2010年06月20日

普通の人々 DVD

普通の人々 DVD

 原作タイトルは”Ordinary People”ですが、映画を見ながらこれは、「平凡な家族」と日本語訳をすることが適切だと感じました。夫と妻と高校生ぐらいの息子の三人家族です。彼らの願望は、平凡な家族になることなのです。そのためには、互いを気づかうささいなことを積み重ねていくのです。
 理屈っぽい映画です。30年前のものになります。息子はふたりいたのですが、長男バッグと弟コンラッドはヨットで遭難し、兄バッグは亡くなったのです。母親は兄のバックが大好きでした。そして母親は、弟を好きではありませんでした。弟である息子のコンラッドはリストカットの自殺を重ねます。父親である弁護士のカルビンは世帯主としての責任を果たそうと努力しますが、世間体を気にしたもので家族への愛情は薄い。
 主役は妻であり、母親のベスです。自己中心的で頑固です。この世界に存在しているのは自分ひとりだけです。女性の性質を典型的に表す象徴だと感じました。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、わたしはわたし、何を言われようが変わらない。自分だけが苦しんでいると思い込んでいるのです。彼女は、事故で長男を救えなかった次男を許さない。
 暗い映画ですが、いくつかのほっとするシーンはあります。次男は、救いようの無い生活の中で音楽を通じて女性に出会います。恋です。
 何度も登場するシーンとして、精神科医バーガー博士と息子コンラッドの診察室でのやりとりがあります。煙草、ダイヤル式電話機、その他のシーンで出る、葉巻、バーティ後の飲酒運転、どれも、今の時代には希少なものです。そして、古いファッション。なつかしいけれどもう昔には戻れない。
 次男、コンラッドはボート事故で兄を救えなかったから、今、水泳教室でがんばっているのだろう。人前で、大声で口げんかを繰り返す夫婦は見苦しい。しかも喧嘩の内容は、死んだ息子のことです。相手を槍で突き刺すような会話が続きます。だれも譲りません。生活していれば事故で悲劇に巻き込まれるのは世の常です。たしか他の映画でこんな言葉がありました。人生は何が起こるかは問題ではない。何が起こっても対処できるように日頃から自己研鑽に励む。
 娯楽ではなく人間の性質をみつめるための映画です。


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