2022年05月13日

長野県善光寺参拝

長野県善光寺参拝

 JR特急しなの号に乗って、名古屋市内の駅から長野駅まで行き、夫婦で善光寺にお参りをしてきました。
 島崎藤村の小説作品『夜明け前』にあるとおり『木曽路はすべて山の中にある』で、列車の左右の車窓には、緑の樹木が延々と続きました。

 長野県にある善光寺は、60年以上生きてきて、まだ訪れたことがない有名観光地のひとつです。
 半年ぐらい前に、人生の心残りにならないように善光寺参りに行こうと決心して、今月5月にようやくお参りしてくることができました。
 コロナ禍で身動きができない不自由なここ数年です。
 7年に1回の仏さまの公開のことは最近知りました。(三体の金ぴかに輝く小さな仏さまでした。前立本尊(まえたちほんぞん。まんなかに「阿弥陀如来:あみだにょらい」右に「観音菩薩:かんのんぼさつ」左に「勢至菩薩:せいしぼさつ」です)
 到着した日はあいにくの雨でしたが、お昼過ぎおそくだったこともあって、回向柱(えこうばしら)という背の高い大きな木の柱には、すんなり触れることができました。
 長野駅前のホテルで泊まって、翌日は快晴のすがすがしい空気の中、善光寺を再訪問して、再度、回向柱(えこうばしら)にさわって、本殿の奥まで入って、秘宝の仏さまも見て、そのあと、建物の床下部分の暗いところを歩きました。
 若い頃の旅行は、限られた時間内にできるだけたくさんの観光地を巡るようにプランを立てて、忙しく移動していましたが、歳をとってきて、若い頃のように、体がびゅんびゅん動いてくれなくなりました。
 移動を減らして、できるだけ同じ場所でじっとする旅のしかたに切り替えました。自分が動くのではなく、まわりが動く光景を見て楽しむことにしました。

 下の写真は、仁王門です(におうもん)。門の左右に怖そうで巨大な鬼のような形相をした木像が参拝に訪れる人たちをにらみつけています。




 次の写真は、山門(さんもん)です。かなり巨大です。二階にバルコニーのような部分があって、人が登って、眼下(がんか)を見渡すことができます。道は上り坂なので、長野市内の風景を見渡すことができるのでしょう。わたしは、上る(のぼる)のがなんぎ(体力的に苦しい。けがをしそう)なので上りませんでした。




 本堂(ほんどう)です。小雨がぱらぱら降っていました。翌日の朝は、快晴でした。




 本堂もかなり大きい。
 行く前は、愛知県豊川市にある『豊川稲荷』と似た建物だろうと想像していましたが、雰囲気は異なる建物でした。どちらがどうということもありませんが、どちらも立派な建物です。




 回向柱(えこうばしら)に、片手の手のひらを広げて当てながら『健康長寿、無病息災、家内安全。幸運でありますように』と祈願(きがん)しました。(今よりもっと歳(とし)をとったら「極楽往生(ごくらくおうじょう)」を祈ることでしょう)

 お寺の参道に、アニメ『すみっコぐらし』のキャラクター商品を売っているお店がありました。
 親戚のちびっこの女の子に『すみっコぐらし』のファンがいるので、20センチ四方(しほう)のハンカチを3枚買って、専用の手提げ紙袋もいただきました。
 このハンカチと『ねーねー』4・5月号(主婦と生活社)それから、くだもののバナナをもっていけば、ちびっこ女子は、きっと喜んでくれると思います。

 さらにお寺の参道を歩いていたら、奈良のマスコットキャラクターのせんとくんみたいな仏さまがおられたのでびっくりしました。気持ちがなごみます。
 タヌキは朝の散歩道でときどき見かけるので身近に感じます。平成ぽんぽこだぬきの邦画を思い出します。




 宿泊したホテルの温泉は気持ちよく、夕食で食べた近くの店の焼き肉もおいしかった。
 長野市の人口は37万人ぐらいですから、人口が何百万人もいる都会と比較すると少ない人口です。
 長野駅前のホテルに宿泊しましたが、新幹線も停まる(とまる)県庁所在地の駅なのに、夜は静かで意外でした。
 歴史の長い門前町(もんぜんまち。お寺さんで開けたまち)という印象が残りました。(このあと訪れた松本市は、人口はさらに少ない23万7000人ぐらいですが、芸術と文化の町でした。長野市よりも都会的な雰囲気がありました)

 善光寺の近くに小学校があるらしく、下校中の小学生たちが参道を横切っていきます。
 参道が小学校通学路の一部であることに風情を感じました。
 参道を歩いていると邦画「男はつらいよ」のフーテンの寅さん(渥美清)さんの呼び込みの声が聞こえてきそうでした。

 到着した翌日の朝早くに、パスターミナルでバス会社の若い女性スタッフさんたちが観光案内をしてくださったので助かりました。
 『城山公園』は、「しろやまこうえん」と読むのではなく「じょうやまこうえん」と読むことを知りました。びっくりしました。全国各地にある漢字の地名だと思うのですが、「じょうやまこうえん」と読むのは初めて聞きました。

 善光寺での二回目の参拝をすませたあと、松本城を見学しようとJR特急しなの号で松本駅へ向かいました。
 車窓から見える雪をかぶったアルプスの山々の風景がきれいでした。
 都会の街中ではなかなか見ることができない景色です。




 このあと訪れた松本市内で、偶然、ドラマ「相棒」の水谷豊さんと女優の檀れいさんをお見かけしました。ラッキーでした。水谷豊さんは「相棒」の杉下右京と同じ雰囲気のしゃべりかたで、高価な上着と靴とメガネをかけてかっこよく、檀れいさんは、小顔の美しい女性でした。おふたりが、キラキラと輝いて見えました。映画のトークショーみたいなことをされていました。
 愛知県への帰路の電車の中で、善光寺でお参りをしたかいがあったと、うれしい気持ちにひたりました。

(その数日後)
 街中で偶然、その日の夕方に久しぶりに電話をしてみようと思っていた友人に出会いました。
 コロナ禍で、入退院手術を繰り返していた彼なので、1年近く会えておらず、たまに電話で話すだけでした。
 大手銀行の10台ぐらいある大きくて広いATMコーナーの行列に並んでいたら、行列のうしろのほうから大きな声でわたしの名前を呼ぶ彼がいたのでびっくりしました。
 これもまた善光寺さんにお参りしたおかげでしょう。善光寺の仏さまの、人と人をつなぐ運の強さには恐れ入りました。善光寺の仏さまには、良縁をつなぐパワーがあられます。

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