2012年05月31日

ドラマチック・チルドレン 乃南アサ


ドラマチック・チルドレン 乃南アサ 新潮文庫

 実話を仮名でドキュメンタリー化してあります。登校拒否、家庭内暴力を振るう少年少女を15名ほど預かって社会生活に適合できるようにするための家「はぐれ雲」について書かれてあります。舞台は富山県、家主は川又夫婦40代です。こどもたちは、農業に携(たずさ)わりながら社会復帰を目指します。
 なんとも重苦しい内容です。この本を読むと、こどもはいないほうがいいとまで思わせてくれます。出口が見えない事例が多い。やってもやってもうまくいきません。この世に、完全な人間はいないという感が生まれてきます。
 自分が生活してゆける場所を探す。居場所探しの人生の旅でもあります。こどももこどもなら、親も親という面があります。母子分離が必要な親子もあります。そもそもこどもをつくってはいけない人だったと考えるのは極端だろうか。
 考えない受身のこどもたちがいます。何をするにしても質問してくる。逆に質問すると「わかりません」しか返ってこない。わからなくて、次の動作に移れない。
 23ページにある「こどもに強烈な人間不信がある」は心に刻み込まれました。この共同生活の動機は、川又氏のボランティア活動がきっかけで、高校時代の恩師から言われた落伍者をどうにかすることが教育だという言葉から始まっています。ただ、読んでいると、どうにもならないのではないかと行き詰まってしまいます。まず、基礎学力のないこどもは、年齢が何歳であっても、文字の読み書きから始めていかなければなりません。道は遠い。


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