2021年10月15日

くろねこのほんやさん シンディ・ウーメ

くろねこのほんやさん シンディ・ウーメ 文・絵 福本友美子 訳 小学館

 作者は台湾の女性です。
 童話は日本語に訳してあります。

 表紙と裏表紙には、たくさんの猫とこどもたちが読書をしている絵が描いてあります。
 猫カフェみたい。

 いろんな姿、形をしている猫たちです。
 そのなかで、主人公となるのが、黒い猫です。

 いろんなねこたちです。おばあちゃん猫、おじいちゃん猫、パパ猫とママ猫、きょうだい猫、それぞれ仕事がありますが、黒い猫は本を読んでいるだけです。
 ページを次々とめくっても、黒い猫は本を読んでいます。黒い猫の趣味は読書です。

 黒い猫は、読書と同じく散歩が好きだそうです。
 黒い猫は、散歩がきっかけで、バイオレットという人間の女の子がいる本屋で、手伝いをすることになりました。
 
 以前、「図書館ライオン」という本を読んだことを思い出しましたが、今回は、本屋さんです。
 図書館は、無料貸し出しですが、本屋さんは、有料販売です。
 自分は、本は、なるべく買うようにしています。
 出版社や本を書く人たちを応援するために資金を提供したいのです。

 黒猫さんは、本屋の手伝いをしていくうちに、仕事の段取りを身に着けていきます。
 そうじをして、整理整とんをして、問屋に注文を入れて、店内の雰囲気づくりをします。

 いまどきは、リアルな本屋が減ってきています。ネット販売が主です。
 また、紙の本の売れ行きが落ちて、電子図書の販売が伸びています。

 絵本の中のお話のほうは、天候が悪化して、大雨で洪水の被害が出始めました。
 絵がていねいで細かい。
 大雨と水道管の破裂が結びつかず、物語の展開が頭にピンときません。
 不思議な水害です。
 
 助けあいがあります。
 いろいろありますが、おとなが読んだ感想とは違って、この本を読んだこどもたちは、おとなとはまるっきり別の感想をもつような気がします。
 こどもたちが集まる本屋には、きれいなお花がたくさん飾られています。
 メルヘンです。(空想物語。おとぎ話、童話)
 
 見開き2ページに、本を読むこどもたちと猫の姿がいっぱいに描かれています。
 電子書籍が広まってきた今、紙の本を大勢で読んでいるというだんだんみられなくなっていく光景です。
 時代はデジタル化ですが、児童書は、紙の本として残ってほしい。
 複数人が一冊の本を囲んでの読み聞かせも読書です。
 複数人でわいわいがやがややりながら、物語をつくるのも読書です。
 紙のぬくもりを感じながらの読書でした。

この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t145342
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい