2022年06月01日

セカイを科学せよ! 安田夏菜

セカイを科学せよ! 安田夏菜(やすだ・かな) 講談社

 35ページまで読んだところで感想を書き始めます。
 レアケース(あまり事例がないことがら)の話という印象を受けます。
 日本人だけれど、ハーフなので、外国人の外見(がいけん)をしている。
 外国人に見えるけれど、ほとんど日本育ちで、外国語はしゃべれない。
 そんなことで、いろいろと困っている。
 そんな中学生たちのお話のようです。

 じっさいには、自分は、ハーフと呼ばれる人と会ったことがありません。テレビで見るだけです。
 あまりない事例を主題にもってきている本が読書感想文の課題図書に選ばれる傾向にはあります。なにか、趣旨があるのでしょう。
 14ページに両親の国籍が異なる夫婦に生まれたこどもの気持ちが書いてあります。自分は何者(ナニモノ)なのだろうという疑問と悩みがあります。
 自分たちの世代は『ハーフ』とか『クォーター(4分の1)』と聞きましたが、今は『ダブル』とか『ミックス』とも言うようです。いずれも差別言葉になるのだろうか。相手を差別しているという実感はありません。

 ふと、本のカバーを見たら、登場人物のことが書いてありました。
 中学校の話です。本の中身のことも含めて、まとめて書いてみます。
 堤中学校(つつみちゅうがっこう) 科学部電脳班(活動場所はパソコンルーム。校舎の3階にある) 3年生2人 2年生3人のところへ、山口アビゲイル華奈が転校して入部して、2年生が4人になります。
 パソコンのタイピングとか操作を練習するクラブらしい。
 本のカバーをめくると、裏表紙に登場人物の絵が描いてあります。なかなかいい。左手に虫メガネを持っているのが、山口アビゲイル華奈(はな)でしょう(アメリカ黒人系女子中学生)、山口アビゲイル華奈の右側で右手を上げているのが、藤堂ミハイル(ロシア系美男子王子さまのような顔)です。そのふたりの下で、やめてよ!言っているようなポーズをとっているのが、水野梨々花(みずの・りりか。藤堂ミハイルの幼なじみ)ですな。

 藤堂ミハイル:中学2年生男子。父親は日本人、母親はロシア人(ロシアのウクライナ侵攻による戦争中の今、これを読むのはなにかしら微妙な気持ちになります)外見はイケメンでかっこいい。女子から王子さまとも呼ばれる中学2年生男子です。白人系の外国人に見られる。でも、顔はいいけれど、女子には無愛想(ぶあいそう)です。ねくらでクヨクヨしているタイプだそうです。
 モスクワにロシア人のおじさんがいる。
 自分は、日本人だと思っている。
 おだやかで優しかった兄の話が出ますが、過去形です。(亡くなったのだろうか(読み続けて、どうも引きこもりに近いみたいです))(102ページに兄の名前が「ユーリー」で出てきます。藤堂ミハイルより4歳半ぐらい年上の兄はロシアの人になったようです。ロシアのウクライナ侵攻で戦争になっている今この本を読むと複雑な思いにかられます。二重国籍の人はたしか、二十歳になる頃ぐらいまでに、どちらかの国籍を選択するという国籍法の規定があったと思います。どちらかといえば和風の顔立ちをした植物が大好きだったお兄さんだそうです)

 山口アビゲイル華奈(やまぐち・あびげいる・はな):中学2年生女子。転校生。藤堂ミハイルのクラスに入る。イメージとして、プロテニスプレーヤーの大坂なおみさんの容貌(ようぼう。姿形(すがたかたち))です。(たぶんアフリカ系アメリカ黒人の父親)と日本人母親のハーフ、肌はコーヒー色。がっちり体形。この子が、虫が好きなのです。変わっています。
 以前、太川陽介さんと村井美樹さんの路線バスと鉄道の対決旅で、村井美樹さんチームに参加した女性タレント井上咲楽さん(いのうえ・さくらさん)の言動と重なる部分があります。(昆虫食が好きな人です。この本の設定にはないでしょうが、虫が大好きというところはよく似ています。ただ、食べるのが好きなのが井上咲楽さんです(61ページに虫を食べるような話が出て来ておやッと思いましたが、カナヘビがワラジムシを食べる話でした。だけど、山口アビゲイル華奈さんは、人間が食べるなら油で揚げると(あげる)のがいいと提案します))
 『蟲(むし)』が好きだそうです。蟲は、昆虫以外の生きものを含むそうです。(クモ、ヘビ、カエルなど)
 科学部生物班という所属に入ります。(活動場所は、理科準備室)たったひとりの班員です。
 山口アビゲイル華奈の母方祖母は日本人で、高校の理科の先生だったそうです。そういえば、高校の授業科目で『生物』がありました。
 
