2019年11月05日
相棒 DVDシーズン6 2007年(平成19年)
相棒 DVDシーズン6 2007年(平成19年)
6-1
特典映像として、テレビのインタビュー番組 水谷豊、寺脇康文
短いセリフシーンがどんどんつながって、長いシーンになっていった経過に、すごいなあと言葉が漏れました。
異なるタイプの人物像であるふたりの距離感を出す演技論で、回が進むに従って、距離感が近づいていったところに気を配ったそうです。
役作りとして、杉下右京の「警察とは何か(正義にこだわる)」。そこが右京の崩せない部分として水谷豊さんはがんこです。芯が強い。筋が通っている。
第1話
この年平成19年の5月から始まった裁判員制度が素材です。もう10年が経過しますが、当事者や関係者になったことがない人にとっては、距離感の遠い制度です。軽微な犯罪の判定だと思っていましたが、殺人で、死刑の選択をすることは、一般人にとっては荷が重すぎます。
ドラマでは、裁判員制度の課題や問題点をあげつつ、冤罪被害(えんざい。無実)を描いてあります。途中、裁判官を思いやる消化不良な作品になってしまうとがっかりしつつあったのですが、最後に逆転があります。最後のもっていきかたがすごかった。裁判員制度ではなく、人間ドラマとして、高い水準を維持しました。
「必要悪なんてない」という言葉が、杉下右京の精神をストレートに表現しています。
調べた言葉として、「門外漢:もんがいかん。畑違い、専門家ではない」
6-2
第2話
特命係第三の男と言われる陣川公平(原田龍二)が登場して、殺人容疑の重要参考人で警察に身柄を拘束されるところから始まります。
コンサルティング・ファンドマネージャーの柴藤咲江(高橋ひとみ)が犯人で、犯行方法と動機を解明していきます。
犯人に自分で墓穴を掘るように罠を仕掛ける杉下右京です。
犯人の意地(プライド、自尊心、誇り)を利用します。
第3話
ミステリー小説家女性とその夫の間の殺しの話です。
なかなか凝っています。
視聴者に他殺と思わせて、自殺の状態で始まります。
プロット(企て。くわだて)です。計画を逆手にとって相手を殺害するのだろうか。いやそうではないようだが、そのように見える。ややこしい。
「蟷螂(かまきり)」が、キーワードでした。むずかしい心理の表現でした。「相棒」らしい。
6-3
第4話
まず、税理士殺人事件があって、次にタクシー運転手の殺人事件があって、やがて、ふたつがつながります。
相棒のふたりは、相手が怒るような言いにくいことを相手に言います。ふたりともすごい度胸です。仕事のためならなのでしょうが、正義感からくるものです。攻めて攻めて、相手の言っている嘘を崩します。
キーワードは、「正反対」です。右京と亀山の個性をひっくりかえして笑いを誘う。ストーカーをサポーターと思わせる。被害者が加害者です。
途中、解決かと思わせて、されど、すっきりしない。偽装で事件をつくってあることを見破ります。そういうことかと納得しました。
シクラメンの花の贈り物があります。幼児がからみます。推理にむだなシーンはありませんでした。
第5話
画家が殺人犯人ですがかなり複雑です。
事件の向こう側に、隠されたもうひとつの事件がありました。
美を極める。格調高く仕上げられた一作でした。
6-4
第6話
バンドのボーカル男性がギターの弦で絞殺されます。
自首した被害者の彼女は、殺人行為をしていません。嘘がばれます。
「スターの実像と虚像」をテーマにした作品でした。
ゴーストライターとか、著作権とかでもめて、殺人事件がもちあがります。
第7話
美和子が「沈黙の森」という単行本を出版する予定でしたが、出版社の担当社員が殺害されて、出版が中止されます。化粧品会社の環境汚染問題を追った内容でした。
同じ出版社の別の本(売れっ子作家の本)で、化粧品会社の化粧品の宣伝をしているからです。
赤いインクがカギをにぎります。
相棒らしい、「正義」を尊ぶ終わり方でした。
6-5
第8話
「爆弾を仕掛けた。20億円を出せ」の電話から始まります。音量がうるさいぐらいに緊張を高めるBGMがしばらく続きました。
