2022年07月19日

三体(さんたい) 劉慈欣 早川書房

三体(さんたい) 劉慈欣(りゅう・じきん リウ・ツーシン CIXIN LIU) The Three-Bady Problem 大森望、光吉さくら(みつよし・さくら)、ワン・チャイ[訳] 立原透耶(たちはら・とうや)[監修] 早川書房

 テレビ番組『アメトーク』の『読書芸人』でタレントさんが、おもしろい本ですと紹介されていました。
 カバーを見ると、戦艦の正面の絵ですから戦争ものでしょう。
 番組で紹介された時はまだヨーロッパで戦争が勃発していませんでした。
 数か月を経た戦争状態にある現在このカバー絵を見ると複雑な気持ちになります。

 「三体」というのは、みっつの組織がお互いに対立して、三国志みたいな戦いになるイメージがあるのですが、違うかもしれません。読む前の自分の予想です。
 もしかしたら、人間同士の戦いではなくて、宇宙人もからむのかもしれません。

 かなり時間を要する読書になりそうです。
 口の中で、錠剤をゆっくり溶かすように読みます。
 全体で、433ページあります。
 三部作だそうで、この本のほかにも二冊あります。

 本の中にある登場人物一覧表とは別紙で「三体登場人物表」が添付されています。
 メモ紙にメモをしながらの読書になりそうです。
 人物一覧表の職名などをながめました。理論物理学者、大学教授、天体物理学者、紅衛兵(こうえいへいと読むのだろうか。軍人でしょう)、紅岸基地(こうがんきちと読むのだろうか)、政治委員、最高技術責任者、宇宙論研究者、ナノマテリアル開発者(ナノとは、ごく小さいもののことだろうか。調べたら100nm以下の素材とありました。ナノメートル=よくわかりませんが、まあ目には見えないのでしょう)、警察官、作戦指令センターの陸軍少将(中将の下、大佐の上)、生物学者、数学の天才で引きこもり、天文学者、多国籍石油企業CEO(最高経営責任者)、アメリカ海兵隊特殊作戦専門家。
 察するに、この小説はSF(サイエンスフィクション。空想科学宇宙物語で、大作戦とか、大戦争のようですな。以前孫といっしょに観た「ドラえもんの宇宙小戦争」を思い出しました。

 『狂乱の時代』から始まりました。1967年の中国が舞台です。日本だと、昭和42年です。
 中国の文化大革命が、1966年(昭和41年)から1976年(昭和51年)で、中味は、中国共産党内部の政治権力闘争でした。そのからみだろうか。

 紅色連合が、四・二八兵団総本部(紅衛兵、学生中心の兵士)を攻撃しています。
 四・二八兵団の美しい15歳の少女が銃弾の雨に撃たれて遺体となります。
 
 葉哲泰(よう・てつたい/イエ・ジョータイ):理論物理学者、大学教授。42ページまで読んだところでは、文化大革命のさなかに糾弾されて殺されてしまいました。

 葉文潔(よう・ぶんけつ/イエ・ウェンジェ):1943年6月生まれ。天体物理学者、葉哲泰の長女。拘置所に入れられる。(読後のこととして、実際は、紅岸基地というところに入れられて天体の研究要員として拘束されていたという意味合いでした。その後、天体物理学の教授をしていたが、2004年に退職した。殺人を犯した過去あり。1979年10月21日に2名を殺害した。政治委員の雷志成と紅岸基地の技術者で葉文潔の夫であった楊衛寧を事故死のようにみせかけるようにして殺害した。葉文潔は、当時夫である楊衛寧の子どもを妊娠中だった)

 楊衛寧(よう・えいねい/ヤン・ウェイニン):葉哲泰の教え子。紅岸基地の最高技術責任者。
 雷志成(らい・しせい/レイ・ジーチョン):紅岸基地の政治委員。

 白沐霖(バイ・ムーリン):四・二八兵団の機関紙「大生産報」の記者。細い体、メガネをかけている。

 程麗華(チョン・リーファ):年配の女性幹部。中級裁判所群管会の軍代表。40代。
 共産主義とか社会主義とか政治の話で対立抗争があります。

 汪淼(おう・びょう/ワン・ミャオ):ナノマテリアル開発者。ナノテクノロジー研究センター勤務でチーフ・リーダーを務めている。愛知万博の時に見学した民間の展示に小さなものを扱い活用する仕組みの説明があったことを思い出しました。(この本のなかでは、68ページに「三菱電機」という会社名が出てきます)

