2023年08月03日

どんぐりむらのぱんやさん なかや・みわ

どんぐりむらのぱんやさん なかや・みわ作 学研

 表紙のカバーの一部分を切り取って組み立てるとお人形さんあそびができるようです。どんぐりのキャラクターとぱんやの店舗がつくれます。ぱんやさんごっこです。

 絵本の中には、どんぐり新聞とか、広告パンフレットがはさみこんであります。学研らしい手法の売り方です。おまけで購買意欲を誘います。わたしはこういうやりかたは好みません。絵本なら絵本本体の中身で勝負してほしい。

 表紙をめくって、絵がかわいい。
 こどもさんに好かれるでしょう。
 ぱんやは、朝が早い。
 どんぐりのかぞくがぱんやをいとなんでいます。
 ぱぱとままが朝早くからぱんをつくっています。

 ほんわかとした世界です。
 やさしい世界です。
 茶色がベース(下地したじ)の絵の色合いがいい。
 働くぱぱとままですから、ちびっこふたりは保育園に通っています。
 この絵本は、両親が働いているこどもが読むと、こどもさんに実感がわく絵本です。

 この絵本の特徴は、文章運びとか、ストーリー展開よりも、絵の描写に力が入っている絵本と感じられます。絵が生き生きとしています。

 両親が共働きだから、家族メンバーにとって、思いどおりにならないこともあります。
 予定していた遊園地遊びに行けません。

 新しいぱんをつくる話がでます。
 新しいぱんづくりはうまくいきません。
 なんというか、ものごとというものは、新しいから、いいというものでもありません。
 新しいから、いいと考えるのは勘違いのときもあります。
 昔からあるものを未来に向かっても続けていくことが、いいこともあります。
 先日観たテレビ番組『出川哲郎の充電させてもらえませんか?』では、江戸時代以前、戦国時代の400年以上前から続いているおもちの和菓子が紹介されていました。たしか『うばがもち』という滋賀県のものでした。心のこもった一品(いっぴん)をそのまま続けていってもいいのです。

 両親にだまって、新しいぱんづくりをするこどもたちですが、両親にだまっていては、うまくありません。脳みそのなかにあることは、なるべく言葉に変えて、口から声を出して、相手に伝えるようにしたほうがいい。だまっていると誤解が生まれて人間関係がうまく運ばなくなります。

 どんぐりが、ぱんをつくるという設定はかわいらしくていい。

 さいごにできたあたらしいぱんの絵を見てびっくりしました。
 さきほど書いた『うばがもち』に似ています。
 やはり、いいものは同じ形に落ち着くのです。

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