2020年04月21日
相棒 シーズン8 2009年10月(平成21年)DVD
相棒 シーズン8 2009年10月(平成21年)-2010年3月(平成22年) DVD
まずは整理します。
警察庁が、国の組織で、警視庁が、東京都の組織。
杉下右京(水谷豊) 警視庁特命係 警部(課長補佐・係長級)
警視総監-警視監-警視長-警視正-警視-警部-警部補-巡査部長-巡査長-巡査
神戸尊(かんべ・たける、及川光博)警視から警部補に降格になって特命係へ配属された。
小野田公顕・おのだこうけん(岸部一徳) 警察庁長官官房室長
米沢守(六角精児) 警視庁鑑識課巡査部長
大河内春樹(神保悟志) 警視庁警務部首席監察官 警視正
内村完爾・うちむらかんじ(片桐竜次) 警視庁刑事部長 警視正
中園照生(小野了) 警視庁刑事部参事官 警視正
三浦信輔(大谷亮平) 警視庁捜査一課刑事 巡査部長
伊丹憲一(川原和久) 警視庁捜査一課刑事 巡査部長
芹沢慶二(山中崇史) 警視庁捜査一課刑事 巡査部長
杉下右京の個性:警察上層部の命令に従わない(命令とは、警察の保身が目的)。慇懃無礼な態度(いんぎんぶれい。あまりに丁寧な態度が逆に失礼。嫌味で誠意がこもっていない)されど、天才的頭脳の持ち主であり、頭脳明晰(ずのうめいせき)な思考で、名推理に秀でている(ひいでる)。正義感が強い。紅茶とチェスを好む。
相棒となる神戸尊(かんべ・たける):警察上層部の密命を受けて、意図的な二階級降格を受けて、杉下右京の動きをさぐって報告する。警備部出身。死体が苦手
公安:公共の安全と秩序。テロ対策。
「第一話 カナリアの娘 2時間スペシャル」
ロンドン帰りの杉下右京、成田空港到着からスタートです。
最初の仕掛けは見破れました。白バイの追跡(たぶんこの部分は芝居だろう-当たりました。だいぶ相棒の脚本に慣れてきました)
爆弾づくりを通して、親子関係、父と娘の関係を考える作品です。
痛快な内容になることが途中で予想でき、じっさいそのとおりになりましたが、後半は、ゆるんだような。
カナリアは、爆弾テロ組織を指します。
「第二話 さよなら、バードランド」
バードランドは、ジャズ雑誌です。若い頃、ジャズバンドを組んでいたメンバーが3年おきに集まって一泊温泉旅行をしていますが、敵は身近なところにいました。頭がいい殺人犯行計画を杉下右京が暴いて(あばいて)いきます。
交換殺人にみせかけた仕掛けのある犯行でした。
「第三話 ミス・グリーンの秘密」
ガーデニングが好きな老いた女性を草笛光子さんが好演されていました。
神戸尊刑事(かんべたける、及川光博)のセリフ「イヤです」、「あなたに新しい芽はつめません」が良かった。
単なる推理ドラマを超えて、人間ドラマに仕上げてありました。いたずらを仕掛けられて事故死した妹の復讐をミスター・グリーン(草笛光子)さんが果たそうとします。
「第四話 錯覚の殺人」
人の目をあざむくことが得意な知覚心理学者である大学の先生による愛憎がらみの殺人事件です。殺人実行シーンは怖い。
スパイ役の相棒神戸尊の杉下右京評です。「着想の原点が凡人とは異なる。彼には、常人には見えないものが見えているのではないか」
観ていて、たぶんこうだろうというトリック解読の予測が裏をかかれます。視聴者がだまされるのです。
「第五話 背信の徒花(あだばな、咲いても実を結ばない。無駄)」
鑑識米沢さん(六角精児さん)の鉄道おたく話から始まり、駅の映像に犯罪発見のきっかけが浮かびます。
高速道路建設に伴う官製談合から、立退料で儲けたいという話へ発展していきます。善良な市民の顔をした悪魔がいます。
5年前の自殺に見せかけた殺人を杉下右京が明らかにしていきます。
転落死させたトリックには気づけませんでした。
「第六話 フェンスの町で」
フェンスの向こうは米軍基地です。15歳中学生男子が郵便局強盗をします。相棒は、普通のお話づくりはしない脚本なので、事件は終わったようで、終わりません。
中学生に対して説教は必要です。杉下右京と神戸尊は、さらに、説得をします。「土本君が君を助けてほしいと言っています」、「友だちは君しかいないと言っています」
離婚して、苗字が変わるこどもたちへの配慮も必要なのかと気づきました。離婚しないのが一番いいのですが。
