2021年01月12日

だんまりこおろぎ 虫の音(ね)がきこえる本

だんまりこおろぎ 虫の音(ね)がきこえる本 エリック=カール・作 くどうなおこ・訳 偕成社

 ページをめくっていって、最後のページをめくると、こおろぎの鳴き声が聞こえ始める仕掛け絵本です。
 楽しい。こどもさんには秘密で読み聞かせをすると、きっとこどもさんは驚いて喜ぶことでしょう。

 絵が外国風です。虫の顔がリアルです。日本人の感覚とは違います。
 筆致は線ではなくて面です。(あとでわかったのですが、コラージュ(張り紙)でした)
 文章は歌詞のようです。リズム感があります(翻訳の結果として)
 夜空に浮かぶ満月の絵がきれいです。月が輝いています。

 最初のページに生まれたばかりのあかちゃんこおろぎとおとなのこおろぎが登場します。
 あかちゃんこおろぎは生まれたばかりですからまだ鳴けません。
 あかちゃんこおろぎは、いっしょうけんめい、羽をこすり合わせますが音は出ません。
 ページをめくるたびに、あかちゃんこおろぎには、新しい虫との出会いがあります。
 ばった、かまきり、りんごくいむし、あわぶくぶくむし、せみ
 あかちゃんこおろぎは、あいさつがわりに、羽をこすって鳴く音を出そうとしますが、なかなか音が出ません。
 はち、とんぼ、か、が
 そしてなんと、あかちゃんこおろぎは、成長して、こおろぎの女の子と出会います。
 恋の始まりです。
 なんどもなんども男の子こおろぎの鳴き声が続きます。
 素敵な愛の歌でした。短い文章のなかに成長の長い過程があります。

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