書き始めます。ことし読んで良かった一冊になりそうです。
おとうさんがいっぱい 三田村信行 理論社
1975年ころから1977年ころにかけての作品群です。5本の短編が収められています。最初に、「はじめに」があって、「ぼくの心の世界には小さな窓が一つあって……」から始まります。おもしろそう。
お伽草子(おとぎぞうし) 太宰治 新潮文庫
刊行されたのが、終戦後の1945年(昭和20年)10月です。
特殊な雰囲気がただよいます。
戦時中、空襲から避難した防空壕の中で、五才の娘に絵本を読み聞かせます。
読み聞かせながら、民話の中身を考察するという手法です。
びりっかすの神さま 岡田淳 偕成社文庫
小学生向けの本です。転校生のお話です。
木下始(きのしたはじめ):転校生。4年1組になりました。
市田先生:担任の先生
森みゆき:テストの点数が、1点でした。
坂井征二(さかいせいじ):テストの点数が、0点でした。
木下始は、転校後の教室で、透明なへんなものを見ます。体長20センチぐらいで、背中に天使の羽をつけたサラリーマン風の男性が空中を飛んでいます。
おふろだいすき 松岡亨子(まつおか・きょうこ)・作 林明子・絵 福音館書店
今年読んで良かった1冊です。こどもさん向けの絵本です。
いわゆる「ほら話」です。落語のようでもあります。
ふつうは、「うそをついてはいけません」と教えますが、物語の世界のなかでは、うそをついてもかまわないのです。むしろ、おおうそつきにならねばならないのです。その気楽さがいい。
だれも知らない小さな国 佐藤さとる・作 村上勉・絵 講談社文庫
1959年自費出版から始まった本です。
物語の中のこととして、20年前、ぼくは小学3年生8才ですから、主人公のぼくは、今は28才です。思い出の記です。
しょうがっこうへいこう 斉藤洋・作 田中六大・絵 講談社
今年読んで良かった1冊です。
小学校へ入学するこどもさんの不安を解消するための絵本です。
クイズ形式になっている楽しい本でした。
いなかっぽい絵が、地方に住む子どもにとっては身近です。
14ひきのあさごはん いわむらかずお 童心社
絵本です。14ひきののねずみがでてくる大家族のおはなしのようです。おじいさん、おばあさん、おとうさん、おかあさん、1・2・3…のじゅんばんで、いっくん、にっくん、さっちゃん、よっちゃん、ごうくん、ろっくん、なっちゃん、はっくん、くんちゃん、とっくん、ぜんいんあわせて、14ひきです。
もりのへなそうる わなべしげお・さく やまわきゆりこ・え 福音館書店
へなそうるとは? 本の最後のほうにあるページで、キリンのような姿がちらりと見えました。
表紙には、森の中にある木のそばで、兄弟らしき男の子ふたりがなにか気配があって、不思議そうな表情で立っています。
ルドルフといくねこくるねこ ルドルフとイッパイアッテナⅢ 斉藤洋・作 杉浦範茂(すぎうらはんも)・絵 講談社
2002年2月初版です。前回読んだ2作目の初版が1988年ですから、14年が経過しています。
5月から始まりました。英語の本に対する苦情があります。アイ・アム・ア・ボーイ。ぼくは少年です。そんなことは、見ればわかる。わざわざ説明する理由がわからないとのこと。
ネコであるイッパイアッテナことタイガーの飼い主日野さんは、仕事で日米を行ったり来たりしています。
累犯障害者(るいはんしょうがいしゃ) 山本譲司 新潮文庫
累犯:るいはん。何度も罪を犯すこと。「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治著・新潮新書からこの本にきました。
「安住の地は刑務所だった 下関駅放火事件」
2006年、山口県下関駅放火事件から始まります。そういえば、そういうことがありました。幸いに死者はなかったそうです。犯人は74歳150センチ台の背たけの小柄な男性で、刑務所を出所して1週間ぐらい、行くところもなく生活できず再び刑務所に入るために放火しました。シャバ(刑務所外の世界)よりも刑務所の中のほうが快適という現実があります。
幸福な食卓 瀬尾まいこ(せお・まいこ) 講談社文庫
有名な作品のようですが、読むのは初めてです。
4本の短編です。互いに関連があるのかないのかはまだわかりません。読み始めてみます。
「幸福な朝食」 2003年初出
中原家の家族の崩壊話です。父親である中学社会科教師の中原弘さん43才ぐらいが、朝食時に、「父親をやめる」と宣言します。妻は5年前に家を出ています。離婚はしていないようです。卒婚みたいなものです。
としょかんライオン ミシェル・ヌードセンさく ケビン・ホークスえ 福本友美子やく 岩崎書店
(1回目の本読み)
本屋さんでひととおり読んだ時点で、これは名作だと思いました。心優しい絵本です。
(2回目の本読み)
本を手に入れて家で読みました。
ライオンを怖い感じがする人間に置き換えることもできると思いました。
