2012年05月11日

座頭市物語 映画

座頭市物語 映画 ケーブルTV録画

 90分程度の白黒で古い映画ですが感ずるところは際限なくありました。人間は生まれながらに「悪」をもっているという性悪説に基づく物語設定です。展開においては、悪が悪を払うのです。力の強い者が勝ち残る。博打(ばくち)と金、そしてかけひきの世界です。
 劇中で純真なのは悪党の妹おたねとお寺の小僧です。内容は第二次世界大戦という戦争を引きずっています。江戸の時代劇とはいえ戦後10数年しか経過していない時代背景がただよっています。
 日本刀による斬り合いは瞬間で勝負が決まります。今読んでいる「野いばら」梶村啓二著では、幕末から明治維新にかけての外国人日本滞在者と薩摩藩ほかの刃傷沙汰(にんじょうざた)が記されています。外国人から見て、侍による瞬間的な刀さばきと殺害するための急所(きゅうしょ、そこを斬られると死す)斬りは最小限の傷で目的を達成する脅威ととらえられています。百田尚樹著「影法師」でも、傷は浅く切って死に至らしめると記されていました。ズバンズバンと大きな擬音をたてて大立ち回りをするのは刀による闘いの本物ではないのです。古い映画では殺傷時の擬音はありません。無音です。
 女性差別、障害者差別のオンパレードでDV(ドメスティックバイオレンス、親族間の暴力)もあります。そんななか、座頭市と敵方用心棒であるひらてさんは、正々堂々と闘うのです。短い映画ですが中身は濃い。座頭市は正義の味方で、かつ武力をもっています。かっこいい。クールです。


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