2023年05月01日
方舟(はこぶね) 夕木春央
方舟(はこぶね) 夕木春央(ゆうき・はるお。男性) 講談社
方舟(はこぶね)で思い出すのは、ノアの方舟です。洋画を観たことがあります。
帆船のような進む船ではなくて、まさに『箱の舟』で、生き残るために、ただ海に浮かんでいるだけの船でした。
こちらの本では、表紙をめくって数ページあとに旧約聖書の記事が出てきました。
本の帯を読むとホラー(恐怖)小説のようです。
本屋大賞の候補作でもあります。(大賞は別の作品が受賞しました)
友人がいて、従兄(いとこ)がいて、柊一(しゅういち)がいる。
山奥に地下建築物がある。
地下建築物に家族がいる。
地震が起きる。
扉がふさがれる。
水が地下建築物に流れ込み始める。
地下建築物である『方舟(はこぶね)』はいずれ水没する。
殺人が起きる。
だれかを生贄(いけにえ。犠牲ぎせい)にすればほかの人たちは脱出できるそうです。
タイムリミットは1週間だそうです。
なんだか、恐ろし気な(おそろしげな)物語が始まりそうです。
301ページあります。
さあ、読むぞ!
自分は、いけにえとして、だれも死なないという展開を予想しました。(はずれました)
(つづく)
地下建築物です。(貨物船のような地下建築物)
地下1階なれど、地下1階が地下10m近い位置にある。
建物には、地下2階と地下3階がある。
地下1階にある部屋は120号である。(1階の20号室だろうか(当たっていました。28ページにあるレイアウト図を見つけました))
地下3階から水の音が聞こえる。(水がたまって、やがて水槽のように水がたまって皆殺しだろうか)
登場人物です。メンバーは、翔太郎を除いて、都内の大学の登山サークルでいっしょだった。
① 絲山隆平(いとやま・りゅうへい):レスラータイプの体。スポーツジムのインストラクター
② 絲山麻衣(いとやま・まい):絲山隆平と夫婦(しかし、夫婦には見えない)。幼稚園教師
③ 高津花:女子。蛍光色の登山服を着用。事務職。小柄でボブカット(おかっぱの髪)
④ 越野柊一(こしの・しゅういち):スマホを持っている。この物語の語り手。主人公。システムエンジニア
⑤ 西村裕哉:裕哉が父親の別荘をみんなに提供した。地下建築物は別荘から歩いていける距離にある。裕哉がなにかをたくらんだのではないかと自分は思う。裕哉は、アパレル(服飾)関係の仕事をしている。
⑥ 野内さやか:女子。ウォームブラウンの髪(明るい茶褐色。暖色系)。ヨガ教室で受付担当
⑦ 篠田翔太郎:柊一のいとこ。五年前に叔母から相当の遺産を相続した。無職。投資家。縦じまのセットアップスーツを着ている。(上着とパンツが異なる)ほかのメンバーより三歳年上。身長は高い。
ここまで読んできて、おもしろそう。
読んでいるわたしには、今いる7人が、近ごろよく耳にする闇バイトのメンバーに思えます。
地下建築物の中から、特殊詐欺(とくしゅさぎ)の電話をかける『かけ子』のバイトではなかろうか。
(違っていました。特殊詐欺闇バイトのメンバーなら、おもしろいのに)
こちらのメンバーは、大学時代の友人たちによる同窓会のようなものらしい。
午後4時48分、地下建築物を発見しました。
(つづく)
地下建築物の出入口は、直径80cmぐらい。マンホールみたいなふたがある。
穴はたて穴、はしごのようになっている。
途中に大きな岩がある。岩には、太い鎖が巻かれている。(いざというときに、地下1階の扉をふさいでバリケード(防壁)になることがあとでわかる)
発電機がある。
地下1階に複数の部屋がホテルのように配置されている。合計で20部屋ある。
地下2階にも20部屋がある。
(読んでいて、核シェルターのようだと思いました)
(昔あった、赤軍派のあさま山荘事件を思い出しました。1972年2月(昭和47年)人質立てこもり事件)
209号室に拷問道具あり。(ごうもんどうぐ)
地下3階は水がたまって水没している。水の中に、鉄筋や鉄骨が見える。
(こどものころに遊んだ山に掘られた横穴式防空壕(ぼうくうごう)を思い出しました)
地下建築物の図面あり。タイトルは『方舟(はこぶね)』
構築物において、出入口の反対側に『非常口』あり。出入口と同じく、上げふた方式。出入口と非常口の間は100mぐらい。
(本には、新興宗教の修行施設ではないかと書いてあります。ノアの方舟(はこぶね)からきているのでしょう)
外出したい。穴から出て、外部と連絡をとりたい。花と裕哉とさやかが外に出ました。
3人が6人になって戻って来ました。
3人連れの親子が加わりました。