 水野梨々花(みずの・りりか):藤堂ミハイルと幼なじみだか、とくべつ恋人関係があるわけではなさそうです。水野梨々花は、地道な努力は嫌いで、派手なパフォーマンス(演技、披露)は好きな性格だそうです。和風美人顔だそうです。なんだか、この物語の登場人物はみんなかっこいい。マンガっぽい雰囲気ありです。

 鎌田仁(かまた・じん):2年生男子。難関高校を目指して進学塾に通っている。つねに勉学優先。

 大橋涼(おおはし・りょう):3年生男子。クラブ活動である科学部電脳班の部長。ツーブロックの頭髪(段差がある髪型)で、長身の優男(やさおとこ。上品ですらりとしているやさしげな男)

 平尾杏美(ひらお・あずみ):3年生女子。クラブ活動である科学部電脳班の副部長。まじめだが、ふまじめな部員に愛想をつかしている。(あきれて、いやになっている)キノコみたいなショートヘアーで、メガネをかけている。

 武田芽久(たけだ・めぐ):2年2組の新米担任教師。

 笹本希実(ささもと・のぞみ):科学部電脳班所属の新一年生の新部員

 北村ユーマ:アイドル出身の若手俳優。彼のペットがハエトリグモだそうです。

 いわゆる物語の区切りである『章』が、蟲(むし)の名前です。
 カミキリムシ→カナヘビ(これは、ヘビでしょう)→ワラジムシ(これは、微生物ではなかろうか(微生物ではありませんでした。ダンゴムシに似た虫でした))→カ(血を吸います)→ハエトリグモ(益虫えきちゅうだろうか)→ミジンコ(これも微生物ではなかろうか)→ミジンコの研究(ミジンコが好きなのね)→終章として、山口アビゲイル華奈(やまぐちアビゲイルはな。これは、人間です)

Ⅰ カミキリムシ(昆虫網甲虫目カミキリムシ科)
 藤堂ミハイルのひとり語りで、物語が進んでいきます。
 ときに、藤堂ミハイルの言葉が、愚痴に(ぐちに)聞こえて、読むのがイヤな気分になるときがあります。なにをぐずぐず文句ばっかり言っているんだと、読んでいて、あまりいい気持がしないのです。
 
 29ページまで、読んできて、おもしろい。
 自分も小学生の頃、林へカミキリムシを捕まえに行って、何匹も捕まえました。噛まれて痛い思いも体験しました。たしか、ゴマダラカミキリでした。
 
 そうか、山口アビゲイル華奈は、蟲(むし)が好きで、藤堂ミハイルは、隠れ虫好き人間で、ふたりの間にラブが芽生えるのだな。この物語は。たぶん……(最後まで読んで、ラブらしき恋は芽生えませんでした)

(つづく)

Ⅱ カナヘビ(爬虫網有鱗目カナヘビ科)
 いい感じの表現として『山口さんはボッチにもかかわらず、機嫌良さそうにしていた……(マイペースです。仲間はずれにされても、へこみません)』

カナヘビ:ネットで調べました。しっぽの長いトカゲですな。

 山口アビゲイル華奈さんの意識は、蟲(むし)への愛情ですが、さらに、人類愛にまで達するものがあります。生き物を大切にしょうです。されど、いいわいいわのかわいがりではなく、弱肉強食の食物連鎖を受け入れる厳しさもあります。命に感謝しようです。

 生きものの分類階級として、
 カイモンコーモクカーゾクシュ!
 界・門・網・目・科・属・種

Ⅲ ワラジムシ(軟甲網等脚目ワラジムシ科)
 ワラジムシ:ネットで調べました。ダンゴムシみたいですが、ダンゴムシではない。体の前後がとんがっている。足が14本もある。

 ちなみに、藤堂ミハイルは、幼稚園の時にダンゴムシが大好きだったそうです。

 ほう、そうなのかと納得させられた山口アビゲイル華奈の言葉です。
 『カナヘビは人間みたいに、毎日食べなくていいの。三日か四日に一回くらい』
 『(カナヘビにワラジムシを食べさせたあと)はい、ワラジムシの命は、カナヘビの体にお引越ししました』

