2014年03月12日

母さんの「あおいくま」 コロッケ

母さんの「あおいくま」 コロッケ 新潮社

 熊本県出身本名滝川広志さん、物まね芸人コロッケさんの手記です。出だしは強烈です。生まれたときに父親はいなかった。死別か離別かさえわからない。貧乏で、夕食がお菓子のあられだったこともある。読み進めると、医療費がなく、耳が痛いのをがまんしていたら中学2年生のときに耳の手術をしなければならなくなり、術後から右耳が聞こえなくなった。今も聞こえない。自分にも記憶がある昔の貧乏暮らしです。同世代なので共通体験も多く共感しました。
 タイトルにあるとおり、「母さんの」ですから、いささかマザコンぽく、母親への感謝のメッセージを「あせるな・おこるな・いばるな・くさるな・まけるな」の教えをとおして、手記が形成されています。前半は教訓っぽく、面白みに欠けるのですが、やがて、親の立場で読むようになると、じんとくるものがこみあげてきます。
 お姉さんの影響がけっこう大きい。彼自身には、周囲の助けを得られる人徳があります。まだ十代だった頃、物まねをして、「お代(だい)はよかよ(代金はいらない)」は、人情話でほろりとくるものがあります。
 きゅうりが1本、弁当に入っていた話には笑いました。そんな下地があって、彼の天才ともいえる才能とにじむような努力が結実します。
 親に感謝しつつも、親の世話よりも自分の夢の実現に向かう時期があります。親から見れば、それでいいのです。親の世話よりも自分のこと、子ども自身の家族のことを優先してもらえば、親は満足です。
親は子に対して常に封建的です。安全で無難な人生を送って欲しいからです。自分のような苦労体験をさせたくないのです。
前半にあったあいさつ話がよかった。あいさつをしない人が増えました。感じが悪いです。
 あおいくまの「まけるな」は、人に負けるなではなく、自分に負けるなという解釈も良かった。
 仕事が無いときには、次の仕事に備えて勉強しておくという心構えは、今、職のない人にとっては、励ましになる言葉でした。


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