2020年11月08日

家族にサルーテ イスキア島は大騒動 イタリア映画DV

家族にサルーテ イスキア島は大騒動 イタリア映画DVD 2018年公開

 日本でいうところの山田洋二作品「家族はつらいよ」のような雰囲気の映画でした。イタリア人もたいへんです。「サルーテ」は調べたら、イタリア語で、「乾杯!」でした。笑福亭鶴瓶さんの「家族に乾杯!」みたい。
 
 両親の金婚式のためにイタリアのナポリ湾に浮かぶイスキア島に来た親族一同が、日帰りの予定が、天候が悪化して決行のために島で二泊することになります。総勢19名です。戸建ての両親宅に雑魚寝(ざこね)になります。お互いのお互いに知られたくない内緒ごとが明るみに出てしまいます。相手を攻撃する怒鳴りあいや、感情が高ぶってのわめき声が響き渡ります。大騒動です。

 親兄弟姉妹叔父叔母などと、登場する人数が多いので、だれがだれやらの感があります。
 高齢の両親:ピエトロ、アルバ夫妻(元レストランオーナー夫妻)
 長男夫婦と娘:長男カルロ、(長男の元嫁に嫉妬する)後妻のジネーヴラ
 長女夫婦と息子:長女サラ、夫は若い女と浮気している。
 離婚した次男
 長男の元嫁とふたりの娘と娘のボーイフレンド:前妻エレットラ(現在は、シングルマザー)
 高齢の夫の妹と妹の長男夫婦、妹の次男夫婦:夫からみての甥はリッカルド(借金まみれ)とルアナ(妊娠中)夫婦
 親戚の女性と娘
 
 お金がないことや、離婚、再婚、嫉妬、不倫、認知症の夫の病気と介護、嘘つき、いろいろあります。
 「助け合い」とはいいますが、たいていは、頼る者はひたすら頼り、頼られる者はひたすら頼られる一方的な協力関係であることが多い。
 自由奔放な異性関係がありますが、どうも外見の見た目が好きというだけで、人間的な中身にひかれて好きという光景は見当たりません。
 自己主張ばかり続けていたら生活は破たんします。

 高齢のお母さんの言葉のいくつかが心に響きました。
「うちの子たちは迷ってばかりね」
「ふつうの人生なんてないわ」
「忘れないで、わたしたち女が世界を支えているの」

 雨降って地固まる(あめふってじかたまる。言い争い、ケンカ、災難のあとは良いことが起こる)とか、嵐のあとに平穏が訪れるという雰囲気の映画でした。
 いろいろあるけれど、空元気(からげんき。みせかけの元気)を出してでも人は生きていく。

 教訓としては、途中寄り道があったとしても、できるなら、ひとりの人を愛し続けて、パートナーとして長い歳月を歩んでいきましょう。そして、この映画の着地点としては、起源となる夫婦のように、金婚式(結婚後50年)を迎えましょうということなのでしょう。

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