2011年09月05日

下町ロケット 池井戸潤 

下町ロケット 池井戸潤 小学館

 全体で407ページの小説です。104ページまできました。今、同時進行で4冊の本を読んでいます。こんがらがるまえに感想を書き始めます。東京都大田区にある中小企業佃製作所が主役です。
 佃製作所のエンジン「セイレーン」を積んだロケットが種子島で打ち上げ失敗に終わります。時は経過して、ロケット打ち上げ失敗の責任をとって宇宙開発機構を辞職した佃航平は家業の佃製作所を継いでいます。大手メーカーナカジマ工業が佃製作所のロケットエンジン「ステラ」について、言いがかりともいえる内容で特許侵害だと訴えます。佃は風評被害に遭います。もともと資金繰りが悪化していたところにきて銀行から追加融資を受けることができません。物語は、弁護士対弁護士の戦いの要素もあります。
佃航平(つくだ)社長43才(離婚、娘利菜・私立中学2年生、母和江と同居。妻は和泉沙耶・大学研究者・今は外国居住)
神谷修一(佃側弁護士・元々は相手方ナカジマ側弁護士だったが袂(たもと)を分けた。)
中川京一(ナカジマ側弁護士)
以下佃の社員として、殿村直弘経理部長(銀行からの出向)、山崎38才技術開発部長、津野38才営業第一部長など。まず、読書が仕事の延長になってしまいます。癒(いや)されません。展開の先読みをしてみる。このままでは、佃製作所は倒産する。相手方から和解案の提示があって、佃は買収されて、ナカジマ工業に吸収合併されるだろう。文字を追い続ける。予測したとおりの記述になっている。
 悲しい言葉として、「カネは人を変える」。「愛」とか「誠実」とか「良心」とかがなければ栄光と平和と安定は長続きしない。
 絶対不利の状況に合って、神谷弁護士は勝訴のポイントをどこにするのか。(作者はポイントをどこにもってくるのか)
 以上が、これからの本読みの楽しみです。

(その後)
 読み終えました。宇宙飛行士たちの実寸代の暮らしぶりを紹介した本として、女性宇宙飛行士の夫、向井万起男さんの「君について行こう」と「謎の1セント硬貨」を読んだことがあります。優雅にのびのびと暮らしている宇宙飛行士たちは、研究開発者や業者間でこのような泥仕合が繰り広げられていることを知らないでしょう。暗澹(あんたん)たる気分になりました。にっこり笑って人を斬る(解雇する、降格人事をする。)部長さんとか、中小企業の従業員をないがしろにする大企業の役職者とか(現実にはそういう人には務まりません。賢い人は下の者を大事にします。)、不安や恐怖が錯綜するサスペンスです。168ページ以降の後半は別の小説になります。帝国重工対佃製作所になります。
 以下は散文になります。
 企業は優秀な頭脳がほしい。
 佃航平の娘、中学2年生利菜の扱いはうまくない。
 だれも損をしない世の中はない。
 外資がらみのおとり話を「舞台装置」と表現するあたりは光っている。
 最後のエンジンの名称「モノトーン」は暗い。


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