父 矢崎幸太郎:五十代。白髪交じりの角刈り。太い黒縁メガネ。電気工事士。地元住まい
母 矢崎弘子:小太りでショットカット
息子 矢崎隼人(はやと):中学生ぐらい見えるが、高校一年生
家族はきのこ狩りに来て道に迷った。
メンバーは10人になりました。
(つづく)
三人の矢崎ファミリーが地下建築物に泊まるそうです。
(変です。地元の人ならなおさら、自宅へ帰ります)
登場人物がたくさん出てきました。
ようやく、みなさんの名前ほかを把握しました。
まだ42ページ付近にいます。
以前読んだ『硝子の塔の殺人(がらすのとうのさつじん) 知念実希人(ちねん・みきと) 実業之日本社』の雰囲気と似ています。硝子の塔(ガラスのとう)が、密室殺人事件の場所でした。
午後9時すぎ。
花とさやか寝る。西村裕哉寝る。絲山隆平と絲山麻衣寝る。
食堂に残ったのは、越野柊一、篠田翔太郎
トランシーバーアプリ:スマホ同士でトランシーバーのように会話ができる。越野柊一と絲山麻衣の間でできる。昔、みんなでアプリをスマホに入れた。今も入れているのは、ふたりだけのもよう。
(つづく)
地震が起きるわけですが、ふつう、地下構築物は地震の揺れに強いと聞きました。
こちらの方舟は、(はこぶね)壊れません。
しかし、地下1階出入口付近に置いてあった大きな岩が地下1階の扉をふさいでしまいました。
非常用の出入口につながっている通路は、水没している地下3階にありますし、メンバーが出られません。ピンチです。
205号室:資材置き場
207号室:倉庫。工具が置いてある。のこぎり、金槌(かなづち)など。
209号室:拷問道具が保管してある。
午前6時13分。
西村裕哉がいない。
地下水が少しずつ上昇してきていることがわかる。(絶体絶命のときに湧水がストップするという結末が瞬間的に頭に浮かびました。さて、当たるだろうか?)(はずれました)
そして、もうひとつ『方舟の配置図(構造図)』は、正しいのだろうか。(正しくない。誘いのしかけが隠されているかもしれないと思いつきました)(正しかった)
ひとり死にました。(殺害されているそうです)
(つづく)
68ページまで読んで、設定として、いろいろ不自然な話がある内容だなという気分です。
人間はそのようには動かない。
殺された人間の死因は絞殺でした。絞殺:物で首を絞める。扼殺(やくさつ):手で首を絞める。
犠牲者とか生贄(いけにえ)の意味:助かるためには、誰かが出入口をふさいでいる大きな岩を地下二階に落とす作業をしなければならない。しかし、作業をした人間は、地下二階にある空間から脱出ができなくなる。そういう意味だということがわかりました。立候補がなければくじ引きです。地下水が上昇してきて脱出ができなくなるまでの猶予は1週間弱です。さしあたって、ひとりの人間を殺した犯人がいけにえの候補です。
(読みながらの結末として、全員が助かるのではないかという予想が自分に生まれました。そして、殺人犯人は、いままで登場した人間のなかにはいないのではないか)
探偵役は、主人公越野柊一(こしの・しゅういち)のいとこ篠田翔太郎です。
読み手の自分は、殺人の動機がわかりません。
うらみが動機なのか。
205号室にビニールテープがあった。
215号室に工具箱があった。
ダイビング機材が見つかったが使用できない状態になっている。タンクを背負えない。
ベンチレーター:換気装置
117号室:絲山夫婦の部屋
殺された人間がもっていたポテトチップスがほしくて、もめる人間がいます。
不思議な状態です。
自分たちが、一週間後に水没する地下構築物のなかで死ぬかもしれないというのに、睡眠時間をきちんととるメンバーです。
ふつう、眠らずに、脱出するためのなんらかの作業を続けます。ここで、死んでもいいと思う人はいません。
矢崎三人家族になにか秘密があるのか。
野内さやかが、この建物の写真をスマホで見たことがあったそうです。
115号室にいた野内さやかと高津花だが、野口さやかがその部屋を出て、108号室に引っ越した。高津花がひとりのほうが落ち着くという言う。
108号室の前で、野内さやかが高津花に黒っぽいものを渡した。
チリコンカーンの缶詰:ひき肉玉ねぎ炒め。インゲン豆、トマト、チリパウダーなどを混ぜる。メキシコ起源のアメリカ合衆国料理
殺されないために集団でいたほうがいいのに、個々に別れるということは、自分は殺されることはないという自信があるということなのではないだろうか。
数人がグループになっていて、ひそかに、うらみをもつ相手をこの世から消去しようとしているのではなかろうか。動機は何?
