2019年02月21日

つるばら村の大工さん 茂市久美子

つるばら村の大工さん 茂市久美子(もいち・くみこ) 講談社

 短編12本プラスあとがきです。1編が7ページぐらいです。(あとでわかることですが、12本は、1年間12か月の移り変わりを表しています)
 全体をめくりながら目を通します。動物で、モグラ、キツネ、ウサギ、カモシカ、クマ、タヌキ、カエルなんかが出てくるようです。
 あとがきから読みました。作者の祖父が大工をしていたことが本作品の発想のきっかけとなっているようです。昔は中学を出て職人さんになる人がたくさんいました。
 主人公は、大森勇一さんという若い大工さんです。
「おじいさんの小屋」
 大森勇一さんの祖父大森勇吉さんの知り合いだというもぐらのもぐたが登場します。このはさんが、つるばら村にある理容店のおばさんです。
 勇一さんは幻の少年に会って、勇吉さんが建てた小屋を修理します。あたり一面に咲くカタクリの花がでてきます。以前、愛知県足助(あすけ)で、斜面一面に広がるカタクリの花を見たことを思い出しました。
「モグラの井戸」
 モグラが本当にいて、生きているようでした。ハッピーエンドです。
「カエルのラジオ」
 昔の大工さんのお話です。現代では、雨戸は金属製のものになりました。
 お話しは良質です。落ち着いて安心できる味わいがあります。
 すがすがしい。
「キツネのお面」
 盆踊りのお話しです。若い世代への伝承が少なくなった今日この頃です。
 くるみ味噌:田楽、五平餅などにつける。
「よもぎ堂の入浴剤」
 つるばら村には、よもぎ平があり、そこには、よもぎ堂というお店があります。店主はウサギさんです。ヨモギの葉っぱで入浴剤をつくって売っています。
 それから、つるばら村には、月見が原があって、そこには、キツネの子どもたちが通う小学校があります。
「もみじの茶店」
 紅葉風景が広がっています。もみじがとくにきれいなのは、つるばら村にある笛吹山です。
「冬の合宿所」
 合宿所は平屋建てですが、屋根裏部屋と地下室があります。
 妖精や虫が出てくるお話でした。
 白いカモシカはロマンチックです。
「初夢の眠る部屋」
 小さな天狗が登場します。
「タヌキのダイコン」
 寒干しダイコンがおいしい。
「南風のプレゼント」
 春一番、春二番、春風のプレゼントです。
「クマのわすれもの」
 クマがコックさんを目指します。
「山小屋のレストラン」
 フキノトウやタラノメが入ったオムレツです。

 いろんな植物が出てきます。カタクリ、オキナグサ、ノイバラ、ヤマザクラ、もみじ、ヤマボウシ、コナラ(けっこう大きい、小さくない)、ホオノキ、ヤマボウシ、(わからないものはネットで調べて写真を見ました。見かけたことがある樹木ばかりです。カタクリで始まってカタクリで終わります)
 読んで気持ちのよい短編集でした。


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