2013年03月24日

奇跡のリンゴ

奇跡のリンゴ 石川拓治 NHK製作班

 青森県リンゴ農家木村さんの言葉を拾い読みしました。馬鹿だから生きていける。笑うことで生きていける。りんごの樹(き)に自分で生きていくように仕向けていく。農薬の力に頼らずに山野の樹木のように育っていく。それは周囲との協調があって成り立つ。虫も鳥も動物も互いが生命を維持していくために存在している。
 家族や親族に借金で迷惑をかけて、ようやくたどりついておいしいりんごをつくった。だけど、りんごは売れない。後半にある大阪駅の駅員さんとのやりとりとか、大阪城公園の自由市場での柿農家との出会いをきっかけにしたファンの広がり部分は感動に値(あたい)します。
 44ページにあるタヌキ話はあたたかい。害獣、害虫に愛情を注ぐ。50ページにある本との出会い話もいい。有機農法とは農薬の代わりに昔ながらの人糞を使用するものという思い込みがありましたが違っていました。土とか木の根にこだわりがあります。実験、知恵、根気の繰り返しで、たくさんのりんごの木を枯らしながら10年近くかけて笑顔にたどりつきます。親族からの借金話は身にしみます。
 木を始めとした植物と会話をする木村さんは素敵です。太古のりんごと農薬でつくられた現在のりんごとはまったく別の果実だそうです。味がおおきく変化しているそうです。当初、木村さんのりんごはピンポン玉ぐらいの大きさでした。でも食べるととてもおいしいのです。

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