「正義」のために、ワンマン社長に制裁を与えるという犯人の趣旨です。
伝書バトが解決金の受け渡しに使われます。
地雷処理ロボットに重ねて、上手に筋立てがなされていました。
右京の最後あたりのセリフ「年が変われば平成20年。昭和も遠くなった」ですが、今は平成も終わり令和元年になりました。
遠い過去を今にスライドさせる手法でした。
第9話
無駄な部分をそぎ落としてあるいい脚本が続きます。
誤認逮捕と誤認起訴の問題提起作です。
スナック経営者夫婦間の殺人とされた(妻が夫を殺す)事件で、冤罪が発生します。妻は、拘束22日目に心身疲労の状態で自白します。でも、犯人ではありません。
6-6
第10話
テレビ朝日50周年記念スペシャル 127分
前半は、東京-札幌間を走る寝台特急列車カシオペア内起こる密室殺人事件の解決、続いて北海道にて爆弾爆破事件の犯人逮捕です。(カシオペアは2016年廃止)
走行中の寝台列車での殺人事件は、イコール、走る密室内での殺人です。犯人は必ず列車内にいます。いろいろとしかけがしてあります。そうか、あの人が犯人だったのか。わかりませんでした。
話は、冒頭で紹介された爆弾を金銭で取引するシーンに戻ります。爆弾犯人の動機がなかなかわかりませんでしたが、『仕返し(復讐)』でした。
携帯電話の機能をフル活用した内容です。ただ、観ていて、データを誤送信した場合のリスクがあると思いました。
右京の言った言葉で、「天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそんしてもらさず):悪事を行えば必ず捕まり天罰を受ける」
6-7
第11話と第12話は続きものでした。
女性刑務所からおそらく病気治療または検査が必要で、移送中の女子受刑者2名が、偽装白バイ2台を使って、脱走に成功します。未解決事件の3億円強盗事件を思い出しました。
途中、犯人像や目的が二転三転して、最後は、警察署内警察職員による汚職にまで発展する内容でした。
とてもスリルがありました。途中何度も、どうなるのだろうかと不安にさせられました。杉下右京の頭脳はAIのようです。
月本幸子が自分の血で紙袋に書いたメッセージの意味は見落としました。
なんだか、すごい展開です。どこの組織でも、組織内部の関係者である人間が悪事を働くことは防ぎにくい。上層部の管理担当職員は内心ではだれも信用してはいけないのですが、トップが悪事を働くといましめる者がいません。
出来事としてはシンプルですが、発覚すると一大事になります。
そのあたりをスペインのフラメンコの音楽にのせて、くるしげに表現してあります。「警察は神ではありませんよ」というセリフを吐く杉下右京による格闘の逮捕劇を初めて見たような気がします。
銃で撃たれても撃たれても死なない悪徳金融の悪人たちはおもしろくて最後は笑えました。「なんでもあり」がこのドラマの魅力です。非常に質の高いドラマづくりがなされています。
6-8
第13話
麻薬がらみの復讐劇でした。
わたしには合わない内容でした。
連続殺人事件と思われる事件が発生する。いずれも、被害者の携帯電話が見つかりません。
そこに、オカマバーのふたり役名ヒロコさんと芸名はるな愛さん、元麻薬探知犬マリリンがからんできます。
第14話
すごい。重層構造になっている脚本でした。
どんでん返しが鮮やかでした。
こだわりの名作に仕上がりました。
蟹江敬三さんの登場がこの番組で7年ぶりです。すでにお亡くなりになりました。
バーテンダーとウィスキー評論家をめぐる殺人事件の発生です。
加害者側の「あなたなら有無を言わせぬ証拠をもってくる」対して杉下右京が、「それは、自白ということでしょうか(あなたがいま自白したということですか)」
最後は、「人それぞれですからね」で締めてあります。
6-9
第15話
遠隔操作による連続爆破事件で、コンビニが舞台です。
途中、「つくり話」(いつもより質が低い)とがっかりしますが、予想外のどんでん返しが用意してありました。しぶとい。
