2020年08月08日

きょうはなんのひ? 瀬田貞二・作 林明子・絵

きょうはなんのひ? 瀬田貞二・作 林明子・絵 福音館書店

 1979年8月10日付発行の絵本です。昭和54年のことです。この絵本を発行して11日後の8月21日に作者の瀬田貞二さんはご病気で亡くなっています。63歳でした。ご冥福をお祈りいたします。

 絵本の中には、ダイヤル式の黒電話が出てきます。
 いまだに、ダイヤル式の黒電話、あるいは、ダイヤル式のクリーム色の電話機を使っている家を何軒か知っています。
 日本には、一億二千四百万人ぐらいのひとたちが住んでいます。だれもかれもが、スマホやパソコンで、SNSを使いこなせているわけでもありません。人の数だけ、いろんな生活があります。

 お話は、手紙のリレーで、ロシアの民芸品、マトリョーシカ人形を思い出すような内容でした。
 きょうは両親に関するなにかの記念日で、小学三年生ぐらいのまみこちゃんという娘さんが、両親のお祝いをしたい。
 たきたてのあたたかいごはんからは湯気がのぼっています。おみそ汁からも湯気がのぼっています。こたつのテーブルで三人家族です。幸せな空気に包まれています。

 さいしょに「かいだんさんだんめ」の意味がわかりました。階段のステップの三段目にメッセージがおいてありました。『ケーキのはこをごらんなさい』まみこさんからお母さんへのクイズお手紙です。
 ケーキのはこのなかをあけると、『つぎはげんかんのかさたてのなか』とあります。そうやって、次々に手紙のリレーがつづきます。
 二階建て一戸建てのどの部屋も、家族のあたたかみで満ちています。
 お母さんがピアノでまみこさんの好きなキラキラ星をひくシーンには、お母さんの娘さんに対する愛情が満ちています。

 お父さんがバスケットをもって帰宅した時になにかしらピンときました。(バスケットのなかには、たぶん犬が入っているのにちがいない)
 
 次は、まみこちゃんからご両親へのプレゼントです。お金がかからない贈り物です。
 りゅうのひげのたま:植物で、はっぱが、りゅうのひげのような形状をしていて、むらさきの小さなたまができる。お庭とか、駐車場の装飾で植えてあるのを見たことがあります。
 なんてんのみ:ナンテンという木の赤い実。観賞用の庭木や鉢で見たことがあります。難を(福に)転じる。たしかそういう縁起ものです。
 まみこちゃんにいわせると、「紫色のりゅうのひげの実」がお父さんで、「赤いなんてんの実」がお母さんだそうです。きょうは、ご両親の結婚10周年の記念日だそうです。

 仲良し家族です。絵本を読み終わったあと、うらやましかった。
 自分が結婚10周年だったときは、どうだっただろう。
 思い出しました。
 長時間労働で、ひたすら働いていました。
 仕事優先で、家族にはいっぱい迷惑をかけました。
 絵本をよんだあと、反省しました。
 まだ学校も週休二日制ではありませんでした。

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