 読んでいて思ったことです。
 今、自分がつくって推敲している(すいこう。見直し)しているこどもさん向けの短い物語作品『へんてこりんとはなんだろう』とこの物語の本題、主題、趣旨、メッセージが重なります。
 へんてこりん=個性で、各自が生まれ持った自分の根っこである『個性』を生かしながらまっすぐに生きていきましょうというのがつくり手からのメッセージです。自分の根っこである『個性』を否定せずに肯定(こうてい。そのとおりだと思う)して前進すれば道は開かれるのです。

Ⅳ(よん) カ(昆虫網ハエ目カ科)
 山口アビゲイル華奈が、理科準備室に蚊の幼虫であるボウフラを持ち込みます。当然、騒動がもちあがります。
 されど、読んでいると、ボウフラが可愛く思えてくるのです。錯覚でしょうか。心優しい人は、ボウフラに愛着を抱くでしょう。

 オニボウフラ:蚊のさなぎだそうです。

 なるほどとうなったのが、蚊の能力の高さです。
 熱感知センサーと二酸化炭素センサーと汗の成分を感知するセンサーが備わっているそうです。みっつのセンサーを駆使して、人間の手のひらから逃げ回り、しぶとく人間の血を吸うのです。そして、産卵をして、命を次世代へとつなぐのです。たいしたものです。たいした根性です。

 蚊を嫌うのは、人間の都合で、人間の勝手なのです。
 山口アビゲイル華奈の理屈です。
 正解です。同意します。

 話はなんだか、山口アビゲイル華奈への「いじめ」の方向へと移っていきます。
 ルーペが見つかりません。(山口アビゲイル華奈の亡くなった日本人母方祖母の形見)
 自分も昔、職場で大事なものを上司に隠されて、くそったれと思ったことを思い出しました。もういちど、くそったれです。いじめ、ハンターイ!
 もうたぶんその上司は、天国へ召されているぐらいの年齢ですからこの世にはいないでしょう。
 それはさておき、山口アビゲイル華奈の大事なルーペはどこへ隠されたのか。探さねばなりません。

 セイタカアワダチソウという黄色い花を咲かせる日本では迷惑だとされている植物の話が出ます。雑草ですから生命力は強い。
 昔、若い頃、職場で仲が良かった同世代の同僚から、自分たちは貧乏人の部類に入る人間だけれど、ふたりで雑草のように、強くたくましく生きて働いて行こう!と提案されて賛同したことがあります。踏まれても踏まれても立ち上がる雑草魂でがんばろうということです。ふたりともがんばりすぎて、体を壊して、歳をとってしまいました。

 ロシアの北方領土占有とか、ウクライナの文字も出てきます。
 読んでいて、現実の出来事と重なって、ビミョーな雰囲気になります。
 藤堂ミハイルの兄であるユーリーは、ロシア軍で働くと主張しています。
 
 バイリンガル:幼児期に覚えた2か国語を話せる人。

Ⅴ(ご) ハエトリグモ(クモ網クモ目ハエトリグモ科)
 山口アビゲイル華奈のいい言葉があります。『自力で、全力で泣き止みました(なきやみました)』そうだ! がんばれ!!

 ピレスロイド:殺虫剤の成分

 山口アビゲイル華奈の優しいおばあちゃんの話があります。(おばあちゃんは高校の理科の先生だった)
 キーワード(鍵になる言葉)は『三十七兆個の細胞』(意味は自分で本を読んで理解してください)
 戦争なんかやめようというメッセージが含まれています。

 ワラダン:ワラジムシとダンゴムシの曲

 便所バエとチョウバエ:昔、建物管理の仕事をしていたときに、トイレとか下水溝に発生するチョウバエの数を確認して(捕虫器を設置する)、衛生管理に気をつけていたことを思い出しました。
 
 山口アビゲイル華奈を嫌う人がいます。たぶん複数います。虫が嫌いだから彼女が嫌いということもあります。ハーフだからどうこうとなると問題があります。見た目で標準規格からはずれた者を除外するのは根拠のない差別です。
 山口アビゲイル華奈のひとりクラブ科学部生物班の活動を停止しなさいと教頭先生から圧力がかかります。
 背の高いやせたおばさんに見える女性校長もからんできます。
 ふたりとも意地悪です。
 こんな先生がいるとは思えません。
 いばっている先生はよく見かけます。
 校長から条件が提示されました。
 『科学とは、物事の本質について考察して、その考えの正確さをデータや論理で検証すること』だそうです。何かテーマを決めて研究・検証した結果を校長に示しなさいということなのでしょう。