杉下右京の扱いがおもしろい。警察内部の敵対グループにとって、杉下右京はやっかい者ですが、有能なので、自分たちの成果のために活用はしたい。
携帯電話のバッテリー切れのトリックは光っていました。
第16話
官僚と政治家がらみで、外務省課長職の転落死を扱います。
ややこしかった。むずかしかった。
それでも、やっぱり、しぶとい作品でした。
6-10
第17話
夫婦仲の悪い夫婦のお互いが相手を殺害しようとするお話でした。コメディに近い。
妻は夫をドライアイスを使った二酸化炭素中毒で意識を失わせて入浴中の事故死にみせかけようとしますが、夫は妻をネットを通じた依頼で嘱託殺人しようとします。どっちもどっちです。話の内容はどろどろとしているのですが、役者さんたちは喜劇志向で平和な雰囲気を楽しめます。
とことんひっくり返す脚本で感心しました。
第18話
連続毒殺事件ですが、所轄の警察が殺人だと気づけずに病死扱いしてしまいます。殺人が発覚してからも警察は組織を守ろうとします。
済んだ事件をどうやって立件するのか。もう死体がありません。杉下右京の手腕に注目です。被害者が動いたあしどりをたどる。
「毒」を扱っているのですが、現実に、職によっては、身近に毒がある仕事をしている人もいるわけで、信頼関係がないと怖いと思いました。
逆恨みです。犯人しか知りえない情報を犯人にしゃべらせる。
6-11
最終話2時間スペシャル
冤罪を扱った作品でした。放火殺人事件で死刑が確定したのに19年間死刑執行されなかった服役囚が病死します。病死した途端、真犯人が動き出します。
国には、警察、検察、裁判所の立場を守りたい意識が働きます。そこを、杉下右京がこじあけていきます。人はどうあるべきかという「人間論」が続きます。宗教的でもあります。被害者家族の「許容」まで至ることがドラマの目標です。杉下右京にできることは、「正義を貫くこと」です。最後に岸部一徳さんが言います。「(死刑判決を出した判事は辞めるんじゃなくて辞めさせられるんだ。それは、杉下右京の)暴走だ」
*スペシャルコンテンツとして、相棒のふたりが、徹子の部屋に出たときの映像が付いていました。黒柳徹子さんの要望で、配役の立場でということで、インタビューに応じておられました。そこがなんとも不思議な感じがしました。黒柳さん「事件は、毎回解決するんですよね」亀井薫さん「解決できないと話になりません」
川の中で立ち泳ぎを30分間続けたときのことが、楽しい撮影話でした。
6-12
裏相棒
1話4分程度のこばなしが8本あります。出演者は、六角精児さん(鑑識役米沢守)、刑事役の川原和久さん(伊丹憲一役)、大谷亮介さん(三浦信輔役)、山中崇史さん(芦沢慶二役)で、場所は鑑識部屋、和食花の里の店内、取調室などです。
1 茶色の小瓶
こびんに記憶を失う薬が入っています。こびんをあけるたびにまわりにいる人間の記憶が消えていきます。びんを囲む人数がだんだん増えていきます。
2 『花の里』奇譚(きたんは、不思議な話とか珍しい話)
六角精児さんが料理人で、鑑識の手法で料理を出します。お客は、川原和久さんです。実験をしているみたいでおもしろかった。
3 踊る発毛線
発毛剤を髪に塗ったあと、音楽が流れ出すと、自然に踊りを踊ってしまうのです。大柄な大谷亮介さんが踊り上手で意外性があっておもしろかった。話のころがしかた、発展性が相棒らしい。
4 張り込み
ホシが現れる可能性が低い張り込みなので、時間つぶしに三人のしりとり合戦が始まります。中身は濃い。
5 マジックミラー
取調室での三人の人事異動の噂話をだれかに聞かれています。スリルがあります。オチもおもしろかった。
6 伊丹の足の下
500円硬貨が爆弾です。地雷形式で、踏んづけた足をもちあげると爆発します。BGMの音楽が良かった。おもしろかった。
7 続・『花の里』奇譚
川原さんと山中さんです。山中さんの『彼女』という言葉に川原さんがきれます。
8 恋するイタミン
パートナーリサーチクラブ、結婚相手を探す川原さんです。携帯電話を使ってのひとり芝居に近い。おもしろかった。