かえるのエルタ 中川李枝子・さく 大村百合子・え 福音館書店
1964年(昭和39年)の作品です。ナルニア国物語とか、うさぎを追いかけて穴に入っていく不思議の国のアリスなどの仲間で、楽しい空想物語というジャンルだろうと、読んでいる途中で思いました。今年読んで良かった1冊です。
あおい目のこねこ エゴン・マチーセン作 瀬田貞二・訳 福音館書店
両目が、どちらかといえば、水色をしたこねこの絵があります。物語は、「1のまき」から始まって、「7のまき」で終わります。1965年(昭和40年)の作品で、作者はデンマークの人で、1976年に亡くなっています。訳者の方も1979年に亡くなっています。物語の始まりは、日本昔話のようで、「むかし、青い目のげんきなこねこがおりました」から始まります。
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ 新潮社
書店で手に取って、ページを少しめくって、内容は遠い国、イギリス国のことであり、タイトルから察するとたぶん肌の色で人種差別のことだろうと、あまり身近なことではないので、そのまま書棚に戻しましたが、その後なんとなく気になり、売れている本でもあり、まずは読んでみるかと、数日後手に入れました。まだ最初のほうしか読んでいませんが、アイルランド人でカトリック教徒、現在はダンプの運転手さんと結婚された日本人女性著者が、中学生の息子さんについて事実のこととして書いてあるようです。ノンフィクションのエッセイ集です。タイトルで、イエローは、黄色人種であり、ホワイトは、ハーフによる白人であり、ブルーは通常、憂鬱なのですが、著者の息子さんは誤認していたらしく、「怒り」ととらえたのち、沈んだ気持ちと理解されています。
高齢者に「キレない」技術 川上淳子 小学館
超高齢者になると、なにをやっても許される年齢という感じになります。責めを負ってもらおうとしても、高齢であるがゆえに、どうしようもないということもあります。無理をすれば、こちらのほうが、当事者の加齢によるお世話という負担をしなければならなくなります。困り果てる現状があります。
誰にも相談できません みんなのなやみぼくのこたえ 高橋源一郎 毎日新聞出版
人生相談本です。ラジオパーソナリティとしての声を聞くことがある小説家の筆者です。ざっと勘定してみて、相談事が100本ぐらいあります。離婚歴の数が多い筆者のためか、恋愛話の相談が多い。不倫、浮気、LGBTなど。同性愛の人って案外多い。案外少数派ではないのではないか。答えは、哲学的です。他人の恋話が他人ごとに聞こえるのはわたしだけでしょうか。恋は本来『秘密』です。
生きるって、なに? たかのてるこ テルブックス
ラジオ放送でいい本だと流れていたので読んでみることにしました。
同作者の「ガンジス河でバタフライ」「サハラ砂漠の王子さま」「モロッコで断食」「ダライ・ラマに恋して」「モンキームーンの輝く夜に」「キューバ―でアミーゴ」などを読んだのは、2008年から2012年頃のことでした。内容はおもしろかった。世界中を旅する作者です。
生きることの意味を追求していく本です。薄くて小さいサイズの本ですが中身は濃い。写真絵本の構成です。言葉には気取りがなく、生身で、現実的です。大事なことが書いてある本です。今年読んで良かった1冊になりました。
派遣添乗員ヘトヘト日記 梅村達 三五新社 フォレスト出版
知的障害者施設のメンバーと日光江戸村へバス旅行に行ったときのお話にはほろりとしました。いいお話でした。今年読んで良かった本になりました。入所者たちはうれしさを全身からにじませていたあとに続く、にぎやかなカラオケ風景が読んでいて目に浮かびました。
11番目の取引 アリッサ・リングスワース作 もりうちすみこ訳 すずき出版 2020課題図書
11番目の取引だから、その前に10回取引があったのだろうと思って読み始めました。楽器を巡るお話で、アフガニスタンとかタリバンとかが関係あるようです。
飛ぶための百歩 ジュゼッペ・フェスタ・作 杉本あり・訳 岩崎書店
本の帯を見ると、視覚障害者のこどもさんのお話のようです。イタリアの児童文学作品です。
プロローグで、お父さんは眠らないとあります。なんのことだろう。
お父さんがいて、お母さんがいて、主人公の男の子が、山の中で二か月ぐらい暮らしているようです。満点の星空が輝いています。でも、この子には見えないみたい。
廉太郎ノオト(れんたろうノウト) 谷津矢車(やつ・やぐるま 男性) 中央公論新社 2020課題図書
作曲家の瀧廉太郎さんのお話しだと思って読み始めます。彼の出身地の大分県竹田市へは、高校の時に行ったことがあります。登山に行く途中で立ち寄りました。作品『荒城の月』をそこで聞いたような覚えがありますが、もう遠い昔のことなので記憶が定かではありません。同市内にあった城跡は見学したような記憶がありますが、たしか岡城というような名称でした。そちらの記憶もおぼろげです。ご本人は病気で若くして亡くなられたという知識が少しあります。春のうららの隅田川という歌詞の『花』を思い出します。