 豆豆(ドウちゃん):汪淼(おう・びょう/ワン・ミャオ)の長男。6歳。

 李瑶(リー・ヤオ):汪淼(おう・びょう/ワン・ミャオ)の妻

 常偉思(チャン・ウェイスー):作戦指令センターの陸軍少将

 史強(シー・チアン):警官。隊長。図体がでかくいかつい顔つき。作戦指令センター所属。通称が大史(ダーシー)乱暴な感じがする男だが、人間的な魅力がある。

 楊冬(ヤン・ドン):女性。宇宙論研究者。葉文潔と楊衛寧の娘。(どうも、楊冬は自殺しているらしい。母親は高齢になっているという以降の設定です)

 丁儀(ディン・イー):博士。理論物理学者。楊冬(ヤン・ドン)の恋人

 銭鍾書(チェン・チョンシュー):現代中国作家・文学研究者。1910年-1998年。一度もメディアに出なかった。

 申玉菲(しん・ぎょくひ/シェン・ユーフェイ):物理学者。中国系日本人。科学フロンティアの会員。通勤路線の沿線にある高級別荘地に住んでいる。電報のように簡潔な話し方をする。冷たい印象あり。

 魏成(ぎ・せい/ウェイ・チョン):申玉菲(しん・ぎょくひ/シェン・ユーフェイ)の夫。引きこもり。数学の天才。40歳くらい。

 潘寒(はん・かん/パン・ハン):申玉菲(しん・ぎょくひ/シェン・ユーフェイ)と魏成(ぎ・せい/ウェイ・チョン)の友人で、生物学者。中国で初めての実験コミュニティを建設した。『中華田園』がその名称。生活必需品は都会のごみから調達するコミュニティ。

 沙瑞山(しゃ・ずいさん/シャー・ルイシャン):葉文潔(よう・ぶんけつ/イエ・ウェンジェ)の教え子。天文学者。

 マイク・エヴァンズ:多国籍石油企業CEOの御曹司(CEO:最高経営責任者 御曹司(おんぞうし):名門の子弟)

 スタントン大佐:アメリカ合衆国海兵隊。特殊作戦の専門家

 同仁医院に勤務している有名眼科医:李瑶(リー・ヤオ):汪淼(おう・びょう/ワン・ミャオ)の妻の同級生。

 張チーフ・エンジニア(ジャンチーフ・エンジニア):ナノテクノロジー研究センター勤務

 除冰冰(じょ・ひょうひょう/シュー・ビンビン):コンピューター専門家の女性警官。情報保安課所属。史強(シー・チアン)とつながりあり。

 林雲(リン・ユン):球電研究とマクロ原子の発見に際して、鍵となる貢献をした人物。

 中国人女性から、中国は、ソビエト連邦に編入して社会主義連盟の共和国になるべきだという発想があり、驚きました。そんなことにはならないと思いますが、ロシアによるウクライナ侵攻の今、ロシアと中国は接近しています。

 情景は、昔NHKドラマで観た『大地の子』を思い出します。
 日本人残留孤児となった主人公男性が、中国人教師の両親を養親とし、養父が文化大革命で厳しく責められていました。

 1922年(大正11年)冬アインシュタインが上海を訪れた。
 アインシュタイン:1879年(明治12年)-1955年(昭和30年)76歳没。ドイツの理論物理学者。1922年日本訪問。大正天皇に謁見(えっけん。目上の人に会うこと)した。大正元年は1912年。1926年(大正15年)までが大正時代。

 マルクス主義:社会主義思想体系のひとつ。資本を社会の共有財産とする。階級のない社会をつくる。

 文章を読んでいて、なにかしら悲劇があります。

 1964年(昭和39年)と1967年(昭和42年)に中国が核実験を行った。

 プロパガンダ:特定の思想、意識、主義主張へと誘導する行為。

 知識階級:学者である葉哲泰、葉文潔の属する階級のこと
 Silent Spring:「沈黙の春」レイチェル・カーソン著。
 たぶん鍵を握る文節として『人類のすべての行為は悪であり、悪こそが人類の本質であって……もし人類が道徳に目覚めるとしたら、それは、人類以外の力を借りる必要がある(やはりいずれ宇宙人が出てくるのではなかろうか)』