6-1
特典映像として、テレビのインタビュー番組 水谷豊、寺脇康文
短いセリフシーンがどんどんつながって、長いシーンになっていった経過に、すごいなあと言葉が漏れました。
異なるタイプの人物像であるふたりの距離感を出す演技論で、回が進むに従って、距離感が近づいていったところに気を配ったそうです。
役作りとして、杉下右京の「警察とは何か(正義にこだわる)」。そこが右京の崩せない部分として水谷豊さんはがんこです。芯が強い。筋が通っている。
第1話
この年平成19年の5月から始まった裁判員制度が素材です。もう10年が経過しますが、当事者や関係者になったことがない人にとっては、距離感の遠い制度です。軽微な犯罪の判定だと思っていましたが、殺人で、死刑の選択をすることは、一般人にとっては荷が重すぎます。
ドラマでは、裁判員制度の課題や問題点をあげつつ、冤罪被害(えんざい。無実)を描いてあります。途中、裁判官を思いやる消化不良な作品になってしまうとがっかりしつつあったのですが、最後に逆転があります。最後のもっていきかたがすごかった。裁判員制度ではなく、人間ドラマとして、高い水準を維持しました。
「必要悪なんてない」という言葉が、杉下右京の精神をストレートに表現しています。
調べた言葉として、「門外漢:もんがいかん。畑違い、専門家ではない」
6-2
第2話
特命係第三の男と言われる陣川公平(原田龍二)が登場して、殺人容疑の重要参考人で警察に身柄を拘束されるところから始まります。
コンサルティング・ファンドマネージャーの柴藤咲江(高橋ひとみ)が犯人で、犯行方法と動機を解明していきます。
犯人に自分で墓穴を掘るように罠を仕掛ける杉下右京です。
犯人の意地(プライド、自尊心、誇り)を利用します。
第3話
ミステリー小説家女性とその夫の間の殺しの話です。
なかなか凝っています。
視聴者に他殺と思わせて、自殺の状態で始まります。
プロット(企て。くわだて)です。計画を逆手にとって相手を殺害するのだろうか。いやそうではないようだが、そのように見える。ややこしい。
「蟷螂(かまきり)」が、キーワードでした。むずかしい心理の表現でした。「相棒」らしい。
6-3
第4話
まず、税理士殺人事件があって、次にタクシー運転手の殺人事件があって、やがて、ふたつがつながります。
相棒のふたりは、相手が怒るような言いにくいことを相手に言います。ふたりともすごい度胸です。仕事のためならなのでしょうが、正義感からくるものです。攻めて攻めて、相手の言っている嘘を崩します。
キーワードは、「正反対」です。右京と亀山の個性をひっくりかえして笑いを誘う。ストーカーをサポーターと思わせる。被害者が加害者です。
途中、解決かと思わせて、されど、すっきりしない。偽装で事件をつくってあることを見破ります。そういうことかと納得しました。
シクラメンの花の贈り物があります。幼児がからみます。推理にむだなシーンはありませんでした。
第5話
画家が殺人犯人ですがかなり複雑です。
事件の向こう側に、隠されたもうひとつの事件がありました。
美を極める。格調高く仕上げられた一作でした。
6-4
第6話
バンドのボーカル男性がギターの弦で絞殺されます。
自首した被害者の彼女は、殺人行為をしていません。嘘がばれます。
「スターの実像と虚像」をテーマにした作品でした。
ゴーストライターとか、著作権とかでもめて、殺人事件がもちあがります。
第7話
美和子が「沈黙の森」という単行本を出版する予定でしたが、出版社の担当社員が殺害されて、出版が中止されます。化粧品会社の環境汚染問題を追った内容でした。
同じ出版社の別の本(売れっ子作家の本)で、化粧品会社の化粧品の宣伝をしているからです。
赤いインクがカギをにぎります。
相棒らしい、「正義」を尊ぶ終わり方でした。
6-5
第8話
「爆弾を仕掛けた。20億円を出せ」の電話から始まります。音量がうるさいぐらいに緊張を高めるBGMがしばらく続きました。
「正義」のために、ワンマン社長に制裁を与えるという犯人の趣旨です。
