2018年08月17日

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をす

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと 花田菜々子 河出書房新社

 珍しいタイトルの本です。とにかく、読み始めてみます。

 主人公は33歳女性書籍・雑貨店の店員。冒頭は主人公女子のホームレス状態から始まります。主人公は既婚者で、離婚はしていませんが、別居です。舞台は横浜。子どもはない。そして作者自身のノンフィクションで事実に基づいています。
 出会い系サイトで会った男性に肉体関係抜きでその人に合う本を紹介するという不思議な内容です。当初は健全さを出していますが、最終的な男性の目的は主人公の体です。実体験に基づくものとあるのですごい覚悟を感じます。本を書くため。お金のため。32ページまで読みました。主人公が相手に勧める本は、書名も作家も知らない人ばかりです。2013年(平成25年)1月からスタートして2017年(平成29年)までの期間のことが書いてあります。70人こなすとそれぐらいの期間がかかるのでしょう。(あとで気が付きますが、行動自体はタイトルにもあるとおり1年間のことでした)

(つづく)

 「X」のサイトを通じて男性と出会う。SNSの世界です。健全に集うように書いてあるのですが最近起きた誘拐殺人事件を連想し闇を感じます。
 
 相手は独身男性ばかりではありません。既婚者もいます。そして、女性もいます。

 作者はかなりユニークな人です。どうして、どのようにして、別居された男性と結婚したのかは書かれていませんが平凡な主婦ではありません。SNSでの自己アピール文が異様です。初期のときは「セクシー書店員」とあります。それを読んだほうは、あとあと、暴力を伴う男性が登場するとか、金銭要求があるかもしれないとか考えてしまいます。

 ヴィレッジヴァンガードという店で働いていて友人関係になった吉田さんとの交流がきっかけで、この本の内容が芽生えています。

 作者の勧める本を見かけたことがありません。ヴィレッジヴァンガードには何度か行ったことがあります。風変りな店だという印象があります。方向性が大衆向きではなくマニアックだと感じました。紹介があるこういう本の情報を作者がどこで手に入れるのかわかりません。

 半分ぐらい、111ページぐらいまできて、なんだか飽きてきました。書き方がワンパターンに近い。時系列的に説明が続きます。

 たくさんの本の紹介がありますが、わたしはそのうちの1冊しか読んだことがありません。サブカルチャー(独自な信条をもつ人々の独特な文化)が担当領域のような記述がありました。

 サイト「X」で、身分を明らかにして、30分間の出会いで、自分が相手から何かを得て、相手には何かを提供するシステムです。
 当初は数年間関与したと受け取りましたが読み終えてみると初期の目的を達成したということで、1年間で脱会されているようです。

 印象に残った部分として、「印象に残る1年後の自分」

 作者は若いので頭の中にある知識とか記憶が短時間で瞬間的に出てきます。歳を重ねるとそれができなくなります。忘れてしまいます。

 自らをさらけ出すのが、作家の宿命です。

 読みながら、途中、だれと会って、どんな本を勧めたのかを記録していましたが、220ページに一覧がありました。わかりやすくていい。

 調べた単語などとして、「マッドシティ:ファミコン用ソフトとか洋画のようですが、この本での使い方はよくわかりません。東京はおもしろマッドシティとあります」、「Sというバル:Sは店名の頭文字でしょう。バルは、食堂とバーが一緒になった飲食店」、「岡崎京子の漫画」、「ルノアール:喫茶店名。まじめで高級みたい」、「横浜のコワーキングスペース:IT機器持ち込みで、席で仕事ができる飲食店と理解しますが、書中では、レンタルオフィスのようです」、「人狼ゲーム:村人に化けたオオカミが出てくるゲーム」、「仕事のプライオリティ:優先度(重要度を優先するわけではない)」  

Posted by 熊太郎 at 05:59Comments(0)TrackBack(0)読書感想文