2020年01月29日

相棒シーズン7 DVD

相棒シーズン7 DVD 2008年(平成20年)10月-2009年(平成21年)3月

「第1話」
 2時間ものだと思っていたら、犯人のうちのひとりが逮捕されたあと、亀山刑事が共犯者を求めて東南アジアの国へ行ったところで、(つづく)になりました。意外でした。

 杉下右京と亀山薫への風当たりが異様に強い。警視庁の幹部たちが怒っています。ふたりをリストラしたい。されど、下のほうのメンバーは、ふたりの事件解決力に頼りたい。
 ホテルの部屋で殺人事件発生。密室殺人です。トリック、手口、たねあかし、お見事でした。
 海外協力事業と海外の資源を巡る利権が素材になっています。
 政治家の瀬戸内米蔵先生も出ています。霞が関埋蔵金というのは、税金が財源のようです。
 杉下右京の推理があいかわらず鋭い。ホテルの部屋が豪華すぎる。灰皿がない。計画殺人。バッグのもちかたの変化(右肩にかけるが、左肩にかけるに変わった理由)
 しいていえば、雰囲気が暗かった。(つづく)

「第2話」
 前回のお話のつづきです。珍しく内容が湿っぽい。殺人犯に高校の同級生を殺害した理由を懇願してたずねる亀山刑事です。
 角田六郎課長のセリフがいい。「私はふたりを(杉下右京、亀山薫)を監視しております」
 日本政府からカンボジアへの援助品をごまかしているという犯罪です。
 そんなにうまくいくのだろうかと思いつつも、よくできた殺人計画です。
 次の第3話も同じですが、「なりすまし」が犯行行為です。
 前の話で亀山刑事がカンボジアに行ったのは捜査の一環だと思っていましたが違っていました。

「第3話」
 殺人の動機はたいていが、「復讐」です。
 今回は、推理ドラマというよりも人間ドラマで、松本清張作品のようでした。犯人は、誤解をして、恩人を殺害してしまいました。
 衆議院議員会館で贈り物が爆発して政策担当秘書が死にます。
 バイナリ式爆弾だそうです。洋ランの土に栄養剤をさすと爆発する仕掛けです。
 炭鉱の話が出ます。炭鉱は遠い世界になりましたが、これが放映された2008年頃は、まだ、かけらが残っていたようです。

「第4話」
 6年前に失踪した会社員男性の他殺体が発見されます。当時不倫相手だった女性が犯人と疑われますが、凶器に残された指紋が一致しません。
 犯罪被害者家族の悩みを扱った作品で、なりすましがあります。長いセリフのやりとりが続きました。なにかしら、このシーズンは、お話が湿っぽくて暗い。

「第5話」
 ラジオ放送局女性DJがからんだ刺殺事件です。
 犯行の動機の鍵を握るのは、「声」を間違えたことです。さらに、殺すべき人まで間違えています。第4もそうでしたが、ややこしい。

「第6話」
 飛び降り自殺に見える将棋の棋士の死体が発見されます。
 八百長試合が素材です。
 この第7シリーズの脚本は、精度が落ちてきているような印象があります。杉下右京と亀井薫へのバッシング(排他的な攻撃)が、度が過ぎていて、見にくいです。

「第7話」
 公務員特別なんとか罪にあたると思いますが、違法な暴力的取り調べで、取調室内で被疑者が死亡します。
 組織の隠ぺい工作が始まりますが、当然、杉下右京が立ちはだかります。
 上層部はブラックです。そんななかで、伊丹憲一刑事の正義感が光ります。
 言葉数がいやに多い台本です。

「第8話」
 さきに、特典ビデオで亀山夫婦おふたりのインタビューを見ました。ああ、降板されるんだと、しかも、このシーズン7で、さらに第8話を見始めたら、このお話の回で、ご夫婦は外国へ行かれるのだと、いまさらですが、知りました。
 インタビューでは、おふたりとも、俳優として、亀山薫と美和子夫婦の個性を演じるということを熱心に語られていました。苦労したこととして、寺脇康文さんは、髪型で、2週間に1回は短髪を整えに行かねばならなかったこと。それが、時間がなくて、休業日とか夜中にお願いしてやってもらったこともある。あとは、2話分を同時に撮影していたことがあり、頭が混乱したことなどをお話されていました。鈴木砂羽(すずきさわ)さんもやはり、ロケ地が遠かった。群馬県、栃木県が多かった。とにかく遠かったとのことでした。鈴木砂羽さんは、ドラマのなかの映像で見るよりも威圧感がある人でした。
 このドラマを見たことがなかったので、2018年の夏から最初から見始めました。1年4か月間ぐらい、毎週のように見ていたので、ドラマからおふたりがいなくなるのは淋しい。