 三連合:革命的大衆+革命的幹部+人民解放軍代表

 建設兵団の女性戦士:葉文潔のこと。

 天体物理学ジャーナル(アストロフィジカルジャーナル):1966年発行(昭和41年)

 これは、物理学者たちがたくさん出てくるので、原子爆弾とか水素爆弾とかよりももっと強力な爆弾をつくる話ではなかろうか。兵器づくりのために物理学者の頭脳を利用する。

 時代設定は、1969年(昭和44年)です。

(つづく)

第二部 三体
 読んでいる途中で、先日動画配信サービスで観た『エヴァンゲリオン』とか『機動戦士ガンダム』のイメージが湧いてきました。
 その後、ページをめくっていたら435ページにある訳者あとがきに『機動戦士ガンダム』の文字が出てきました。(やっぱりという気持ちです)
 ストーリーの基礎は、長い人類の歴史のなかで、でつくしている。あとは、登場人物設定を変えるだけです。
 三体(さんたい):3個の天体。3個の天体が互いに影響し合う。

 時期設定は、1967年(昭和42年)→1969年(昭和44年)→2009年(平成21年)のイメージです。

 作戦指令センター:57ページ付近を読んでいますが、おそらくここが宇宙人との戦いの基地のようなものにあたるのでしょう。(読後のこととして、違っていたようです。紅岸基地は閉鎖されます)

 科学境界(科学フロンティア):世界的な学術組織。会員は著名な学者たち。

 今後の展開として自分が考えたことです。
 筋書としては、きっとうまくいかないことがたくさん出てくる。大きな視野で、あるべき方向を失わないように対応していくのでしょう。

 72ページに強烈なメッセージがあります。
 『人類の歴史全体が幸運だった…… われわれは運がよかった…… 幸運にはいつか終わりがくる…… われわれは、覚悟しなければならない』

(つづく)
 
 三体というのは、天体が3つあって、互いに影響し合う。たとえば、三つの天体が重なり合って、それぞれの天体で、不思議な現象が起きる。そんなことを考えながら読み続けています。

 ビリヤードのシーンです。ビリヤードの玉の動きが『物理』という学問です。
 そういえば、先日テレビ番組アメトークで、ビリヤード芸人というようなテーマでトークショーがありました。
 文脈が、昔読んだ村上龍作品『半島を出よ』に似ているような感じがします。北朝鮮軍の船団が海峡を渡ってきて、福岡市にある福岡ドームを占拠します。自衛隊はなにもできません。日本国家は、九州地方を北朝鮮に差し出すことで難を逃れようとします。

 キーワードとして『科学は殺される』
 81ページを読んでいる今はまだその意味はわかりません。
 もうひとつのキーワードとして『射撃手と農場主(しゃげきしゅとのうじょうぬし。シューターとファーマー)』SFという略語となる。宇宙の法則の本質を説明するふたつの仮説だそうです。
 射撃手が的に(まとに)10センチ間隔で穴を開ける。
 的の表面には、二次元生物が住んでいる。(二次元:長さと幅。アニメやゲームのキャラクター)
 二次元生物である科学者が、宇宙には10センチごとに穴が開いているという法則があると定義する。(それは、法則ではない。たまたま、射撃の名手が10センチごとに穴を開けただけのこと。誤解が生まれている)
 次が、農場主説。農場主が毎日午前11時に七面鳥に給餌をする(きゅうじ。餌を与える)。
 七面鳥の科学者が、そのことを宇宙の法則と定義する。(そのことは法則ではない。クリスマスの日には給餌はなかった。すべての七面鳥が料理された)
 うーむなんのこっちゃいな。つまり、法則でないことを法則であると誤解することがあるといいたいのでしょう。

 数値の不思議な現象が始まります。
 カウントダウンです。
 汪淼(おう・びょう/ワン・ミャオ):ナノマテリアル開発者の体験です。カメラのフィルムに「12:00:00」という数値が出ます。以降、同人の視界にまで出てきます。不気味なカウントダウンです。数値が減っていきます。12時間なんとか秒に見えますが、もっと長い。0になったとき、宇宙が爆発して消滅するのだろうか。(84ページに1200時間と出ました。50日間です。何が起こるのだろう)
 スリラーでありミステリーです。『ゴースト・カウントダウン』
 
 飛刃:超強度のナノマテリアルのコードネーム。ごく小さな素材ということでいいのか。

 メインラボで、反応装置を停止してメンテナンスをするべき時期が来ている。(と書いてあります。文章を理解するのに時間を要しています)