Ⅵ(ろく) ミジンコ(さいきゃく網双殻目ミジンコ科)
 ちょっとややこしい話になります。
 山口アビゲイル華奈のアフリカ系アメリカ人でシステムエンジニア(SE)の父親は、結婚していて妻子もいたのに山口アビゲイル華奈の母親と付き合って山口アビゲイル華奈が生まれて、さらに、今回、山口アビゲイル華奈の母親は山口アビゲイル華奈の実父以外の男性と結婚したのです。本では『まま父』と書いてあります。まま母は聞いたことがありますが、まま父は初めて聞きました。
 そのいわゆる継父(けいふ)が、虫がにがてなのです。
 そして、山口アビゲイル華奈は実父と会ったことがありません。
 
 そこからさらに、メスだけで子孫を遺す(のこす)生き物がいるお話につながっていきます。ミジンコです。『単為生殖(たんいせいしょく)』
 たしか、ミミズもそんなふうだった記憶です。1匹の体の中にオスとメスの部分がある。『雌雄同体(しゆうどうたい)』

 ハリウッドスターの『ウィル・スミス』が出てきます。
 なんというか、この本には、予知能力があります。
 2021年10月の発行ですが、ロシアとウクライナの記事がありますし、ウィル・スミスは、米国アカデミー賞の授賞式で平手打ちの暴力トラブルを起こしています。
 さらに、藤堂ミハイルの兄がホームセンターで働いていて、その後やめています。地方自治体から誤って振込みされた多額の新型コロナウィルス対策臨時特別給付金を返還せずに、ネットカジノで使ってしまった事件を思い出します。犯人がホームセンターで働いていました。
 偶然とはいえびっくりしました。

 山口アビゲイル華奈の悲しい生い立ちの話があります。
 人生はバラ色ではありません。
 たしか邦画『男はつらいよ』に出てくるフーテンの寅さんも腹違い(はらちがい。母親違い)の寅さんが(とらさんが)、異母妹のさくらさんとからみます。
 昔は、異母兄弟というのはよく聞きました。養子とか養女とか、お妾さん(おめかけさん)ということもよくありました。複雑な生い立ちをもつこどもがいました。異母兄弟姉妹というのは、仲が悪いというわけでなく、じっさいは、仲がいい人が多いという印象をもった記憶があります。
 今は、こどもの数自体が減りました。

 K W H M カナヘビ ワラジムシ ハエトリグモ ミジンコ
 山口アビゲイル華奈は、研究のテーマをミジンコにしました。単為生殖だからだそうです。彼女は父親なしの母方家系の母子家庭です。

 仮説を立てる。仮説は、仮定であって、理論的に成立している内容です。

 ミジンコの心拍数を調べる。
 仮説の主題として『ミジンコの心拍数は、1分間に300回ぐらい』
 部員たちは、そのことを証明するために一生懸命になります。
 お金がないからお金はかけられません。
 お金がなくても知恵があれば、実行できるときもあります。
 
 192ページまで読んできて、逆境に負けずに気持ちを強くもって生きていこうという作者からのメッセージがだんだん弱くなっていく文脈になってきた感覚が自分にあります。
 理由は、理屈っぽいからです。
 感動を生むには、理屈よりも感情優先のほうがいい。

 虫=自分たちの存在(二重国籍のハーフ)
 世間から、異質なものとされる。
 標準からはずれた存在。
 どちらかといえば、いやがれる存在。例として、植物のホテイアオイとかセイタカアワダチソウとか。
 セアカゴケグモとか、カミツキガメとか、ヒアリもそう。
 いわゆる外来種。
 外来種は、雑種なのか。
 山口アビゲイル華奈から提示があります。人間はひとつなのです。『哺乳網霊長目ヒト科ヒト属ホモ・サピエンス種』
 
 クラウド(クラウド・コンピューティング):インターネットを通じて、サービスを利用する。ソフトウェアの利用。データの保存、共有。コミュニケーションのツール(道具)など。

(つづく)
 読み終えました。
 最後の方の章は、Ⅶ(しち)として、「ミジンコの研究」、最終章として「山口アビゲイル華奈(はな)」でした。

 なんというか、最後のほうに向かって、尻すぼみでした。
 前半でばらまいた伏線(種たね)の回収がうまくいっておらず、わかりにくいまとめになっています。

① 国籍差別問題「主に(おもに)見た目で判断されて誤解される」 ②二重国籍者の意識問題「自分はナニモノ」 ③虫に関する科学のこと。検証と研究
 それらが、うまくかみ合わさっていません。

