2021年12月17日

世界最高の話し方 岡本純子

世界最高の話し方 岡本純子 東洋経済新報社

 よく売れている本らしい。
 仕事用の話し方なのでしょう。
 自分はリタイアした身なので、話し方以前に、脳の働きが加齢で弱ってきています。固有名詞(人名、地名、店名)が口から出てきません。困っているようでそうでもありません。困るのはまわりにいる人のほうでしょう。
 これからこの本を読みますが、本には、会話をするときの気持ちのもち方が書いてあることでしょう。
 リタイアした身で考えると、良かれと思って話したことや、いいことをしてあげたと思うことが、相手にとっては迷惑であったであろうということが、歳をとってからわかりました。
 これからは、相手に対して何もしないことが基本です。
 頼まれたらやる。したいことがあったら、選択肢を提案して、選択してもらえたらやる。選択してもらえなかったら何もしないことが相手に対する思いやりです。

 さて、実用書を読むときの自分のパターンです。
(1回目)
 ゆっくり1ページずつめくって最後のページまで目を通します。
 118ページに前アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ氏のことが書いてあります。過去の人になってしまいましたが、自分は、彼の復活はありうると思っています。
 本を読むと、トランプ氏は、聴き手の気持ちを尊重しながら話をしているという文脈に見えます。
 148ページには、高田明という方が登場します。自分は知らない方です。よく読んだらジャパネットたかたの創業者の方でした。自分も知っていました。テレビショッピングの番組で見たことがあります。「シーン(場面)」を聴き手に見せる話法をとるそうです。
 ジェフ・ベゾスという人は、アマゾンのCEOだそうです。CEOは社長とか会長という最高権力者みたいなポスト(地位)なのでしょう。聴き手にストーリーを話す話法だそうです。
 いずれも素人が真似するにはむずかしそうです。まずは、度胸がいりそうです。記憶力とくりかえして体で覚える練習も必要でしょう。

(2回目の読書)
 わかりやすくするために、本では、文字数を少なくしてあるようです。
 文章をずーっと指でなぞりながら読めそうです。やってみます。
 
 自分はもう人生最後のステージまで来てしまったという実感があります。
 必要なのは人間関係の整理です。
 だいぶ整理ができました。
 最後に残るのは、やはり血を分けた血縁関係と姻族関係がある親族です。
 会話をする相手も限られてきました。
 
 スピーチトレーナーという職があるのかどうかわかりませんが、政治家には必要な気がします。
 テレビでは政治家が、官僚や部下が書いたペーパーを棒読みするシーンばかりが流れます。まるで朗読大会のようです。(あとからこの本の113ページにそのことが出てきました)
 自分の言葉で自分の気持ちや考えを話してほしい。
 ただ、はっきり本音を言えないとき、はぐらかさなければならないとき、明言しにくいとき、言いにくいときは多々あります。

 著者が自分の実績を披露するマニュアル本(手引き)です。
 自信に満ちていて、読んだ人が、しっかり生きていくためという願いがこめられています。

 『伝説の家庭教師』がキャッチフレーズなのでしょうが、ピンときません。(人心をとらえる言葉)

 『雑談が苦手』ということはあります。何を話せばいいのか頭に浮かんでこない時があります。
 ただ、歳をとってくると、無理して話さなくてもいいやと思うことはあります。
 雑談というのは、聞いていると、ただ、だらだらとしゃべっているだけと気づきます。結論はありません。聞いているようで聞いていない。同じことを何度も話している。時間つぶし。そんなものです。まじめに考えると疲れます。

 外国には、『地球が平たいと信じている人がほんの少しいる』『地球のまわりを太陽が回っているという人が案外いる』とあります。
 ありそうな話です。自分の頭の中にあることが相手の頭の中にもあると思ったら違います。目には見えませんが『気持ち』とか『知識・体験』は、それぞれの頭のなかにある風景です。お互いが理解し合うことはとてもたいへんです。

 正論が通らないことがままあるのが人間社会です。
 人間は感情と欲の生きものです。
 『自分が何を言うかではなく、相手をどんな気持ちにさせるか』がポイントだとアドバイスがあります。コツとして、『相手にマイクを渡す』
 加えて、日本社会は、地縁、血縁、学閥などでつながっていたりもします。初対面の人とは自分との共通点を見つけることにやっきになったりもします。末端にいけばいくほど、仲間意識、村意識からの脱却はなかなかむずかしい。