 ナノマテリアル研究プロジェクトというものあり。
 宇宙背景放射を観測する機関というものあり。
 ゴースト・カウントダウン
 
 汪淼(おう・びょう/ワン・ミャオ)は、Vスーツというものを着用して、どうもバーチャル世界(仮想世界)の体験をしています。フィールドバック全身スーツとヘッドマウントディスプレイを装着します。
 汪淼(おう・びょう/ワン・ミャオの登録名が『海人(ハイレン)』
 ゲームに出てくるのが『周の文王』と『周の文王の従者』時代設定は戦国時代。ほかに『紂王(ちゅうおう)』という人物がいるそうです。
 周の文王が砂時計をもっています。おもしろそうです。『時間』を素材にしてある物語の気配がします。
 
 意味深く意味不明な言葉として『女は(楊冬(ヤン・ドン):女性。宇宙論研究者。葉文潔と楊衛寧の娘)、流れる水のように、どんな障害にぶつかっても、融通無碍に(ゆうずうむげに。障害が無く自由に)その上を乗り越え、まわりを迂回(うかい)して流れていくべきなのに』

 中国科学院国家天文観測センターにある電波天文観測基地に直径9メートルのパラボラアンテナが28基ある。
 直径50メートルの巨大な電波望遠鏡が2台ある。
 宇宙マイクロ波背景放射の探査をするために打ち上げられたのが『人工衛星COBE』『WMAP(ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機衛生)』『人工衛星プランク(Planck)』
 それぞれが観測している天体の背景放射のリアルタイム・データをとることができる。
 物語では、その三つの波形を問題視しています。まったく同じように同期して動いているそうです。宇宙が明滅しえいるそうです。(なんのことだろう)破壊工作の疑いがあるそうです。

 『宇宙マイクロ波全体の、等方性の揺らぎがみたいんだ……』
 なにやらむずかしい。

 葉文潔は、紅岸基地に20年間いた。

 汪淼(おう・びょう/ワン・ミャオ)は、ヴァーチャルゲーム『三体』で、巨大な振り子を見た。

 カウントダウンが終わったら『死の世界』が訪れるのだろうか。

 「三体ゲームの中で」宇宙は、火の海に浮かんでいる中身が空洞の大きな球である。球には、無数の小さな穴とひとつだけの大きな穴がある。火の海の光がそれらの穴から球の内側に入ってくる。小さな穴は星で、大きな穴は太陽だ。(なるほど。なんとか想像できます)
 球体は二重構造になっている。内殻と外殻がある。
 球体はゆっくりと収縮を続けている。

 以前読んだバビロンのなんとかという本を思い出しました。読書メモが残っています。
 『あなたの人生の物語 テッド・チャン ハヤカワ文庫』
 テッド・チャン:米国のSF(サイエンスフィクション。科学空想)作家。1967年生まれ。中国系アメリカ人。
 「バビロンの塔」1990年発表
 バビロン:古代都市。メソポタミア文明。ユーフラテス川付近。イラクバクダッドの南。紀元前18世紀から紀元前6世紀にあった王国。
 バベルの塔(バビロンにあったとされる旧約聖書に登場する伝説の塔。ノアの大洪水のあとに人類が建て始めたが、神の怒りにあって、人類は、多数の言語をもつようになり、意思疎通をはばまれるようになったとされる。
 文章には、すごい想像力と表現力がこめられています。アニメ映画の大作を鑑賞するようです。
 風景や光景の表現がきめ細やかで、ていねいで、わかりやすい。
芥川龍之介作品「蜘蛛の糸(くものいと)」のような雰囲気をもった作品です。
『水面の上に空気があるぞ!』『おれはまた大地の上にもどってきた。』
 てっぺんだと思っていた場所は、足元にある砂漠の下にあった。
バビロンの塔は、地球そのものの形なのか。
 いまひとつピンとこないのですが、脳内で思考体操をしているような気分でした。

(つづく)
 
 ようやく205ページまで読みました。
 正直、何が書いてあるのかわからないのです。
 地球外生物はまだ出てきませんが、出てくるような気配があります。
 出て来たのは『三体』というヴァーチャルゲームに、アリストテレス、ガリレオ、コペルニクス、レオナルドダヴィンチのみなさんです。
 紅岸基地というのは、20年ぐらい使われたあと、今はもう閉鎖されてないらしく、基地の目的は、地球外生物との接触を試みることだったようです。葉文潔が同基地で働いていたそうですが、いまは高齢者になっています。そして、彼女の娘である宇宙論研究者の楊冬は自殺したようです。

