2020年08月11日

よあけ ユリー・シュルヴィッツ

よあけ ユリー・シュルヴィッツ作・画 瀬田貞二・訳 福音館書店

 ポーランドのワルシャワ生まれの作家さんです。1959年にアメリカ合衆国へ渡っておられます。
 絵本は、1977年初版、手もとにある本は、2020年で、第53刷です。

 タイトルのとおり、「夜明け」について絵本化されています。
 無音の世界、くすんだ暗い風景、まだ夜が明ける前の情景からスタートします。
 気温は、「寒い」とあります。
 ちょっと怖い絵があります。おじいさんと孫が毛布にくるまって木の下で野宿をしています。暗い人生の始まりのようでもある。
 日本語訳がグッドです。自分の言葉で書いてあります。文語調です。
 「静」から「動」へと変化していきます。
 風の動きから始まって、「光」がさしてきます。
 観察です。写真家が長時間自然のなかでカメラを構えているような感じです。シャッターチャンスを待っています。
 コウモリが舞い、かえるが水に飛び込みます。生き物たちの活動が始まりました。
 鳥が鳴き始めました。
 おじいさんとおまごさんが、目を覚ましました。
 自然に包まれて神秘的です。
 ふたりは、毛布を巻いてかたづけて、小舟に毛布とほかの荷物を積んで湖にこぎだします。外国人のふたりの姿が岸辺にあります。
 お孫さんは幼児だと思っていましたが、じっさいは、小学校の高学年ぐらいに見える男の子です。ふたりとも、てこぎボートから落ちないように気をつけてください。
 湖に大自然の風景が映ります。
 色彩がきれいです。美術書か、画集を開くようです。
 人生の夜明けです。ドラマチックでした。
 
 調べた言葉として、
 みおひく:こぶねをこいだときにできるこぶねのうしろの波、水の筋

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