2022年02月21日

ひとまねこざる H.A.レイ 文・絵 光吉夏弥・訳

ひとまねこざる H.A.レイ 文・絵 光吉夏弥(みつよし・なつや)訳 岩波書店

 アニメ『おさるのジョージ』のもとになった本のようです。
 自分はよくは知りません。
 今回初めて読みました。
 おもしろくて楽しい。
 けっこう長文で、濃密な展開の児童文学です。
 今年読んで良かった一冊です。
 ちびっこへのプレゼントにする一冊にします。

 絵がきれいです。
 1947年(昭和22年)の本と英語で書いてあります。
 こういう絵本があることを、今ごろ知りました。

 じょーじは、動物園に住んでいます。
 読んでいて、愛知県犬山市のモンキーパークに行ったときのことを思い出しました。
 かれこれ、三十年ぐらい前になります。おさるさんがたくさんいました。
 絵は、実際にあるような動物園の園庭の絵です。
 
 こざるのじょーじが、ちっちゃくてかわいい。
 大きなゾウの大きな耳の下に隠れて(かくれて)寝るじょーじです。なかなかいい。
 忘れてしまった昭和時代の温かみがあります。(外国のお話ですが)
 文章と絵が脳に与える感触がいい。
 (突然ですが、児童虐待反対をテーマにした絵本を思い出しました。『うまれてきたんだよ』内田麟太郎作品でした。言うことを聞かないからといって、ちびっこにつらく当たるのはやめましょう)
 
 不可解なこととして、アフリカからじょーじを連れて来た黄色い帽子のおじさんを慕っているじょーじです。よく考えれば、おじさんは、じょーじをアフリカで捕まえてきて、売買した商人です。ジョージは、おじさんを友だちだと思っていてはいけません。むしろ敵なのです。(その点で、この本は人間中心の本です)

 きれいな、おそらくニューヨーク市街地の絵です。カラーです。
 もしかしたら、擬人法で、作者とじょーじを重ねてあるのではないか。
 じょーじは、バスの屋根の上にのって、都会見物をしています。
 じょーじは、冒険が好きです。
 こどもは、未知の世界を知りたい。
 
 高層ビルの絵があります。
 迫力がある絵です。
 建物は、黄色い壁に、水色の屋根です。
 なかなかいい感じです。

 26ページにある、部屋の中に絵を描いて、部屋をきれいにしたじょーじの腕前に、拍手を送りたい。

 読みながら、さらに思い出したことがあります。
 横浜市にあるランドマークタワー(高層ビルディング)の展望室で、猿回しの芸を見たことがあります。
 もうひとつは、愛知県足助町(あすけ町。現在は豊田市に合併)にある観光施設でも猿回しの芸を見学しました。

 壮大なほら話でもあります。
 うそだからといって、悪意はありません。娯楽です。(気晴らしの楽しみ)
 
 『じょーじは、とてもしりたがりやだったのです』で、終わります。
 動物園のチンパンジーを思い出しました。

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