 NATOとワルシャワ条約機構と米国グループとの対立も出てきます。ソビエト社会帝国主義とされています。
 両者が、地球外文明と接触を試みているのです。地球外知的生命体探査計画と記述されています。
 今、ウクライナを巡っての対立の構図と似ているので、読んでいてタイムリーです。
 やはり、中国の立ち位置とか役割が微妙で大事です。

 3つの太陽がどうのこうのという議論です。
 読んでいる自分はチンプンカンプンです。
 
 ゲームの中では、馬に乗った中世の騎士が表れて『世界がたったいま滅亡した! …… 脱水だ、脱水だ!』と連呼します。

 うーむ。太陽が3つ現れるとそのときある文明が滅びる。されど、時間がたつと、新たなる文明が生まれるようです。レベルアップです。滅んだのに、レベルが上がるゲームなのだろうか。

(つづく)

 魏成(ぎ・せい/ウェイ・チョン):申玉菲(しん・ぎょくひ/シェン・ユーフェイ)の夫。引きこもり。数学の天才。40歳くらいが語ります。
 ぼくの心の中に『第一の空』を創造した。空は無限の宇宙だった。
 空の中にひとつの球を創造した。
 さらにもうひとつの球を創造した。
 第三の球を導入した。
 第三の球は、空に命を与えた。
 三つの玉は運動した。

 ポアンカレ:フランスの数学者

 申玉菲の言葉として『三体問題を解くことに成功したら(魏成(ぎ・せい/ウェイ・チョン))は、救世主になる。でもやめたら罪人になる』(うーむ。なんのことだろう)

 ガン・オイル:銃に使用するオイル

 申玉菲の銃による遺体が見つかります。他殺なのか自殺なのか。
 『三体』をプレイしていた部屋です。
 三発発射されています。胸に二発、もう一発が左眉の上です。これは、他殺ですな。

 環境保護主義者の潘寒[(はん・かん/パン・ハン):申玉菲(しん・ぎょくひ/シェン・ユーフェイ)と魏成(ぎ・せい/ウェイ・チョン)の友人で、生物学者]と申玉菲が前日午後に日本語で口論していたそうです。

 不俱戴天(ふぐたいてん):同じ天の下にはいっしょにいられない。憎しみある間柄。

 アルゴリズム:計算可能なことを計算する。形式的な手続き。

 『神さま』という存在があるらしい。

(つづく)

 『三体』のレベル2が始まりました。寒い夜明けの風景の中に、巨大なピラミッドがあります。

 アイザック・ニュートン:イングランドの自然哲学者。数学者、物理学者、天文学者。1643年-1727年。84歳没。万有引力の法則を発見した。

 ライプニッツ:ドイツの哲学者、数学者。1646年-1716年。70歳没。微積分法を発見・発明した。

 ジョン・フォン・ノイマン:ハンガリー出身のアメリカ合衆国数学者。1903年-1957年。53歳没。原子爆弾やコンピューター開発への関与あり。核実験の観測などで放射線を浴び癌になって病死した。京都への原爆投下を進言した。

 ノーバート・ウィーナー:アメリカ合衆国の数学者。1894年-1964年。69歳没。連続時間確率過程。

 始皇帝(しこうてい):紀元前259年-紀元前210年。中国の初代皇帝。

 数学の歴史書を読むようです。コンピューターの原理があります。
 三角形の角(かく)の一点が「出力」で、残り二点が「入力1と入力2」で、秦の始皇帝の軍隊3000万人が、人間コンピューターを形成します。『計算陣形(コンピュータ・フォーメーション)』

 太陽は3つ。今いる惑星を含めて4つ。4つが一直線に並んで、引力で引き合って、すべてのものが地面から浮き上がります。
 そして、文明の滅亡があります。文明には番号が振られていて、文明#184が滅亡しました。

 唐突(とうとつ。突然)ですが、ゲーム『三体』のオフ会があるそうです。
 オフ会:オフラインミーティング。愛好者たちが、現実世界で実際に会って親睦を深める。
 7人参加。
 1人目:汪淼(おうびょう)
 2人目:若い記者
 3人目:若い研究者(大学)
 4人目:女性作家
 5人目:中年男性ソフト開発者
 6人目:中年電力会社
 7人目:60~70代男性学者
 幹事は、申玉菲の殺害容疑者である環境保護主義者の潘寒(はんかん)です。