ラストワードとして、「許す」という言葉は、表面には出されませんでした。
「第七話 鶏と牛刀」
鶏を殺すのに、大きな刃物を使うのはなぜかという内容の犯罪背景があります。裏に大きな組織の犯罪が隠れています。組織を守るために、雇われの人が自殺にみせかけられて殺されます。
以前の相棒、亀山薫刑事がなつかしい。こんどの相棒、神戸尊は、杉下右京にとっては、敵のようなスパイポストです。珍しい設定です。
消えた年金問題を巡る不祥事が素材です。あれから10年ちょっと経ちました。
「第八話 消えた乗客」
路線バスの中の様子が変です。運転手と乗客四人が消えたというところから始まりました。車内には血痕(けっこん)が残っています。ひとりの犯人で四人の人質を束縛できるのだろうかという疑問をもちながら視聴を続けました。
「第九話 仮釈放」
刑務所内の内部犯行を扱った作品でした。第八話も第九話も相棒らしくない脚本だったと感じました。
角田課長の演技に味わいがありました。
「第十話 特命係西へ! 死体が握っていた数字と消えた幻の茶器の謎 2時間半スペシャル」
歴史ものでした。千利休、織田信長、明智光秀の本能寺の変、豊臣秀吉の話などに、相棒役神戸尊の大学時代の恋話がくっついてきます。
わたしには合わない作品内容でした。
特命係は相変わらず組織のなかのカヤの外扱いでした。
話があちこち飛んでわかりにくかった。
「第十一話 願い」
静かに淡々と進んでいきます。
まだ、「時効」があったときの物語です。16年前のおぞましい誘拐殺人事件の犯人が明らかになりますが、時効の壁で罪を問うことができません。やりきれない事件です。
物語は、「盗聴器」から始まります。始まって30分が経過してから話が深まっていきます。たいしたものです。
「第十二話 SPY」
スパイの話です。相棒神戸尊に電話をかけてきた銀座のホステスが殺されます。
おもしろい部分も多々ありました。神戸尊「取り調べられてきます」
警察内部の不祥事で、見ていてあまり感じのいい内容ではありませんでした。
「エス」がスパイです。警察組織内部でスパイ行為があります。犯人役の方は、ハスキーボイスが魅力的でした。
見ていて、そこまでして、仕事をしなければならないのかと胸が詰まる思いでした。
すごいなあ。
「第十三話 マジック」
手品師(マジシャン)による殺人計画と実行です。
このシリーズの手段のひとつとして、杉下右京の面前で殺人事件が起こるパターンです。特命係のふたりには上層部からの捜査はずしの意図があるので、そうして、事件との関わりをもたせるのです。
「別れさせ屋」というのが登場します。離婚請負人です。配偶者に非をつくって、慰謝料逃れを画策する。
ちょっと異常な世界でした。いつでも自分が一番でないとがまんできない。自分を追い抜く者は、弟子でも息子でも許さない。病院に行ったほうがいい。
「第十四話 堕ちた偶像」
国会議員による殺人事件です。当人は、自分のためなら正義を貫くが、政策実施のためなら踏み外すこともありと判断してしまいます。目標を達成できるならば、悪もまた正義なり。
天才杉下右京の暗号メモの解読がすばらしい。
「第十五話 狙われた刑事」
伊丹刑事が命を狙われます。10年前、同刑事が違法すれすれの取り調べをして、その後の経過において、同刑事に怨みをもつ犯人が復讐のために同刑事の殺害に関与します。
神戸尊の言葉、「(杉下右京のこととして)天才には、凡人には見えないものが見えて必ず結果を出す」が良かった。
みんな、刑事らしくなかった。(俳優らしかった)
相棒らしく、簡単には決着をつけませんでしたが、暗い雰囲気がありました。
「第十六話 隠されていた顔」
観終わって爽快な気分が残りました。サブリミナル効果→マインドコントロール→確認行為の経過で真犯人を突きとめました。
タバコに支配された人間の悲しみがありました。タバコの奴隷から解放されましょう。
タバコへの点火でガス爆発死します。被害者は恐喝の加害者でもありました。
杉下右京が容疑者をときおり強く𠮟りつけるのですが、立場の弱いものを守る趣旨の言葉が、いつも正論で気持ちがいい。
「第十七話」
