2020年03月09日

かえるのエルタ 中川李枝子

かえるのエルタ 中川李枝子・さく 大村百合子・え 福音館書店

 1964年(昭和39年)の作品です。ナルニア国物語とか、うさぎを追いかけて穴に入っていく不思議の国のアリスなどの仲間で、楽しい空想物語というジャンルだろうと、読んでいる途中で思いました。今年読んで良かった1冊です。

 「エルタ」は、かえるのえると、主人公の小学校1年生ぐらいの男の子であるかんたをくっつけて、エルタにしたのでしょう。
 エルタはかえるですが、生きてはいません。赤い目をしたかえるの人形です。かんたが道ばたの草の中にあったのを拾いました。
 カバーや表紙、裏表紙の絵では、かえるが洋服を着ています。かえるの家族の絵です。昭和30年代から40年代はじめのころは、かえるは身近にいる生き物でした。雨が降ると緑色をした小さな雨がえるをよく見かけました。かんたのお母さんの言葉として、「かえるをつかまえると雨がふりますよ」
 読み始めてしばらくたつと、この先、このお話は、どんなふうにころがっていくだろうと興味が湧きます。
 親が一緒に遊んでくれないから、かんたは、ひとりでおもちゃ遊びをします。そのうち、おとなりのくみこちゃんが出てきました。
 自由な空想が続きます。かえるの名前が、エルタから「ドレミ」に変化したりもします。
 かんたとくみこちゃんのふたりが乗る船の名前は、「みどりのはっぱごう」で、ふねは、「うたえみどりのしま」をめざします。
 ひとりぼっちのさみしさを一時的に忘れさせてくれる空想物語と受け取りました。
 ふたりは、虹の上を歩きます。
 かたつむりもしゃべります。
 ネバーエンディングストーリー(終わりのない物語)になってきました。
 らいおんのらいおんみどりも登場しました。
 結婚式が始まります。
 楽しい読書でした。


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