 「三対人」という人種があるらしい。
 三対人が、人類世界を侵略するかもしれないらしい。
 
 アステカ文明:メキシコ中央部に栄えた文明。1428年から1521年までの約95年間。スペインに征服された。

 コペルニクス:1473年-1543年。70歳没。地動説を唱えた。(声に出して言う)ポーランド出身の天文学者。

 アインシュタイン:1879年(明治12年)-1955年(昭和30年)76歳没。ドイツの理論物理学者。1922年日本訪問。大正天皇に謁見(えっけん。目上の人に会うこと)

 鍵を握る言葉として『飛星静止』
 文明#191において、3個の飛星(太陽)が、同時に静止したあと、人類が住む惑星(三体世界)に落下してきた。

 災難から逃れるために『三体星系を離れて、星々の大海に漕ぎ出す(こぎだす)。この銀河の中で、移民できる新しい惑星を見つける』

 巨大な振り子が動きます。
 文明#192が滅びました。

 マイルストーン:節目となる工程。中間目標地点。

 次は、最終ステージだそうです。

(つづく)

 惑星の砂漠に数億人の生きている頭が並んでいる。
 人の海がある。
 静寂がある。
 星は碁盤の目のように並んでいる。
 幻想的な夜です。
 方陣の一辺に30数個の天体がある。
 三体人は、星間航空能力をもっている。宇宙船は光速の10分の1の速度を出せる。
 三体星間艦隊がある。
 アメリカ映画『スター・ウォーズ』のようになってきました。
 地球三体協会反乱軍が登場します。最高司令官が『葉文潔(よう・ぶんけつ/イエ・ウェンジェ):天体物理学者、葉哲泰の長女』です。総帥(そうすい)と呼ばれています。
 (なにやら、むずかしい話です。降臨派という派閥が地球三体協会の中にあって、人類はもはや自分たちで問題解決ができなくなっているから、主(神さま)が、この世に降りて来て、主の力で人類を管理監督しようと主張しています。対して「救済派」という派閥があるようです)

 内輪もめの殺し合いが始まりました。
 
 葉文潔(よう・ぶんけつ/イエ・ウェンジェ):天体物理学者、葉哲泰の長女。
 彼女は20年間仕事人間の生活を送ったようです。紅岸プロジェクト(地球外生命に対して電波信号でメッセージを送り、返答を得る)への取り組みでした。(一般サラリーマンの幹部も20年間ぐらいは仕事いちずの生活を送ります。テレビはほとんど見ません)
 
 どうも地球外生命体から返答があったらしい。ただ、どうも、そのことに気づけていない。

 鍵として『16分42秒』『太陽は電波増幅器』
 
 3つの天体、3つの太陽、引力で、お互いに影響し合っている。

 文化大革命は、中国共産党内部の権力闘争と聞いています。
 毛沢東対劉少奇の構図です。
 社会主義文化の創生は口実だった。(表面上の理由だった)

 沈黙の春:1962年出版。レイチェル・カーソン著。化学物質による健康被害、公害の発生などの問題提起と主張。農薬で鳥が死んで、春になっても鳥が鳴かない。沈黙の春となった。

 原子爆弾よりも強力な破壊力がある恐ろしい力が宇宙にはあるそうです。原爆はろうそくのようなものとたとえてあります。

 葉文潔(よう・ぶんけつ/イエ・ウェンジェ):天体物理学者、葉哲泰の長女は、地球外生命からの返信があることに気づきました。
 メッセージの内容を理解しました。(ここには書けません)

 地球人は移住先の星を求めているけれど、他星人も移住先の星を探している。地球がターゲット(目標とする星)になる可能性もある。

 話はドラマチックな展開に向かいます。(わくわくする)

(つづく)
 
 葉文潔が過去に紅岸基地であったことを語り続けます。
 地球外生命あてに電波を発信した。
 返信が来た。
 返信の内容には危険なことが含まれていた。
 それでも、葉文潔は返信した。(いずれ、危険が来ることになるでしょう)
 ただし、相手は宇宙の彼方(かなた)にいるがゆえに、返信が来るのは、早くて8年後だそうです。
 ただ、相手は、相当進んだ技術をもっている。

