2012年06月27日

ふたりの薄毛物語 春原弥生

ふたりの薄毛物語 春原弥生(すのはら) 文藝春秋

 ほかの人と同じが安心感につながるということがあります。全員が薄毛だったたら毛がある人のほうが悩みます。
 タイトルにあるふたりは、ふたりのハゲの人ではなく、ハゲのご主人とその奥さんというふたりを表しています。奥さんは、薄毛男性が好きな人で、この本の作者でもあります。奥さんは、ご主人であるタカさんがハゲを隠さない潔さに人間としての魅力を感じました。タカさんはふたりが出会った当時、ハゲを笑いのネタにしています。
 ところが、ご主人は最初から堂々とした態度ではありませんでした。ハゲに悩みハゲを隠そうとたゆまぬ努力を積んでおられた過去という歴史が紹介されています。その点で、この本はハゲの人にとって、癒(いや)しの本となりえます。こそこそと悲観に暮れるご主人の姿を見せられると、開き直って丸刈りにすればよいのにと思います。
 ハゲにもいろいろあって、ご主人は特に若ハゲを苦にしておられました。毛があるなしで性格が明るくなったり暗くなったりするようです。恋のうえで髪は重要なようです。結婚してしまえばいいと思うのですが、未婚だとやっぱり苦になるのでしょう。人間ってむずかしい。

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