伝書バトが解決金の受け渡しに使われます。
地雷処理ロボットに重ねて、上手に筋立てがなされていました。
右京の最後あたりのセリフ「年が変われば平成20年。昭和も遠くなった」ですが、今は平成も終わり令和元年になりました。
遠い過去を今にスライドさせる手法でした。
第9話
無駄な部分をそぎ落としてあるいい脚本が続きます。
誤認逮捕と誤認起訴の問題提起作です。
スナック経営者夫婦間の殺人とされた(妻が夫を殺す)事件で、冤罪が発生します。妻は、拘束22日目に心身疲労の状態で自白します。でも、犯人ではありません。
6-6
第10話
テレビ朝日50周年記念スペシャル 127分
前半は、東京-札幌間を走る寝台特急列車カシオペア内起こる密室殺人事件の解決、続いて北海道にて爆弾爆破事件の犯人逮捕です。(カシオペアは2016年廃止)
走行中の寝台列車での殺人事件は、イコール、走る密室内での殺人です。犯人は必ず列車内にいます。いろいろとしかけがしてあります。そうか、あの人が犯人だったのか。わかりませんでした。
話は、冒頭で紹介された爆弾を金銭で取引するシーンに戻ります。爆弾犯人の動機がなかなかわかりませんでしたが、『仕返し(復讐)』でした。
携帯電話の機能をフル活用した内容です。ただ、観ていて、データを誤送信した場合のリスクがあると思いました。
右京の言った言葉で、「天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそんしてもらさず):悪事を行えば必ず捕まり天罰を受ける」
6-7
第11話と第12話は続きものでした。
女性刑務所からおそらく病気治療または検査が必要で、移送中の女子受刑者2名が、偽装白バイ2台を使って、脱走に成功します。未解決事件の3億円強盗事件を思い出しました。
途中、犯人像や目的が二転三転して、最後は、警察署内警察職員による汚職にまで発展する内容でした。
とてもスリルがありました。途中何度も、どうなるのだろうかと不安にさせられました。杉下右京の頭脳はAIのようです。
月本幸子が自分の血で紙袋に書いたメッセージの意味は見落としました。
なんだか、すごい展開です。どこの組織でも、組織内部の関係者である人間が悪事を働くことは防ぎにくい。上層部の管理担当職員は内心ではだれも信用してはいけないのですが、トップが悪事を働くといましめる者がいません。
出来事としてはシンプルですが、発覚すると一大事になります。
そのあたりをスペインのフラメンコの音楽にのせて、くるしげに表現してあります。「警察は神ではありませんよ」というセリフを吐く杉下右京による格闘の逮捕劇を初めて見たような気がします。
銃で撃たれても撃たれても死なない悪徳金融の悪人たちはおもしろくて最後は笑えました。「なんでもあり」がこのドラマの魅力です。非常に質の高いドラマづくりがなされています。
6-8
第13話
麻薬がらみの復讐劇でした。
わたしには合わない内容でした。
連続殺人事件と思われる事件が発生する。いずれも、被害者の携帯電話が見つかりません。
そこに、オカマバーのふたり役名ヒロコさんと芸名はるな愛さん、元麻薬探知犬マリリンがからんできます。
第14話
すごい。重層構造になっている脚本でした。
どんでん返しが鮮やかでした。
こだわりの名作に仕上がりました。
蟹江敬三さんの登場がこの番組で7年ぶりです。すでにお亡くなりになりました。
バーテンダーとウィスキー評論家をめぐる殺人事件の発生です。
加害者側の「あなたなら有無を言わせぬ証拠をもってくる」対して杉下右京が、「それは、自白ということでしょうか(あなたがいま自白したということですか)」
最後は、「人それぞれですからね」で締めてあります。
6-9
第15話
遠隔操作による連続爆破事件で、コンビニが舞台です。
途中、「つくり話」(いつもより質が低い)とがっかりしますが、予想外のどんでん返しが用意してありました。しぶとい。
杉下右京の扱いがおもしろい。警察内部の敵対グループにとって、杉下右京はやっかい者ですが、有能なので、自分たちの成果のために活用はしたい。
