2012年06月10日

日本人は永遠に中国人を理解できない 孔健


日本人は永遠に中国人を理解できない 孔健(こうけん) 講談社+α(アルファ)文庫

 読んでよかった1冊になります。日本人と中国人を比較して、日本人を痛烈に批判する内容となっています。主にビジネスの世界での有様(ありよう)が書かれています。著者が孔子の子孫というところが魅力のひとつです。1996年が単行本の発行ですので、いまから16年ぐらい前の本となります。たいへん読み応(ごた)えのある内容となっています。
 著者は「比較」に関する興味と分析が得意な方です。日本人と中国人を比較して、農耕民族と騎馬民族、島国と大陸、畳の生活と椅子と机の生活、日本語文法と英語方式の文法である中国語、あいまいな意思表示と明確な意思表示などの表現で、中国人から見た日本人の奇妙ともとれる行動様式や生活形態を指摘しています。
 わたしが北京に行ったときに感じたのは、中国は建物が石でできた地域、日本は木でできた地域というものでした。加えて、門が多いのが中国、お堀で囲むのが日本でした。顔や姿は似ていても、中国の人は洋式の暮らしであり、あぐらをかくことはしないとか、あぐらはかけないとかには驚きました。両者は全然違う民族なのです。
 日本人は平和ぼけしているとか、日本人は国際社会を日本人の基準で判断するとか(悪い意味で指摘してあります)、明日のことしか考えないのが日本人、中国人は10年後、100年後のことを考えている。日本人は安い中国の労働力や作物・物品を手に入れて中国人を食いものにしている。日本人は、共存共栄ではなく、自国民だけがよければいいという考えをもっている。著者の言葉を借りるなら、日本人と中国人は正反対なのです。世界の中で、日本人という民族は特殊なようです。
 中国は法治国家ではない。社会主義国家であり、人治国家で、権力をもった人間の考えで社会秩序が決まっていく。毛沢東と鄧小平(としょうへい)の比較論も読んでよかった部分でした。
 この本は悩める人へのカウンセリング本になりえます。中国人のような意識でいたら、世の中を強く生き抜いていくことができます。人を信用しないのが中国人と本書中のいたるところで断定してあります。それは心の強さにつながっていきます。世界中の4人に1人が中国人という文節からは、中国人パワーの大きさがわかります。

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