コメディタッチでおもしろかった。三人組の男性が民家へ空き巣に入るのですが、住人のほうが上手の強盗犯罪者だったのです。そこへ、杉下右京が、がちあいます。杉下右京のいるところで犯罪が起こるパターンです。
杉下右京は天才です。安心して見ていられます。
もう10年前の作品ですので、世の中の状況は変化しました。三億円強盗事件なのですが、いまや電子マネーの時代になりました。現金を大量に搬送することは減ったことでしょう。
「第十八話 右京、風邪をひく」
最初に時系列を崩した内容で放映して、いったん終了後、時系列で放映するという手法でした。
「気持ちを伝える」小さな女の子から身寄りのない66歳のひとり暮らし男性に気持ちが伝わりますが、男性は殺されてしまいます。
殺人の動機があとあとまでわかりませんでした。偶発的なきっかけでした。そういうことかと納得しました。
運とか縁の話もありました。
「最終話 神の憂鬱」
タイトルは、FRSフェイシャル・レコーディング・システム防犯カメラの顔認証システムで、機械を操作する人間が神になったかのような気分になることを表しています。
みなさん芸達者の役さんばかりで楽しめました。良かった。いい作品でした。
ふたつのスパイを重ねてあります。杉下右京の身辺調査をする相棒の神戸尊と産業スパイです。
商社ビルの8階からの転落死から別の殺人事件まで続きます。事件内容には警察活動がからんでいます。警察は、自らの組織を守るために権限を行使して組織防衛を図ります。そこへ、正義感の固まりの天才杉下右京が乗り込みます。天才職員たちのぶつかりあいがおもしろい。
10年前のシステム開発の話です。10年後の今は実用化されていると思います。そういったことも考えながら映像を観ています。歴史の流れを感じることができます。
組織人として生きるということは、「黒」を「白」にみせかけるために、限りなく「灰色」にもっていくということがわかります。それぞれの立場に、苦しい葛藤があります。されど、杉下右京には、「黒は黒」しかありません。そこが、このドラマの魅力です。
このシリーズを最初から見始めて、ようやく10年前にたどり着きました。楽しみを早く消化してしまわないよう、これからもゆっくり観続けていきます。
まずは整理します。
警察庁が、国の組織で、警視庁が、東京都の組織。
杉下右京(水谷豊) 警視庁特命係 警部(課長補佐・係長級)
警視総監-警視監-警視長-警視正-警視-警部-警部補-巡査部長-巡査長-巡査
神戸尊(かんべ・たける、及川光博)警視から警部補に降格になって特命係へ配属された。
小野田公顕・おのだこうけん(岸部一徳) 警察庁長官官房室長
米沢守(六角精児) 警視庁鑑識課巡査部長
大河内春樹(神保悟志) 警視庁警務部首席監察官 警視正
内村完爾・うちむらかんじ(片桐竜次) 警視庁刑事部長 警視正
中園照生(小野了) 警視庁刑事部参事官 警視正
三浦信輔(大谷亮平) 警視庁捜査一課刑事 巡査部長
伊丹憲一(川原和久) 警視庁捜査一課刑事 巡査部長
芹沢慶二(山中崇史) 警視庁捜査一課刑事 巡査部長
杉下右京の個性:警察上層部の命令に従わない(命令とは、警察の保身が目的)。慇懃無礼な態度(いんぎんぶれい。あまりに丁寧な態度が逆に失礼。嫌味で誠意がこもっていない)されど、天才的頭脳の持ち主であり、頭脳明晰(ずのうめいせき)な思考で、名推理に秀でている(ひいでる)。正義感が強い。紅茶とチェスを好む。
相棒となる神戸尊(かんべ・たける):警察上層部の密命を受けて、意図的な二階級降格を受けて、杉下右京の動きをさぐって報告する。警備部出身。死体が苦手
公安:公共の安全と秩序。テロ対策。
「第一話 カナリアの娘 2時間スペシャル」
ロンドン帰りの杉下右京、成田空港到着からスタートです。
最初の仕掛けは見破れました。白バイの追跡(たぶんこの部分は芝居だろう-当たりました。だいぶ相棒の脚本に慣れてきました)
爆弾づくりを通して、親子関係、父と娘の関係を考える作品です。
痛快な内容になることが途中で予想でき、じっさいそのとおりになりましたが、後半は、ゆるんだような。
カナリアは、爆弾テロ組織を指します。
「第二話 さよなら、バードランド」
バードランドは、ジャズ雑誌です。若い頃、ジャズバンドを組んでいたメンバーが3年おきに集まって一泊温泉旅行をしていますが、敵は身近なところにいました。頭がいい殺人犯行計画を杉下右京が暴いて(あばいて)いきます。