 大学の実験室で殺人事件が起こって、保管してあった殺人ウィルスが盗まれたという状況でスタートしました。生物化学兵器です。
 組織内部の人間が、悪意をもって、悪事を働こうとすると防げません。信頼関係は大事です。
 ウィルスがいるという入れ物があるのですが、ダミー(偽物)の試験管に見えます。犯人がつかまるのが、あっけない。
 やっぱり。つづきがありました。第9話へ続くそうです。

「第9話」
 手に汗かくような時間帯が続きます。
 レベル4の実験室(最近化学兵器の拡散対応)の稼働のことはよくわかりませんでした。
 杉下右京の「おかしい」と思ったら、とことん解明する姿勢がいい。なにか、意図があって、おかしい状態になっている。
 事件解決が落ち着いたあとは、亀山薫刑事夫妻との送別シーンです。亀山薫さんのセリフ「(外国で)正義を教える」をきいたときに、先日アフガニスタンで射殺された日本人医師のことを思い出しました。残念なことです。殺しで物事を解決することはできません。
 最後は、右京さんが淋しそうでした。

「第10話」
 テレビ朝日50周年記念とあります。2時間ぐらいのロングサイズです。
 二酸化炭素CO2排出反対、自然環境破壊に反対という口実を利用したエコテロリストによる爆破事件です。
 前回、相棒の亀山薫さんがいなくなりました。今回の相棒は、法務大臣補佐官の女性姉川さんです。田畑智子さんが演じます。
 栃木県の山奥にあった銅山で、明治時代にあった田中正造公害直訴事件を思い出すような内容でした。よーく映像を観ていると、ロケ地として背景に現地の風景が写り込んでいるような気がしました。もうずいぶん昔に見たことがある風景です。
 テーマに関しては、最近だと環境活動家のグレタ・トゥンベリさんを思い浮かべます。
 犯行の動機は復讐です。いささか、動機が復讐ということに飽きてきました。人間は複雑です。相手が同一人物でも尊敬する人もいれば怨む人もいます。二面性があります。同じ人でも被害者になるときもあるし加害者になるときもあります。時の運が作用します。すんなり優しく本音を言えるときもありますが、立場上、相手に厳しいことを言わなければならない時もあります。人間は複雑です。そのあたりが、ドラマとか小説の素材になるのでしょう。
 「(経済的な地域振興のための)お金と引き換えに、自然と健康を失った」という趣旨には説得力がありました。
 杉下右京は、ばか正直な人です。そこが、魅力でもあります。

「第11話」
 すごい。すばらしい作品でした。
 拳銃を発砲してそのまま逃走した逃走犯の事件と小学3年生の女児誘拐事件が並行して同じ地域で進行していきます。
 杉下右京は、角田六郎課長の応援で事件に関与していきます。
 誘拐事件のほうで、共謀説と仮定して、父親が自分の愛人に自分の娘を誘拐させるだろうかという疑問が湧きました。だとしたら、なんてひどい父親だという思いが湧きました。
 推理がおもしろい。見ていて楽しい。
 家政婦さんのエアコンの入り切りが気になりました。やはり、右京がそこを突きました。
 もうひとつの事件で、発砲犯の人質にされていた中年女性が警察に向かって、「さっさとつかまえなさいよ!男が大勢そろっていて!」とか、「はやくつかまえなさいよ!」とわめいたところ、それから、誘拐事件のほうで、お手伝いさんが、「わたしはリストラされる」と言ったところが笑いどころでおもしろかった。

「第12話」
 いまさらですが、整理します。警察庁が、国の組織で、警視庁が、東京都の組織。
 杉下右京(水谷豊) 警視庁特命係 警部(課長補佐・係長級)
  警視総監-警視監-警視長-警視正-警視-警部-警部補-巡査部長-巡査長-巡査
 小野田公顕・おのだこうけん(岸部一徳) 警察庁長官官房室長
 米沢守(六角精児) 警視庁鑑識課巡査部長
 大河内春樹(神保悟志) 警視庁警務部首席監察官 警視正
 内村完爾・うちむらかんじ(片桐竜次) 警視庁刑事部長 警視正
 中園照生(小野了) 警視庁刑事部参事官 警視正
 三浦信輔(大谷亮平) 警視庁捜査一課刑事 巡査部長
 伊丹憲一(川原和久) 警視庁捜査一課刑事 巡査部長
 芹沢慶二(山中崇史) 警視庁捜査一課刑事 巡査部長
 