(つづく)
読み終えました。
なかなか良かった。
とりあえず、121ページ以降の感想を順番に書いてみます。
死体の数が増え続けます。
殺人の動機がわからない。(最後の最後までわからない)
『方舟(はこぶね)』のイメージをどうとらえるのか。
スマホのことがいっぱい書いてあります。
スマホを探すメンバーのなかに殺人者がいる。
レギュレーター:ダイビングの機材。呼吸するための機材
ウェーダー:胴付長靴
パスコード:パスワード
現実味のない設定なので、推理だけを楽しむ本です。
犯人はだれか、殺人の動機はなにか、殺人の手法はどのようにやったのか、そして、地下からの脱出はどうなるのかです。
256ページ付近の記述では、『君』とか『ちゃん』の敬称はないほうが読みやすいです。
ふむ。そういうことか。犯行に使用した道具から犯人をあぶりだしていく。
迂遠(うえん):遠回り。道が曲がりくねっている。
なんというか、犠牲者をひとり決めるわけですから、関係者全員が人殺しみたいなものです。
見殺しです。
蹲る:うずくまる
そうか。傑作です。
気持ちがスカッとしました。
たいしたものです。
うまいなあ。
人間の本心をじょうずにあばきだしてあります。
妥協を許さない姿勢が良かった。
人間というのは、自分の幸せしか考えていない生き物である。自分がこの本を読んで感じた、つくり手からのメッセージです。
人間が個々の深層心理の奥にもつ『悪意』をあぶりだす作品でした。
方舟(はこぶね)で思い出すのは、ノアの方舟です。洋画を観たことがあります。
帆船のような進む船ではなくて、まさに『箱の舟』で、生き残るために、ただ海に浮かんでいるだけの船でした。
こちらの本では、表紙をめくって数ページあとに旧約聖書の記事が出てきました。
本の帯を読むとホラー(恐怖)小説のようです。
本屋大賞の候補作でもあります。(大賞は別の作品が受賞しました)
友人がいて、従兄(いとこ)がいて、柊一(しゅういち)がいる。
山奥に地下建築物がある。
地下建築物に家族がいる。
地震が起きる。
扉がふさがれる。
水が地下建築物に流れ込み始める。
地下建築物である『方舟(はこぶね)』はいずれ水没する。
殺人が起きる。
だれかを生贄(いけにえ。犠牲ぎせい)にすればほかの人たちは脱出できるそうです。
タイムリミットは1週間だそうです。
なんだか、恐ろし気な(おそろしげな)物語が始まりそうです。
301ページあります。
さあ、読むぞ!