交換殺人にみせかけた仕掛けのある犯行でした。
「第三話 ミス・グリーンの秘密」
ガーデニングが好きな老いた女性を草笛光子さんが好演されていました。
神戸尊刑事(かんべたける、及川光博)のセリフ「イヤです」、「あなたに新しい芽はつめません」が良かった。
単なる推理ドラマを超えて、人間ドラマに仕上げてありました。いたずらを仕掛けられて事故死した妹の復讐をミスター・グリーン(草笛光子)さんが果たそうとします。
「第四話 錯覚の殺人」
人の目をあざむくことが得意な知覚心理学者である大学の先生による愛憎がらみの殺人事件です。殺人実行シーンは怖い。
スパイ役の相棒神戸尊の杉下右京評です。「着想の原点が凡人とは異なる。彼には、常人には見えないものが見えているのではないか」
観ていて、たぶんこうだろうというトリック解読の予測が裏をかかれます。視聴者がだまされるのです。
「第五話 背信の徒花(あだばな、咲いても実を結ばない。無駄)」
鑑識米沢さん(六角精児さん)の鉄道おたく話から始まり、駅の映像に犯罪発見のきっかけが浮かびます。
高速道路建設に伴う官製談合から、立退料で儲けたいという話へ発展していきます。善良な市民の顔をした悪魔がいます。
5年前の自殺に見せかけた殺人を杉下右京が明らかにしていきます。
転落死させたトリックには気づけませんでした。
「第六話 フェンスの町で」
フェンスの向こうは米軍基地です。15歳中学生男子が郵便局強盗をします。相棒は、普通のお話づくりはしない脚本なので、事件は終わったようで、終わりません。
中学生に対して説教は必要です。杉下右京と神戸尊は、さらに、説得をします。「土本君が君を助けてほしいと言っています」、「友だちは君しかいないと言っています」
離婚して、苗字が変わるこどもたちへの配慮も必要なのかと気づきました。離婚しないのが一番いいのですが。
ラストワードとして、「許す」という言葉は、表面には出されませんでした。
「第七話 鶏と牛刀」
鶏を殺すのに、大きな刃物を使うのはなぜかという内容の犯罪背景があります。裏に大きな組織の犯罪が隠れています。組織を守るために、雇われの人が自殺にみせかけられて殺されます。
以前の相棒、亀山薫刑事がなつかしい。こんどの相棒、神戸尊は、杉下右京にとっては、敵のようなスパイポストです。珍しい設定です。
消えた年金問題を巡る不祥事が素材です。あれから10年ちょっと経ちました。
「第八話 消えた乗客」
路線バスの中の様子が変です。運転手と乗客四人が消えたというところから始まりました。車内には血痕(けっこん)が残っています。ひとりの犯人で四人の人質を束縛できるのだろうかという疑問をもちながら視聴を続けました。
「第九話 仮釈放」
刑務所内の内部犯行を扱った作品でした。第八話も第九話も相棒らしくない脚本だったと感じました。
角田課長の演技に味わいがありました。
「第十話 特命係西へ! 死体が握っていた数字と消えた幻の茶器の謎 2時間半スペシャル」
歴史ものでした。千利休、織田信長、明智光秀の本能寺の変、豊臣秀吉の話などに、相棒役神戸尊の大学時代の恋話がくっついてきます。
わたしには合わない作品内容でした。
特命係は相変わらず組織のなかのカヤの外扱いでした。
話があちこち飛んでわかりにくかった。
「第十一話 願い」
静かに淡々と進んでいきます。
まだ、「時効」があったときの物語です。16年前のおぞましい誘拐殺人事件の犯人が明らかになりますが、時効の壁で罪を問うことができません。やりきれない事件です。
物語は、「盗聴器」から始まります。始まって30分が経過してから話が深まっていきます。たいしたものです。
「第十二話 SPY」
スパイの話です。相棒神戸尊に電話をかけてきた銀座のホステスが殺されます。
おもしろい部分も多々ありました。神戸尊「取り調べられてきます」
警察内部の不祥事で、見ていてあまり感じのいい内容ではありませんでした。
「エス」がスパイです。警察組織内部でスパイ行為があります。犯人役の方は、ハスキーボイスが魅力的でした。
見ていて、そこまでして、仕事をしなければならないのかと胸が詰まる思いでした。