携帯電話のバッテリー切れのトリックは光っていました。
第16話
官僚と政治家がらみで、外務省課長職の転落死を扱います。
ややこしかった。むずかしかった。
それでも、やっぱり、しぶとい作品でした。
6-10
第17話
夫婦仲の悪い夫婦のお互いが相手を殺害しようとするお話でした。コメディに近い。
妻は夫をドライアイスを使った二酸化炭素中毒で意識を失わせて入浴中の事故死にみせかけようとしますが、夫は妻をネットを通じた依頼で嘱託殺人しようとします。どっちもどっちです。話の内容はどろどろとしているのですが、役者さんたちは喜劇志向で平和な雰囲気を楽しめます。
とことんひっくり返す脚本で感心しました。
第18話
連続毒殺事件ですが、所轄の警察が殺人だと気づけずに病死扱いしてしまいます。殺人が発覚してからも警察は組織を守ろうとします。
済んだ事件をどうやって立件するのか。もう死体がありません。杉下右京の手腕に注目です。被害者が動いたあしどりをたどる。
「毒」を扱っているのですが、現実に、職によっては、身近に毒がある仕事をしている人もいるわけで、信頼関係がないと怖いと思いました。
逆恨みです。犯人しか知りえない情報を犯人にしゃべらせる。
6-11
最終話2時間スペシャル
冤罪を扱った作品でした。放火殺人事件で死刑が確定したのに19年間死刑執行されなかった服役囚が病死します。病死した途端、真犯人が動き出します。
国には、警察、検察、裁判所の立場を守りたい意識が働きます。そこを、杉下右京がこじあけていきます。人はどうあるべきかという「人間論」が続きます。宗教的でもあります。被害者家族の「許容」まで至ることがドラマの目標です。杉下右京にできることは、「正義を貫くこと」です。最後に岸部一徳さんが言います。「(死刑判決を出した判事は辞めるんじゃなくて辞めさせられるんだ。それは、杉下右京の)暴走だ」
*スペシャルコンテンツとして、相棒のふたりが、徹子の部屋に出たときの映像が付いていました。黒柳徹子さんの要望で、配役の立場でということで、インタビューに応じておられました。そこがなんとも不思議な感じがしました。黒柳さん「事件は、毎回解決するんですよね」亀井薫さん「解決できないと話になりません」
川の中で立ち泳ぎを30分間続けたときのことが、楽しい撮影話でした。
6-12
裏相棒
1話4分程度のこばなしが8本あります。出演者は、六角精児さん(鑑識役米沢守)、刑事役の川原和久さん(伊丹憲一役)、大谷亮介さん(三浦信輔役)、山中崇史さん(芦沢慶二役)で、場所は鑑識部屋、和食花の里の店内、取調室などです。
1 茶色の小瓶
こびんに記憶を失う薬が入っています。こびんをあけるたびにまわりにいる人間の記憶が消えていきます。びんを囲む人数がだんだん増えていきます。
2 『花の里』奇譚(きたんは、不思議な話とか珍しい話)
六角精児さんが料理人で、鑑識の手法で料理を出します。お客は、川原和久さんです。実験をしているみたいでおもしろかった。
3 踊る発毛線
発毛剤を髪に塗ったあと、音楽が流れ出すと、自然に踊りを踊ってしまうのです。大柄な大谷亮介さんが踊り上手で意外性があっておもしろかった。話のころがしかた、発展性が相棒らしい。
4 張り込み
ホシが現れる可能性が低い張り込みなので、時間つぶしに三人のしりとり合戦が始まります。中身は濃い。
5 マジックミラー
取調室での三人の人事異動の噂話をだれかに聞かれています。スリルがあります。オチもおもしろかった。
6 伊丹の足の下
500円硬貨が爆弾です。地雷形式で、踏んづけた足をもちあげると爆発します。BGMの音楽が良かった。おもしろかった。
7 続・『花の里』奇譚
川原さんと山中さんです。山中さんの『彼女』という言葉に川原さんがきれます。
8 恋するイタミン
パートナーリサーチクラブ、結婚相手を探す川原さんです。携帯電話を使ってのひとり芝居に近い。おもしろかった。
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