2020年05月23日

よるくま 酒井駒子

よるくま 酒井駒子 偕成社

 ほのぼのあったかい気持ちになれる壮大な空想物語で、こどもさんを寝かすときに読む絵本です。

 夢と現実の区別がつかないかもしれない3歳ぐらいの男の子です。くまのぬいぐるみといっしょに寝るのは、くまが好きだからでしょう。
 よる来るくまだから、「よるくま」、こぐまです。よるくまのおかあさんが、行方不明です。
 ふたりでよるくまのお母さんを探そう。こぐまの胸には白い月の模様があります。
 こどもが母親を探すストーリーです。そして、おかあさんに、どこにもいかないで。ぼくのそばにいてというメッセージがあります。
 夜の電信柱の上に、ちょこんとのって、黄色い三日月をみつめている黒いこぐまの絵がいい。
 こぐまの家の雰囲気もリアルです。
 お母さんはなかなかみつかりません。
 とうとうこぐまは泣きだしました。
 起承転結の転の部分がいい。流れ星の登場です。
 新しいことがいっぱい待っているこどもたちの未来が見えます。

 絵の色合いで心が落ち着きました。
 
 一回、二回と繰り返し読んで、三回目の本読みの時に思ったのは、こぐまであるよるくまのお母さんは、共働きのお母さんか、シングルマザーのお母さんではなかろうかということでした。
 生活していくためには働いて収入(お魚)を得なければなりません。だから、よるくまが、ひとりで泣いていても、まずは、稼ぐことを優先させなければならないのです。よるくまくんにも、そういうことを、わかってほしい。

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