2012年06月02日
60歳でボケる人 80歳でボケない人 フレディ松川
60歳でボケる人 80歳でボケない人 フレディ松川 集英社文庫
お寺さん参りをしていて、境内に架けてあるたくさんの絵馬をながめることがあります。学校や就職の合格、恋愛と結婚、健康、家族円満などの願い事が多い中、ときおり見かけるのが、おじいさんに対するお願いごとです。「怒りっぽいところを治してほしい」とか「人の悪口ばかり、言わないで」とか、なかなか深刻なようで、この世から消してくださいみたいな絵馬を見かけたこともあります。
わたしも身近な人たちの悪口とお金の話しかしないお年寄りは苦手です。じぶんは、そうなりたくありません。同じことを長時間、一方的にまくしたてる人。軽い認知症なのでしょうか。彼らのお話は堂々巡りで論理的ではありません。どんな環境におかれても不平不満が尽きません。そして明解な解決策もみつかりません。
しあわせそうな家庭の未来に認知症が待ち受けています。この本ではお年寄りになるための助走を勧めています。実際50歳を過ぎれば、人生は健康にしても経済的なことにしても下り坂です。以前受講した老齢に向かうための準備講座では、できるだけゆるやかな下り坂にしましょうと習いました。急な坂道になることを避ける。ましてや崖であってはいけない。
この本では、ボケ防止のためのあれこれの手法が紹介されています。いままでに言い尽くされてきたものも多く再確認になります。長年続けてきた生活習慣を変えることはなかなかむずかしい。どうやってもぼける人はぼけるという、自分自身の結論に達しました。悪い生活習慣はストレスが原因です。悪い生活習慣を改めるためには、ストレスの発生源である仕事を辞めて健康づくりに専念しなければならないのですが、それでは生活ができかねます。177ページに、ぼけにくい職業がイラストで掲載されているのですが、ぼけは避けられても別の病気になりそうです。
年金が入るからいいやという人はぼけやすい。わたしは、その部類です。定年がゴールと思っている人がぼける。やっぱりわたしはその部類です。60歳を過ぎて大企業の社長職を務めておられる方はすごい人だと驚嘆します。
ぼけたあとの対応が大事なのですが、肝心の本人がぼけていて対応できません。
184ページまできて、それまで作者は女性だと思っていたのですが、どうも男性のようです。
248ページに自分が稼いだお金は子息に残さず自分が楽しむためにこの世で使い切りましょうみたいな記事があります。わたしも以前、人間は自分が自由になるお金がいったいいくらあったら満足できるのだろうかと考えたことがあります。最初は数千万円単位なのですが、だんだん精査していくと、結局数十万円でこと足りるという結論に達しました。お金がありすぎると人間は働かなくなります。働かなくても生活できる環境は意外に不幸な環境です。
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