すごいなあ。
「第十三話 マジック」
手品師(マジシャン)による殺人計画と実行です。
このシリーズの手段のひとつとして、杉下右京の面前で殺人事件が起こるパターンです。特命係のふたりには上層部からの捜査はずしの意図があるので、そうして、事件との関わりをもたせるのです。
「別れさせ屋」というのが登場します。離婚請負人です。配偶者に非をつくって、慰謝料逃れを画策する。
ちょっと異常な世界でした。いつでも自分が一番でないとがまんできない。自分を追い抜く者は、弟子でも息子でも許さない。病院に行ったほうがいい。
「第十四話 堕ちた偶像」
国会議員による殺人事件です。当人は、自分のためなら正義を貫くが、政策実施のためなら踏み外すこともありと判断してしまいます。目標を達成できるならば、悪もまた正義なり。
天才杉下右京の暗号メモの解読がすばらしい。
「第十五話 狙われた刑事」
伊丹刑事が命を狙われます。10年前、同刑事が違法すれすれの取り調べをして、その後の経過において、同刑事に怨みをもつ犯人が復讐のために同刑事の殺害に関与します。
神戸尊の言葉、「(杉下右京のこととして)天才には、凡人には見えないものが見えて必ず結果を出す」が良かった。
みんな、刑事らしくなかった。(俳優らしかった)
相棒らしく、簡単には決着をつけませんでしたが、暗い雰囲気がありました。
「第十六話 隠されていた顔」
観終わって爽快な気分が残りました。サブリミナル効果→マインドコントロール→確認行為の経過で真犯人を突きとめました。
タバコに支配された人間の悲しみがありました。タバコの奴隷から解放されましょう。
タバコへの点火でガス爆発死します。被害者は恐喝の加害者でもありました。
杉下右京が容疑者をときおり強く𠮟りつけるのですが、立場の弱いものを守る趣旨の言葉が、いつも正論で気持ちがいい。
「第十七話」
コメディタッチでおもしろかった。三人組の男性が民家へ空き巣に入るのですが、住人のほうが上手の強盗犯罪者だったのです。そこへ、杉下右京が、がちあいます。杉下右京のいるところで犯罪が起こるパターンです。
杉下右京は天才です。安心して見ていられます。
もう10年前の作品ですので、世の中の状況は変化しました。三億円強盗事件なのですが、いまや電子マネーの時代になりました。現金を大量に搬送することは減ったことでしょう。
「第十八話 右京、風邪をひく」
最初に時系列を崩した内容で放映して、いったん終了後、時系列で放映するという手法でした。
「気持ちを伝える」小さな女の子から身寄りのない66歳のひとり暮らし男性に気持ちが伝わりますが、男性は殺されてしまいます。
殺人の動機があとあとまでわかりませんでした。偶発的なきっかけでした。そういうことかと納得しました。
運とか縁の話もありました。
「最終話 神の憂鬱」
タイトルは、FRSフェイシャル・レコーディング・システム防犯カメラの顔認証システムで、機械を操作する人間が神になったかのような気分になることを表しています。
みなさん芸達者の役さんばかりで楽しめました。良かった。いい作品でした。
ふたつのスパイを重ねてあります。杉下右京の身辺調査をする相棒の神戸尊と産業スパイです。
商社ビルの8階からの転落死から別の殺人事件まで続きます。事件内容には警察活動がからんでいます。警察は、自らの組織を守るために権限を行使して組織防衛を図ります。そこへ、正義感の固まりの天才杉下右京が乗り込みます。天才職員たちのぶつかりあいがおもしろい。
10年前のシステム開発の話です。10年後の今は実用化されていると思います。そういったことも考えながら映像を観ています。歴史の流れを感じることができます。
組織人として生きるということは、「黒」を「白」にみせかけるために、限りなく「灰色」にもっていくということがわかります。それぞれの立場に、苦しい葛藤があります。されど、杉下右京には、「黒は黒」しかありません。そこが、このドラマの魅力です。
このシリーズを最初から見始めて、ようやく10年前にたどり着きました。楽しみを早く消化してしまわないよう、これからもゆっくり観続けていきます。
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