 複数回読み直す本なのでしょう。
 歳をとりながら、読む本です。
 ひととおり読んで、数年後にまた読むと味わいが深まる気がします。
 今は、306ページ付近を読んでいます。
 たぶん、きちんと内容を把握できていない部分があると思います。
 なかなかの長文で、むずかしい科学的な言葉もあります。

 地球があって、地球の中で対立する事柄があって、葉文潔をトップとするグループが反乱軍で、いわゆるテロ組織(反政府)扱いをされていた時期があるようです。今の時点では、反政府グループが実権を握ったようにみえる文脈です。

 人間の欲望を扱った作品でもあります。名誉欲、売名行為、歴史に自分の名前を遺したい人がいます。
 人間は、自分の欲望を達成するためには、人をも殺します。

 レーダー峰というのがあるのですが、山の峰自体がレーダーになっているのだと気づきました。
 
 斉家屯(さいかとんと読むのだろうか):屯は集落。人が集まるところ。

 太鳳(ダ―フォン):斉猟師の息子の嫁。葉文潔の娘、あかちゃんの楊冬に母乳を与えた。

 太鳳の言葉『姉やん、なして空の星は落っこちてこないんだべか?』は胸にズキンとくるものがあります。引力。科学があります。

 葉文潔にとって、父親を死に至らしめた集団への復讐心があります。そのうちのひとりが「唐紅静(タン・ホンジン)」という名前の女子です。

 この本は、中国の政治体制を批判する小説なのだろうか。
 歴史に関する考察があります。
 歴史が事実ではないのです。
 人は、次の時代を生きるために、済んだことを「忘れたこと」にする能力があるのです。
 亡くなった人は、英雄でも敵でもなく「歴史」なのです。

(つづく)

 葉文潔は、新しい大規模電波天文観測基地を設計、建設する仕事に就きます。

 マイク・エヴァンズ(白求恩ベチューン):カナダ出身の外科医。大金持ちの石油企業の息子。地球の自然環境保護を主張する。実在の人物です。
 読んでいて、今年の小学生向け読書感想文コンクールの課題図書の内容を思い出しました。『111本の木 リナ・シン文 マリアンヌ・フェラー絵 こだまともこ訳 光村教育図書(みつむらきょういくとしょ)』それから同じく昨年の課題図書『オランウータンに会いたい 久世濃子(くぜ・のうこ) あかね書房』と類似のことが書いてあります。自然環境を大事にして、地球上の生きものの幸せを願うメッセージは、文学創作者全体の願いでもあります。
 マイク・エヴァンズの父親は石油会社の経営者ですから、マイクは父親を嫌います。タンカーが座礁して、大量の重油が海面に流出して、たくさんの海鳥が死んだときの父親の心理が次のものでした。『事故の一報を聞いて、父がすぐに考えたのは、どうやって責任を逃れ、自分の会社の損失を少なくするかということだった。』今年北海道であった遊覧船の沈没事故を思い出します。
 この小説は、環境保全のための小説だろうか。

 心に残った文節として『貧しければ、貧しいほど、住民は反政府的になる』
 
 2022年の世界人口が、79億5400万人ぐらいです。

 物語は宗教の話になっていきます。
 仏教から始まって、キリスト教……
 自然を破壊する人間の行為はストップしない。
 『人類の文明は、もはや自力では矯正できない(ゆえに、地球外知的生物である三体人を降臨してくる神として、三体教を人類に流布して、地球の自然と人間の共存をめざすと読み取れます、三体教をつかさどる組織が、地球三体協会(ETO)です)』
 
 第二紅岸基地=船。6万トンクラスのタンカーを改造してつくった。鋼鉄の浮島。
 地球外知的生物である「三体艦隊」が地球に到着するのは、450年後です。艦隊の現在位置は、4光年先にあるそうです。
 三対人の寿命は、450年以上あるのだろうか。
 
 未来において、過去をふりかえる記述が続きます。
 降臨派:地球三体協会(ETO)の純粋で原理主義的な派閥。人類の文明を滅ぼして、新たな文明を創生することが目的らしい。異星文明を尊敬する。奉る(たてまつる)
 救済派:宗教団体のよう。スピリチュアル(精神世界。目には見えない魂や霊の世界)を重んじる。

(つづく)

 ようやく読み終えました。
 文章量が長く、物理の話なので、ちんぷんかんぷんの部分もあり、調べながらおおまかに読み取るという読書でした。再読するといいのでしょう。一日30ページぐらいずつ、半月ぐらいかかって読みました。ドラマ化されるようなので、映像を観るとちゃんと理解できるかもしれません。