 ソフトバンクの孫正義氏のお話が出ます。
 ほかにも有名な人の名前がいっぱい出ているのは、何かのねらいがあるからでしょう。
 
 『自分の話が止まらない人』自分にもそういうときがあります。反省するときもあります。語りだしたら止まりにくいのです。

 相手もある程度知識と経験がある人でないと会話のキャッチボールが続かないということはあります。

 『言いたいことをひとことでまとめる』むずかしい。センス(優れた感覚)や素質がいります。

 いまどきは、面と向かっての会話に加えて、リモートとかメールのやりとりもあるのでしょう。(あとから112ページにリモートのことが出てきました。そのあと、203ページにも出てきました)
 契約とか、交渉事の合意は、やはり、直接会って、力強く握手をしてでないと信頼関係が築けない気がします。

 現役だったとき、自分は最初に結論を言って、あとから説明する手法が好みでした。
 
 カルロス・ゴーン氏が出てきました。
 なんだかひどい人です。
 労働者の首は切って、自分は大富豪です。
 専属のスピーチライターがいたそうです。
 世の中にはいろんな人がいます。
 詐欺師みたいな人が偉くなるのです。
 本の趣旨とは相反しますが、スピーチにだまされないようにしなければと警戒します。

(つづく)

 『教官』から『共感』へ。
 納得はできますが、組織をコントロールする側のむずかしい立場もあります。
 相手の言うことに流されていたら統治できなくなってしまうこともあります。
 全体主義と民主主義の対立のようにもなってきました。

 ZOZO創業者の前澤有作氏のことが出てきました。これを書いている今、ご本人は宇宙のステーションにいます。たいした人です。

 ただの『いい人』では、組織の維持運営はできません。
 悪役が必要なときもあります。
 パワハラの恐怖支配が続く理由が、組織をつぶさないためということはあります。
 資本主義も社会主義も、基本は弱肉強食の人間世界なのです。

 アメリカ合衆国ニューヨーク州前知事アンドリュー・クオモ氏が出てきました。セクハラ行為もあって辞任されています。
 こうしてみると、雄弁な人には二面性があります。ひとつの体に複数の人格が宿っているようです。

 感情に訴える。相手を許せないと攻撃する。連帯感をつくりだして、ユーモアでまとめる。痛快な快感を聴衆に提供する。ひとつのショーです。ヒトラーを思い出します。恐ろしい。

 現在のグーグルの最高責任者ピチャイ氏が、インドの貧しい家の出身者だということは初めて知りました。
 アマゾンの共同創設者ベゾス氏も生まれた時、母親がまだ17歳の女子高校生だったという体験をもつそうです。
 ふりかえってみれば、偉人たちのうちの多くは、子ども時代は貧しかった。
 子ども時代に苦労をしても、努力をすれば、年齢を重ねるごとに上へと登っていくことができるという夢をもらえる本です。
 ただ、読んでいると、人生に落とし穴はつきもので、本に書いてある人たちは、隆盛を極めたのち、いったん転落したように見える人も多い。
 アリババの創業者であるジャック・マー氏が登場します。
 
 メタファー:たとえ(話)

 選挙に立候補した人の演説原稿を読むようでもあります。

 プレゼンテーション(演説、PR説明)では、聴き手に伝わるように、声をはって話す。
 第一には、人間は、お金(生活の糧(かて)を得るための収入)のためにがんばるのでしょう。(そう思いながら読んでいたら、199ページに年収の話が出てきました。この本の読書は、このパターンが多い。頭にヒントが浮かぶと数ページあとにその項目のことが出てきます)

 『言葉』を伝えるのではなく、『意味』を伝える。

 『スライド』と表現があるものは『パワーポイント』と読みかえて読みました。

 基本はやはり、①あいさつ ②ほめる ③あいづち ④笑顔 ⑤感謝 だということを再確認できました。
 人間の気持ちの動きはシンプルです。

 若い人たちには、これからを生き抜いていくための参考にしてほしい本です。
 年金生活者となったうちらのような者にとっては、なるべくまわりからかわいがられる年寄りになるための参考にさせてもらいます。

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