 今回の話では、内村完爾刑事部長が杉下右京を毛嫌いします。小野田公顕官房室長も不祥事を闇に葬ろうとします。外国人がらみの事故的犯行ですが、帰国して逮捕が困難です。どうも、正義感に燃え怒った警察職員が外国まで行って、犯人を殺害したらしい。
 フランスで日本人女性を殺害して南米の国に帰国して逮捕されない若い男性容疑者のことを思い出しました。
 犯人引き渡しの条約が必要だそうですが、日本は、アメリカ合衆国と韓国としか条約を結んでいないそうです。(このあと、ゴーンさんの逃亡劇が起こって、すんなり理解できました)
 観終えて、すごいなあという感想をもちました。人間ドラマです。法令とか条約の決まり事を超えています。

「第13話」
 縄手拓海くん10歳に予知能力が宿って、未来の窃盗事件を言い当てます。お告げがあるのです。
 人間電波受信器というはじめて聞くからくりでした。人間が検波器になります。

「第14話」
 亀山薫夫婦がいなくなって数話がたちます。相棒のいない杉下右京です。推理する姿は、刑事コロンボのようです。
 歌劇団をめぐる殺人事件です。サーキュレーター(扇風機)の風が凶器です。
 よくできたからくりでした。

「第15話」
 密室での服毒自殺にみせかけた殺人事件で、犯人は、杉下右京の大学時代のフランス文学の恩師女性です。岸恵子(犯人)さん対水谷豊(杉下右京警部)という図式のふたり芝居でした。
 フランス語のことは、きいていてもよくわかりませんでした。男女のうまくいかない愛が悪をからめて描き出されている小説風の映像でした。

「第16話」
 映画の撮影現場がぶでした。
 正義と信義(真心をもって約束を守り役目を果たす正しい道)を貫く内容です。
 わけあって、事故死を他殺に見せかけた事件です。

「第17話」
 亀山薫巡査部長がいなくなってからだいぶたちます。相棒がいないのはさびしい。
 ドラマの内容は、自殺と警察が判断を下した事例に関して、他殺であると主張する関係者を、杉下右京が押し付けられた状態で話が進みます。
 非現実的な小説的作品です。
 詩の朗読会のときに、ステージの上で、朗読者が飲んだコップの水に毒が入っていた。毒を入れたのは本人という判断です。
 盗作行為というのは、深刻な結末を招きます。テーマはいつも「復讐」です。自殺を助けた、あるいは、自殺へと仕向けた真犯人が影にいます。悪人は悪知恵が働きます。

「第18話」
 どこかぬけている「陣川公平」の人物設定がおもしろい。(最近話題になった役者さんらしいがよく知りません)
 船に閉じ込められた陣川公平と杉下右京です。
 学校裏サイトのお話です。平成21年ころの作品です。掲示板が犯罪の原因となっています。
 ややこしい。
 締めは、「勘違い」でした。

「最終話」
 シリーズを最初から見始めて、ようやく7の最後まで来ました。まだ、10年前の作品です。
 今回は、山村での怪奇スリラー風の作品です。
 イディオ・サバンとかいう、知的障害者の天才的な点描による細密画がきっかけです。きいちゃんという若い男性障害者が描いた絵は、殺人現場を描いた絵に見えます。彼は、見たものを正確に描く人です。
 保険金目当ての殺人とか、自殺とか、そんな話です。
 きいちゃんは、いつも、規則正しい行動をします。それが後半への伏線となっていきます。複数の問題点を重ねてある複合的なストーリーでした。
 ドラマからいなくなった相棒の亀山薫がなつかしい。どうも、今回から新しい相棒神戸尊(かんべ・たける)が登場したようです。亀山とは性格が真逆のようです。神戸尊は、立場としても、スパイです。「特命係」をつぶす。杉下右京を辞めさせる。そのためのスパイとして、特命係へ意図的に左遷させられてきました。
 事件は、借金から逃れるために苦渋の選択として、話はすんなり進んでいきますが、ひっくりかえしが必ずあるのが、「相棒」です。しぶとい。
 印象に残ったことがらとして、「善人なればこそ鬼の餌食になりやすい」、「彼はねずみを描いた。周囲の様子は背景でしかなかった」、「ごめんね」、「金食い虫の親不孝者の息子」、「進むも地獄、戻るも地獄。真実だけが、心を救う」、「見過ごされている犯罪」、「介護に疲れた」、「スーツを着たかった」、「犠牲」、「フラメンコミュージックで引き締める」、「ネズミの穴」
 杉下右京さんが、人形か、AIロボットのように見えました。

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