 人類にとって現在は、原子爆弾が、現在最強の武器なのですが、この物語の中では、原爆はちっぽけな破壊力しかない武器という定義です。(たいへん強力な武器が出てきます。宇宙は広い)

 4光年先から敵が攻めてきます。
 敵が地球に到達するのは、450年後です。
 話が壮大です。
 敵の星雲艦隊のスピードが速いので、スピードをゆるめないと、地球を通り過ぎてしまうそうです。
 なんとなく、昔あった、新幹線をどうやって駅のホームにぴったり止めるかという議論を思い出します。人間が手でブレーキをかけるタイミングでは止まれないのです。
 
 450年後に備える話です。
 今の人類の能力では敵に勝てないのです。
 今の人類は敵にとっては『虫けら』同然なのです。
 しかし、最後にいいたとえ話が出ます。
 イナゴは、虫けらだけれど、人類はいつまでたってもイナゴを絶滅させることができない。
 虫けらは、強いのです。そう、イナゴのたとえをゴキブリにしてみましょう。
 ゴキブリは強いのです。案外、地球最後の日に生き残っている生物は、ゴキブリなのです。

 中性子爆弾、神経ガス、なにかしらロシアのウクライナ攻撃の武器を思い出します。
 振動弾、低周波音、いろんな武器があります。
 ベトナム戦争の話も出ます。今の若い人は知らない戦争でしょう。
 パナマ運河:中米にあるパナマ共和国にある運河。太平洋と大西洋とを結んでいる。
 『ナノ技術(小さな物質)』による武器は恐ろしい。物をスライスしていきます。武器は見えません。
 
 葉文潔がめざした知的水準が高いと思われる三体文明による『理想社会』が遠ざかっていきます。
 
 382ページから三体人の事情が書かれます。三体人の社会もうまくいっていません。

 智子(ソフォン):女子の名前ではありません。作戦名です。
 三体惑星全土を統括する元首がいます。
 惑星には、執政官がいます。
 全体で会議があります。
 すでに三体艦隊は地球に向かっていて、2万時間が経過しています。目的は、地球の科学を壊滅することです。そのために3つの計画が用意されています。説明するのは、科学執政官です。ほかに軍事執政官がいます。工業執政官、文部執政官、農業執政官もいます。
 コードネーム「紫色」:科学作用の副作用を強調する。例として「環境問題」
 コードネーム「奇跡」:人類に奇跡を見せる(ただし、意図的につくられた現象。いつわりの宇宙をつくる)
 智子計画(プロジェクト・ソフォン):「巨大粒子加速器」を利用する。陽子をスーパーインテリジェントなコンピューターに改造するそうです。(なんのことか、わたしには、わかりません)九次元とか十一次元という言葉が登場します。陽子を二次元に展開する。
 「微小宇宙(ミクロコスモス)に知的生命が存在し、展開された陽子の中に……」(わかるようなわからないような……)智子は、最小の人工知能だそうです。智子は六次元空間から三次元空間を見ている層です。(やがて智子は十一次元に移行します。智子1号と2号は、地球へ旅立ちました(智子3号と4号は手元に残されました))
 地下深くに智子完成センターがあるそうです。岐阜県にあるスーパーカミオカンデを思い出します。東京大学宇宙線観測所が運用する宇宙素粒子観測施設。

 放物面反面鏡:恐ろしい兵器です。巨大な虫眼鏡で太陽の光線を集中して地球に当てて、地球上の生きものを溶かすイメージがあります。
 『鏡』は、ときおり、創作の素材になります。

 ブラックホール:なにもかもが吸い込まれる穴というイメージがあります。

 中性子、電子、小さなものを大きくとらえる世界です。

 なんでもありの世界です。

 ブレイクスルー:進化や進歩の障壁を従来にない方法で突破する。

 マルチタスク:同時に異なる情報を処理する。

 エントロピー:調べましたが、書いてあることを理解できませんでした。質量の話のようです。

 原子核の中の世界は広い。

 決めゼリフとして『虫けら(文明が進んだ三対人から見た人類を意味する)は、いままで一度も敗北したことがない(いわゆるゴキブリ扱いです。地球上で最後に生き残るのはゴキブリなのです)』

 ずいぶん長い読書メモになってしまいました。
 自分の得意分野ではないため、多少の苦痛がありました。

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