2012年07月29日

パンケーキをたべるサイなんていない? アンナ・ケンプ 



パンケーキをたべるサイなんていない? アンナ・ケンプ BL出版

 パンケーキもサイも身近ではありません。パパもママもちっともデイジーの話をきいてくれないからはじまります。おとなである親に読んでほしい絵本です。こどもの声に耳を傾けましょう。
 デイジーのパパとママは、娘の話を聴かずに何をしているのだろう。仕事か。ママは家で足をのばしてパソコンを打っています。パパは洗濯かごをかかえて階段を下りてきます。こどもにお金だけ渡して育児をしない親が増えました。こどもは自分勝手で、がまんができない性質を身につけて体だけが大きくなっていきます。仕事いちずだったらこどもはつくらなければいいのに。(あまり書くとお叱かりがきそうなのでここまででやめておきます。)
 さびしいデイジーは、おおきな紫色のサイが見えるようになります。心の病気になったのだろうか。幻覚(げんかく、ないものが見える。)です。あとで、パパとママにも見えることがわかりました。
 ページをめくっていたら「トトロ」を発見しました。うれしい。サイを見ていたらサイが自分に見えてきました。(体格が似ている。)自分はサイで、デイジーとおしゃべりしているような気になってきました。サイのくせは、デイジーをくすぐることです。デイジーを笑わせたい。
 サイはアフリカの家族と離れてひとりぼっち。さびしい。デイジーもひとりぼっち。さびしい。さびしいものどうしが仲間になりました。
 どうしてサイは紫色なのだろう。ほかの色も考えただろうに。どうして、どうして、なんだか自分が幼児になった気分です。絵はなかなかいい。それぞれの形と色塗りは、手を抜いてリラックスしているようで几帳面に描かれています。細かさとゆるさのバランスが抜群で光っています。ママはやせているかと思っていたら太っていました。そのようでそのようでない、外国の雰囲気がただよう描き方です。おおらかです。色あいは視界に飛びこんでくる明るさがあります。
 人も動物もいるべき場所へ帰る。サイは家族のいる国へ帰ります。ラスト2枚の絵がおもしろい。うれしいショックでおわります。そして、気持ちが落ち着きます。
 

 これで、課題図書を全部読んで全部の感想文を書き終えました。そのうちの何冊かはまた読んで感想文を書き足すでしょう。宿題の感想文を書けなくて悩んでいたら書くヒント(きっかけ)にしてください。そのまま真似してもばれます。
 本読みが好きなので、いちどに何冊も同時進行で読みます。いまはほかに3種類の本、そのうちひとつは複数の地図ですが、読んでいます。そちらもまたいつか感想文をアップします。

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