北極と南極の「へぇ~」くらべてわかる地球のこと 中山由美・文と写真 Gakken 2020課題図書
(1回目の本読み)ざーっとめくるだけで最後までいきます。本のカバーには、「北極と南極の比較」について書いてありますので、本全体が比較パターンで進行していくのでしょう。
タヌキのきょうしつ 山下明生(やましたはるお)・作 長谷川義史(はせがわよしふみ)・絵 あかね書房 2020課題図書
(1回目の本読み)
全体をざーっと流し読みしました。朝のさんぽ道で、タヌキさんたちをたまに見かけることがあります。見た目がワンちゃんのようでかわいらしい。茶色に黒の模様が入った体で、独特のユーモラスな顔つきをしています。警戒心が強いので、人が近づくと、さささーっと茂みの中へ逃げていってしまいます。
ジョゼと虎と魚たち 田辺聖子 角川文庫
先日同名の実写版映画をDVDで観て深い感銘(かんめい。忘れられないほどの心に深く刻まれた記憶)を受けました。そこで、原作を読んでみることにしました。新作でアニメ映画も放映されるようです。車いすの女性と男性の恋を描いた作品です。しみじみできる文脈でした。
青年ヒトラー 大澤武男 平凡社新書
この夏は、第二次世界大戦について、連合国側からの立場で描かれた映画を観たり、小説を読んだりしました。片手落ちではないかと思って、ドイツ国首相だったヒトラーの立場から書かれた本も読んでみることにしました。著者はドイツ在住とあります。出版された時点は、2009年で、ヒトラーの生誕120年とあります。彼が独裁者になる前の段階、青年期までが書かれているそうです。
あの子の秘密 村上雅育(むらかみ・まさふみ) フレーベル館
ふたりの小学6年生女子が登場します。クラスメイトです。
ひとりめは、倉木小夜子(くらき・さよこ)12月25日生まれ。名字のとおり、暗い性格設定になっています。学校には行きますが、しゃべらないそうです。人間よりも本が好き。マンション暮らし。どういうわけか、オスの黒猫がいつも彼女のそばにいます。黒猫の目は緑色です。ただし、黒猫は、想像上の生き物であり、実体としての存在はありません。
父の詫び状 向田邦子 文春文庫
向田邦子さん:1929年(昭和4年)-1981年(昭和56年) 51歳没 台湾で取材旅行中に航空機墜落事故で亡くなる。脚本家、随筆家、小説家 直木賞受賞 テレビドラマ脚本として、「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」
24本のエッセイ(随筆。思うままに書いた短い文章)とあとがきです。1本が10ページぐらいです。しみじみします。
ちょっとだけ 瀧村有子(たきむらゆうこ)・作 鈴木永子(すずきながこ)・絵 福音館書店
絵本です。良書です。上の子が下の子を、「ちょとだけ」お世話させてという趣旨の絵本だと思って読み始めましたが違っていました。上の子がママに、「ちょっとだけ」わたしを抱いてとお願いする物語です。
主人公は、「なっちゃん」で、うちにあかちゃんが生まれて、なっちゃんはお姉ちゃんになりました。実体験がないと書けない内容です。なっちゃんはママを赤ちゃんにとられてしまいました。だから、じぶんのことはじぶんでするようになりました。誠実な絵本です。今年読んで良かった一冊になりました。
思考の整理学 外山滋比古(とやま・しげひこ) ちくま文庫
エッセイ集です。あとがきの日付は、1983年早春です。
最初の「グライダー」を読んだところで感想を書き始めます。ことし読んで良かった一冊になりそうです。
おとうさんがいっぱい 三田村信行 理論社
1975年ころから1977年ころにかけての作品群です。5本の短編が収められています。最初に、「はじめに」があって、「ぼくの心の世界には小さな窓が一つあって……」から始まります。おもしろそう。
お伽草子(おとぎぞうし) 太宰治 新潮文庫
刊行されたのが、終戦後の1945年(昭和20年)10月です。
特殊な雰囲気がただよいます。
戦時中、空襲から避難した防空壕の中で、五才の娘に絵本を読み聞かせます。
読み聞かせながら、民話の中身を考察するという手法です。
びりっかすの神さま 岡田淳 偕成社文庫
小学生向けの本です。転校生のお話です。
木下始(きのしたはじめ):転校生。4年1組になりました。
市田先生:担任の先生
森みゆき:テストの点数が、1点でした。
坂井征二(さかいせいじ):テストの点数が、0点でした。
木下始は、転校後の教室で、透明なへんなものを見ます。体長20センチぐらいで、背中に天使の羽をつけたサラリーマン風の男性が空中を飛んでいます。
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