自分は、いけにえとして、だれも死なないという展開を予想しました。(はずれました)
(つづく)
地下建築物です。(貨物船のような地下建築物)
地下1階なれど、地下1階が地下10m近い位置にある。
建物には、地下2階と地下3階がある。
地下1階にある部屋は120号である。(1階の20号室だろうか(当たっていました。28ページにあるレイアウト図を見つけました))
地下3階から水の音が聞こえる。(水がたまって、やがて水槽のように水がたまって皆殺しだろうか)
登場人物です。メンバーは、翔太郎を除いて、都内の大学の登山サークルでいっしょだった。
① 絲山隆平(いとやま・りゅうへい):レスラータイプの体。スポーツジムのインストラクター
② 絲山麻衣(いとやま・まい):絲山隆平と夫婦(しかし、夫婦には見えない)。幼稚園教師
③ 高津花:女子。蛍光色の登山服を着用。事務職。小柄でボブカット(おかっぱの髪)
④ 越野柊一(こしの・しゅういち):スマホを持っている。この物語の語り手。主人公。システムエンジニア
⑤ 西村裕哉:裕哉が父親の別荘をみんなに提供した。地下建築物は別荘から歩いていける距離にある。裕哉がなにかをたくらんだのではないかと自分は思う。裕哉は、アパレル(服飾)関係の仕事をしている。
⑥ 野内さやか:女子。ウォームブラウンの髪(明るい茶褐色。暖色系)。ヨガ教室で受付担当
⑦ 篠田翔太郎:柊一のいとこ。五年前に叔母から相当の遺産を相続した。無職。投資家。縦じまのセットアップスーツを着ている。(上着とパンツが異なる)ほかのメンバーより三歳年上。身長は高い。
ここまで読んできて、おもしろそう。
読んでいるわたしには、今いる7人が、近ごろよく耳にする闇バイトのメンバーに思えます。
地下建築物の中から、特殊詐欺(とくしゅさぎ)の電話をかける『かけ子』のバイトではなかろうか。
(違っていました。特殊詐欺闇バイトのメンバーなら、おもしろいのに)
こちらのメンバーは、大学時代の友人たちによる同窓会のようなものらしい。
午後4時48分、地下建築物を発見しました。
(つづく)
地下建築物の出入口は、直径80cmぐらい。マンホールみたいなふたがある。
穴はたて穴、はしごのようになっている。
途中に大きな岩がある。岩には、太い鎖が巻かれている。(いざというときに、地下1階の扉をふさいでバリケード(防壁)になることがあとでわかる)
発電機がある。
地下1階に複数の部屋がホテルのように配置されている。合計で20部屋ある。
地下2階にも20部屋がある。
(読んでいて、核シェルターのようだと思いました)
(昔あった、赤軍派のあさま山荘事件を思い出しました。1972年2月(昭和47年)人質立てこもり事件)
209号室に拷問道具あり。(ごうもんどうぐ)
地下3階は水がたまって水没している。水の中に、鉄筋や鉄骨が見える。
(こどものころに遊んだ山に掘られた横穴式防空壕(ぼうくうごう)を思い出しました)
地下建築物の図面あり。タイトルは『方舟(はこぶね)』
構築物において、出入口の反対側に『非常口』あり。出入口と同じく、上げふた方式。出入口と非常口の間は100mぐらい。
(本には、新興宗教の修行施設ではないかと書いてあります。ノアの方舟(はこぶね)からきているのでしょう)
外出したい。穴から出て、外部と連絡をとりたい。花と裕哉とさやかが外に出ました。
3人が6人になって戻って来ました。
3人連れの親子が加わりました。
父 矢崎幸太郎:五十代。白髪交じりの角刈り。太い黒縁メガネ。電気工事士。地元住まい
母 矢崎弘子:小太りでショットカット
息子 矢崎隼人(はやと):中学生ぐらい見えるが、高校一年生
家族はきのこ狩りに来て道に迷った。
メンバーは10人になりました。
(つづく)
三人の矢崎ファミリーが地下建築物に泊まるそうです。
(変です。地元の人ならなおさら、自宅へ帰ります)
登場人物がたくさん出てきました。
ようやく、みなさんの名前ほかを把握しました。
まだ42ページ付近にいます。
以前読んだ『硝子の塔の殺人(がらすのとうのさつじん) 知念実希人(ちねん・みきと) 実業之日本社』の雰囲気と似ています。硝子の塔(ガラスのとう)が、密室殺人事件の場所でした。
午後9時すぎ。
花とさやか寝る。西村裕哉寝る。絲山隆平と絲山麻衣寝る。
食堂に残ったのは、越野柊一、篠田翔太郎
トランシーバーアプリ:スマホ同士でトランシーバーのように会話ができる。越野柊一と絲山麻衣の間でできる。昔、みんなでアプリをスマホに入れた。今も入れているのは、ふたりだけのもよう。
(つづく)
地震が起きるわけですが、ふつう、地下構築物は地震の揺れに強いと聞きました。
こちらの方舟は、(はこぶね)壊れません。
しかし、地下1階出入口付近に置いてあった大きな岩が地下1階の扉をふさいでしまいました。
非常用の出入口につながっている通路は、水没している地下3階にありますし、メンバーが出られません。ピンチです。
