2018年09月06日

運動靴と赤い金魚 イラン映画DVD

運動靴と赤い金魚 イラン映画DVD 1999年公開

 89分間の短い映画です。いろいろ不可解な面もありますが、胸を打つ内容で良作です。

 最初にアラビア語が出てきて面食らいます。登場する俳優さんの名前でしょう。

 アラビアの貧しい地域で暮らす両親と兄9歳たぶん小学校3年生、妹7歳小学校たぶん1年生。妹の靴を修理してもらって兄がそれを家に持って帰る途中、八百屋さんの店先で靴を紛失してしまいます。妹は靴がないので(1足しかもっていない)小学校へ行けないと言い出します。しかたがないので、兄の履いているぼろぼろの運動靴をふたりで共用します。どういうわけか、小学校1年生の授業が先にあって、それが終わったら小学校3年生の授業が開始する時刻設定になっています。授業が終わると女児はかけっこをして家に帰る途中、待っている兄に運動靴を渡します。女児はそのあとサンダルです。もうふたりとも、走って走って走りまくるわけです。そこで、兄について、マラソン大会があるのです。3等になると賞品が運動靴です。兄は3等を目指してがんばるのです。

 兄が正直に両親に妹の靴を紛失したと言わないことが不思議です。叱られるからとか貧乏なので言いにくいとかあるのでしょうが、やはり言うべきです。妹も同様です。そのへんの親子のコミュニケーションのなさが気になりました。

 50年ぐらい前の日本の風景を見ているようでした。
 
 起承転結の転の部分で、運動靴の片足がどぶに流されたあたりが話のひっくり返しとして勢いがついたのでおもしろかった。

 教頭先生が意地悪で、児童の話を深く聞きださない姿勢が良くない。遅刻が多いからといって、教育を受ける権利を奪うことはできない。

 街並みとして、貧民街と富裕層の住む高級住宅地の比較があります。地球上のどこも形態は同じです。