 お話がわかりにくい。
 事実を最初は隠してあとから出すよりも、初めから明らかにして進行していくほうがわかりやすかった。
 中学生は、まだ、中学生です。
 一般的には人生体験が少ないので、読んでもなんのことか実感が湧かないでしょう。
 スマホを活用できている。あるいは、利用している中学生の数が多いとは思えません。お金がかかる話です。見ためだけができているように見えるだけです。
 おとなでも同様で、大部分の人は、キーボードを見ないでタッチタイピングすることはできないし、ワードやエクセル、パワーポイントを使いこなせる人はそれほど多くはありません。
 
 グリセリン:アルコールの一種。粘りがあるので、今回の実験で使いやすい。自分はお店で売っているのを見たことがありませんが、ネットで買えるようです。お化粧に使うことができるようです。

 シチー:ロシア料理。キャベツを下地にしたスープ

 USB:ユニバーサル・シリアル・バス。パソコン本体と機器をつなぐ規格。USBケーブルがある。

 パソコンのそばに液体(麦茶)を置く行為は、自分には信じられません。
 パソコンが水をかぶれば処理していたデータはパーになって、パソコンもパーになります。
 以前、パソコンのそばにコーヒーカップを置いていた人がカップを倒して、パソコンにコーヒーがぶちまけられて、パソコンがだめになったことがありました。いろいろとびっくりしました。

 ペリメニ:ロシア料理。水餃子(すいぎょうざ)に似ている。

 キンカメ:キンキラに光カメムシ。そういえば、去年の今ごろに、カメムシの本を読みました。『わたしたちのカメムシずかん やっかいものが宝ものになった話 鈴木海花(すずき・かいか)・文 はた こうしろう・絵 福音館』でした。岩手県の小学生たちが、自分たちの町にいるカメムシの種類などを調べて図鑑をつくるのです。読書メモをふりかえって読むと『カメムシもまた地球にすむ家族なのです。』という自分のコメントが残っていました。

 アビゲイル:アビゲイルの解説は無理やりなこじつけのような気がしました。アビゲイル=父の喜び。山口アビゲイル華奈の出生に関する父親の喜びが「アビゲイル」です。
既婚者の男(山口アビゲイル華奈の生物学上の父親)が、愛人との間にこどもができたとして、既婚の父親は、子の誕生を喜ぶだろうか。いいえです。たいてい、妊娠判明の時点から、すさまじくもめます。

 わたしは、自分が結婚して妻が妊娠して、こどもが生まれる直前ぐらいに『こんな自分でも親になれるのだ』という深くて大きな喜びを体感しました。とてもうれしかった。最初のこどもでしたから、一生に1回しか味わうことができない大切な喜びだと感じました。
 だから、自分は、できちゃった婚というのは、もったいないと思うのです。一生に1回しか味わえない喜びを味わえなくなるのです。
こどもができたから男が責任をとるような形で結婚するのはいいのだろうか。
こどもにとっても迷惑だと思うのです。こどもができたからではなくて、ちゃんと当事者(男女)同士が愛情を確認し合って結婚したほうがいい。それから生活を安定させて、こどもに誕生してもらったほうがいい。
 先日車を運転していて、たまたまラジオから流れてきた人生相談の内容です。できちゃった婚をした女性から、夫婦関係がうまくいっていない。別れようかどうしようか迷っているというものでした。
 
 『本質を追求する』ということで終わりを迎えているお話でした。
 むずかしい。いいこともあればそうでないこともある。
 本質に背を向けて、今を楽しむという生き方もあります。
 なにが幸せな状態なのかを自分で決めて楽しむ。

 ロシアのことわざがときおり出ます。
 ピロシキ:東ヨーロッパ地方の総菜パン(そうざいぱん。中に調理済みの食品が入っている)調理パン。
 18ページ『飢えは叔母さんではないから、ピロシキをくれたりしない』(困った時は自分でなんとかしろ)
 87ページ『言葉はスズメではないから、飛び立ったら捕まえられない』(一度口に出した言葉は取り消せない。言葉には注意しろ)そうだろうか。いくらでも言い直しをする人はいますし、そんなこと言ったことないとしらばっくれる人もいます。(知らないふりをする)
 218ページ『おでこより高いところに耳は生えてこない』(だれにでも限界はある)
 キャラバン:砂漠を進む商人の関係者一団。キャラバン隊。
 『犬が吠え(ほえ)、風が伝える。それでもキャラバンは進む』(人の言うことは気にするな。ただ前を見て進め)うーむ。そうかもしれない。ただ、人が離れていきます。
 いずれのことわざも極端すぎるような気がします。物事には二面性があり、バランスのとりかたが大事です。

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