205号室:資材置き場
207号室:倉庫。工具が置いてある。のこぎり、金槌(かなづち)など。
209号室:拷問道具が保管してある。
午前6時13分。
西村裕哉がいない。
地下水が少しずつ上昇してきていることがわかる。(絶体絶命のときに湧水がストップするという結末が瞬間的に頭に浮かびました。さて、当たるだろうか?)(はずれました)
そして、もうひとつ『方舟の配置図(構造図)』は、正しいのだろうか。(正しくない。誘いのしかけが隠されているかもしれないと思いつきました)(正しかった)
ひとり死にました。(殺害されているそうです)
(つづく)
68ページまで読んで、設定として、いろいろ不自然な話がある内容だなという気分です。
人間はそのようには動かない。
殺された人間の死因は絞殺でした。絞殺:物で首を絞める。扼殺(やくさつ):手で首を絞める。
犠牲者とか生贄(いけにえ)の意味:助かるためには、誰かが出入口をふさいでいる大きな岩を地下二階に落とす作業をしなければならない。しかし、作業をした人間は、地下二階にある空間から脱出ができなくなる。そういう意味だということがわかりました。立候補がなければくじ引きです。地下水が上昇してきて脱出ができなくなるまでの猶予は1週間弱です。さしあたって、ひとりの人間を殺した犯人がいけにえの候補です。
(読みながらの結末として、全員が助かるのではないかという予想が自分に生まれました。そして、殺人犯人は、いままで登場した人間のなかにはいないのではないか)
探偵役は、主人公越野柊一(こしの・しゅういち)のいとこ篠田翔太郎です。
読み手の自分は、殺人の動機がわかりません。
うらみが動機なのか。
205号室にビニールテープがあった。
215号室に工具箱があった。
ダイビング機材が見つかったが使用できない状態になっている。タンクを背負えない。
ベンチレーター:換気装置
117号室:絲山夫婦の部屋
殺された人間がもっていたポテトチップスがほしくて、もめる人間がいます。
不思議な状態です。
自分たちが、一週間後に水没する地下構築物のなかで死ぬかもしれないというのに、睡眠時間をきちんととるメンバーです。
ふつう、眠らずに、脱出するためのなんらかの作業を続けます。ここで、死んでもいいと思う人はいません。
矢崎三人家族になにか秘密があるのか。
野内さやかが、この建物の写真をスマホで見たことがあったそうです。
115号室にいた野内さやかと高津花だが、野口さやかがその部屋を出て、108号室に引っ越した。高津花がひとりのほうが落ち着くという言う。
108号室の前で、野内さやかが高津花に黒っぽいものを渡した。
チリコンカーンの缶詰:ひき肉玉ねぎ炒め。インゲン豆、トマト、チリパウダーなどを混ぜる。メキシコ起源のアメリカ合衆国料理
殺されないために集団でいたほうがいいのに、個々に別れるということは、自分は殺されることはないという自信があるということなのではないだろうか。
数人がグループになっていて、ひそかに、うらみをもつ相手をこの世から消去しようとしているのではなかろうか。動機は何?
(つづく)
読み終えました。
なかなか良かった。
とりあえず、121ページ以降の感想を順番に書いてみます。
死体の数が増え続けます。
殺人の動機がわからない。(最後の最後までわからない)
『方舟(はこぶね)』のイメージをどうとらえるのか。
スマホのことがいっぱい書いてあります。
スマホを探すメンバーのなかに殺人者がいる。
レギュレーター:ダイビングの機材。呼吸するための機材
ウェーダー:胴付長靴
パスコード:パスワード
現実味のない設定なので、推理だけを楽しむ本です。
犯人はだれか、殺人の動機はなにか、殺人の手法はどのようにやったのか、そして、地下からの脱出はどうなるのかです。
256ページ付近の記述では、『君』とか『ちゃん』の敬称はないほうが読みやすいです。
ふむ。そういうことか。犯行に使用した道具から犯人をあぶりだしていく。
迂遠(うえん):遠回り。道が曲がりくねっている。
なんというか、犠牲者をひとり決めるわけですから、関係者全員が人殺しみたいなものです。
見殺しです。
蹲る:うずくまる
そうか。傑作です。
気持ちがスカッとしました。
たいしたものです。
うまいなあ。
人間の本心をじょうずにあばきだしてあります。
妥協を許さない姿勢が良かった。
人間というのは、自分の幸せしか考えていない生き物である。自分がこの本を読んで感じた、つくり手からのメッセージです。
人間が個々の深層心理の奥にもつ『悪意』をあぶりだす作品でした。
この記事へのトラックバックURL
http://kumataro.mediacat-blog.jp/t151265
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません